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前回の記事へのコメント、過去最高くらいの賑わいだったので驚いています。こういう戦術的なことなどについて語り、意見を交換出来る場所が必要なのかもしれませんね。

さて、いただいたコメントの中に解答が... ありました!

kinさんの「パックプロテクション」が大正解です。パックコントロールスキルが低い子供達だと、いや実はけっこうスキルがある場合でも、とにかくパワープレーでのセットアップを焦り、相手にパックを晒した状態でセットアップをしようとしたり、適当にコーナーやポイントにパックを動かしてしまい、あえなくターンオーバーという場面をよく見かけます。私は最初このような現象をたんにスキル不足だと思っていたのですが、よく考えればこれはセットアップに必要なサポートが左右に来るまでパックプロテクションをしておく、というスキルとシステムをつなぐ個人/グループ戦術が不足しているということに気づきました。

そしてその後一旦5人でのパワープレーでの練習を中断して、シンプルなパックプロテクションの練習と、さらにパックプロテクションしているプレーヤーを左右からサポートする練習をさせてから再びパワープレーの練習を再開すると、見違えるほどセットアップ能力が増しました。このパックプロテクションをしているプレーヤーのサポートの仕方にもちょっとコツがあるのですが、これはシステム編の第2版でも出版するときに詳しく書くことになると思います。

スケーティングが出来るようになったからといってフォアチェックが出来るようになるわけではなく、パスが出来るようになったからといってブレークアウトが出来るようになるわけではありません。そして、シュートが打てるようになったからといって点が取れるようになるわけでもありません。

どんなプレーにも、技術を実際のホッケーのシステム、というかゲームの場面に生かすための「つなぎ」が存在し、それを一人で行う場合は個人戦術、複数で行う場合はグループ戦術と呼ばれています。一般的にホッケーのセンスとか上手さ、なんて呼ばれてる部分はまさにこの部分です。

こんなに練習していて個人技はそこそこあるはずなのに何故か試合では個人技が生きない... 個人技の練習は山ほどさせているのに全然チームプレーらしいことができない... こういう時は是非、個人技とシステムの「つなぎ」が欠けていないか、検討してみてください。