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ピーターボロー日記 (1999年1月12日~)

1月12日

若林@ピーターボローです。
日本で慌ただしい年の瀬と正月を過ごし、さらに古河電工と八戸工大一高のゴーリーを指導し、昨日カナダに帰ってきました。

ピーターボローは私が日本にいる間に記録的な寒波と雪にやられ、とんでもないことになっていました。ほとんど毎日降り止まない雪雪雪。そして-25度という寒さ。歩くとまつげも凍ります。 今日はロードでピッカーリングと試合。5-1で快勝しました。ディフェンスのマッキャンが手首の骨折から復帰して、久々にディフェンスの駒がそろいました。

現在16勝7敗4分

それでは。

1月13日

若林@ピーターボローです。
今日の試合はクラーリントンとホームで。。4-2で勝ちました。相手のチームのコーチは試合中ずっと怒鳴りっぱなしでうるさいうるさい。俺も日本でベンチにいるときは結構うるさかった時があるけど、あれってやっぱりあんまり格好良くないですね。たまに怒鳴るのは仕方ないけど、ずっと怒鳴っていても、まったくコーチングにならないだろうに、、、しかしすごいスタミナだ、、、

現在17勝7敗4分

それでは。

1月16日

若林@ピーターボローです。

<緊急特集:日本の企業スポーツを考える>

今日は真面目に書いちゃうよ。
こちらにも古河電工アイスホッケー部廃部のニュースが伝わってきました。予期していたことですが、意外と早くその時が来てしまいました。長野オリンピック以降の日本アイスホッケー界の盛り上がりの無さ(盛り下がり?)や、最近相次ぐ社会人野球、バスケ、バレー、サッカー部の活動停止、廃部、事業縮小、吸収合併などを考えれば、アイスホッケーの日本リーグが今まで持ちこたえてきたこと自体が不思議だったと言えるでしょう。

ご存じのように私は半分古河電工アイスホッケー部の内部の人間(ゴーリーコーチ)ですので、正月帰国中にゴーリーを指導しに行った際に薄々「もう時間の問題か?」と感じていました。しかしそれはあまりに早くやってきてしまいました。3年間教えてきたゴーリーたちやその他のプレーヤーはどうなるのか?心配ですが、そんなことを言っても解決策や選択肢は限られています。なぜ相次ぐ企業スポーツの崩壊に、日本社会はかくも無力なのでしょうか?

私は大学院でスポーツ社会学という分野を専攻していたため、日本の社会とスポーツの関わりについては少なからず関心を持ってきました。日本のスポーツ界が歴史的、構造的に非常にもろい側面を持っていることは、実は有識者の間から指摘され続けてきたところなのです。ここでは日本のスポーツの危機を、日本スポーツの歴史的構造的問題として考え、どのような解決策が考えられるのかを、欧米のコミュニティスポーツのあり方と比較しながら論じていきたいと思います。なお、ここで展開される話は基本的に私、若林弘紀が個人的に学術的見地から日本のスポーツの現状を批判的に論じようとするものであり、関係団体の活動及び利益を非難する意図は一切有しません。

<日本社会とスポーツ>
結論から言ってしまえば、日本リーグのチームがホッケーといわずバスケ、野球、バレーと次々に消えていくのは、日本社会におけるスポーツ文化の未成熟さが根本的原因だと思うのです。日本の競技スポーツは大人になるまでは学校で、大人になったら会社で行われてきました。学校においては「スポーツを通じた教育と人格形成と学校宣伝」の名の下に、会社においては「企業イメージアップのための広告」の名の下に、競技スポーツは行われてきたのです。地域のクラブも存在はしましたが、それらは「余暇の有効利用と健康促進」の名の下に行われているに過ぎなかったのです。

もちろん諸外国でもスポーツは少なからず教育、軍事、政治的経済的利益と結びついて発達してきましたから、この場に及んでスポーツが政治的経済的に本来自由であるべきだなんて言うつもりはありません。 とにかく日本社会においては、人間が本当にスポーツをする理由「楽しいから、競いたいから」が主になってスポーツが行われてきたことがないのです。つい最近までは、いや最近でもスポーツを純粋に楽しむというのは良くないと言う風潮が日本には根強くあります。

スポーツはあくまで教育と経済活動の従であり、スポーツが主であることはなかったのです。何と言ってもこの国にはスポーツ省という官庁が存在しません。スポーツは主に、、、文部省で扱われているのです。スポーツの発展をいつまでも教育的見地から論じていたのでは、そりゃあスポーツのプロ化なんて無理です。こんな調子ですから、スポーツが教育に効果が無いと判断されると学校スポーツは縮小され、企業にメリットがないと判断されると企業スポーツは縮小されていったのです。この状況に何も疑問を感じることなく学校と企業にスポーツを任せっきりにしてしまっていた政治家と、そして私たち市民は、いざスポーツが危機に瀕しても、それを救う新たなアイディアを持ち合わせてすらいなかったのです。

欧米では(となんでも欧米と比較するのが我々の悪い癖のですが)コミュニティ・スポーツという概念が発展していました。コミュニティとは日本ではなじみのない概念ですし、本格的に定義するとなると大変ですが、イメージとしては生活共同体です。市や、区という行政区は必ずしも日常生活の共同体を意味しません。ですから日常生活を共にする単位としてコミュニティという概念ができあがったのです。たぶん。(この辺は専門的に知らないことですので定かではありませんが、、、)

例えば「セントラル・オンタリオ」はピーターボローの近くにあるコミュニティですが、別にセントラル・オンタリオ市という市でも村でもありません。その辺りにあって日常生活を共有している小さな町の総称なのです。「ニュー・マーケット」も同様です。しかし、「日常生活を共有する」と言ってもそんな曖昧なものを共有できる感覚は人間にはありません。そこで登場したのがスポーツクラブです。コミュニティ単位で運営されるスポーツクラブを作ればスポーツを媒介としてコミュニティが一つになる感覚を共有できるのです。つまりスポーツクラブはコミュニティの象徴なのです。

例えばピーターボロー・マイナー・ピーツ(及びナショナルズ)はピーターボロー市を中心とするピーターボロー・カウンティの代表チームなのです。コミュニティの代表チーム同士が対戦するのがいわゆるオールスターホッケーです。これなら親も子供もチームへの帰属と応援を通してコミュニティに帰属しているという意識を得ることができます。リンゼイやセントラル・オンタリオ、ニュー・マーケットのように中心となる大きな町を持たないコミュニティではなおさらコミュニティの象徴としてのスポーツクラブの役割が大きくなります。

ヨーロッパではコミュニティスポーツの頂点としてプロのクラブチームが運営されていることが多いようです。北米においてはプロのクラブはコミュニティと経済的に独立した完全な興行団体になっていることがほとんどです。しかしそれでもプロのチームが地域社会の象徴として存在していることは間違いありません。

コミュニティスポーツにももちろんスポーツを利用したコミュニティ形成という政治的意図はしっかりあるのですが、スポーツは人間にとって必要な文化であるという前提がまずあり、それを学校や企業、そしてコミュニティでサポートしていくという点が大きく異なります。ですから、資金難でスポーツ活動が縮小されることはあっても、簡単にチームを解散したりリンクを閉めたりすることはできないのです。欧米のスポーツ先進国と呼ばれる国で、日本よりも経済状況が悪い国はいくらでもあります。しかしスポーツが日本ほど危機的状況に瀕している国はありません。

ここまでで分かるように日本のスポーツは所詮学校と会社のためのもの。甲子園で県の代表として出場する一つの高校を応援し、日本リーグでは一つの会社のチームを応援しているに過ぎないのです。プロ野球はいまだに企業名の名の下に行われていますし、Jリーグもそのことでずいぶんジレンマに陥っているようです。学校も企業もスポーツ活動が自分たちにとって直接的な利益になって還ってくることを期待して行っていたので、それが無くなると見るや見切りを付けてしまうしかなくなってしまうのです。

これは日本と欧米での企業風土の違いによるところも大きいでしょう。欧米においては企業は地域社会に貢献することが求められていますが、日本においてはむしろ地域が大企業に食べさせてもらっているという感覚が強いのです。そんなわけで、日本社会においてスポーツは生活の中で本当の意味で必要とされてこなかったのです。学校と企業にスポーツを任せっきりにしてしまっていたツケが今回ってきているのです。

<今後の展望>
残念ながら現在の日本におけるスペクテータースポーツの状況を見ると、興行的になり経っているのは野球と相撲だけ。あとサッカー数チーム。従来の日本リーグスポーツは興行的に成功どころか存続さえ危ぶまれています。バスケも危ないのにホッケーはもっと危ないと言わざるを得ないでしょう。しかし不況だ不況だと言っても、先に触れたとおり、不況だと言うだけでスポーツがここまで危機に瀕してしまうはずがないのです。現に日本よりはーるーかーに不況の国でもバリバリにプロスポーツをやっているんですから。

では、この先一体どういう方向を模索していけばいいのでしょうか?一つ明らかなのは、「一企業にすべての運営をゆだねるのはもう無理がある」 ということです。今回の件で古河電工や日ア連はチーム存続のために受け入れ先を探しているそうですが、一つの企業でチームスポーツ運営のリスクを負うのはこれからは到底無理でしょう。もちろん私は受け入れ先を探す努力に水を差すつもりは一切ありません。ただ、今回の件はそれで治まったとしてもそれはあくまで一時的な解決であり、根本的解決にはつながらないと思うのです。 チーム運営にはお金がかかりすぎる、、、からでは必ずしもありません。なぜならホッケーチームの運営にかかる年間約5億円なんて、サントリーホップスのコマーシャル数本シリーズ分(6億円)にもならないのからです。大手の企業は不況と言われながらもTVコマーシャルとかには多額の費用をつぎ込んでいます。

つまりこれは、企業にとってチームの運営費の問題っていうよりも運営費が広告価値(であれ愛社心の向上であれ)に見合わないって判断されているのですね。っていうことは単に不況っていうだけでなく、ホッケーやバスケやバレーやサッカーの集客能力やプロモーション能力の問題でもあるんですね。日本のスポーツ界には「時代遅れのク○アマチュアリズム」が蔓延しているため、リーグやチームを興行的に成功させるための方策というものがほとんど取られて来なかったことが大きな問題だったのです。スポーツ経営のプロがリーグ運営に関わってこなかったのですからどうしようもありません。

まあ、いきなり日本社会にコミュニティスポーツを根付かせることなんて無理ですから、スポーツチームの運営にはこれからも企業の力を借りて行かざるを得ないでしょう。しかし、直接的に企業の利益につながるかどうか分からないものを一つの企業にゆだねることは、これからは難しいでしょう。解決法としていくつかのアイディアを挙げておきます。

  • 複数の企業が共同出資してチームを運営し、リスクを細分化する。第3セクター化するという手もある。
  • 市民会員も同時に募る。
  • 選手はプロ化する。ただし高給は望めない。また望まない。引退後やオフシーズンの受け入れ先を各企業が提供する。
  • リーグを挙げてプロモーションを徹底する。まずは魅力のあるゲームとイベントを作る。マスコミ等にも積極的に働きかけ、メディアコンテンツとしての価値を向上させる。スポーツ経営のプロを導入する。ユニフォームに広告をつけまくる。
  • 選手の移籍、トレードを制度化する。
  • 余剰人員(選手)を抱えない。最少人数のチーム構成にする。大学チーム内に次年度の契約選手を確保しておき、怪我人がでたときなどは彼らをチームに呼び寄せて使う。世の中には高校生Jリーガーや大学生Jリーガーも存在するのですから不可能ではありません。また、こうすることで日本リーグ入りして何年間かは試合にも出られずにいるという選手が少なくなるのです。

もちろん私一人が考えたくらいで解決できる問題ではありません。もちろん私はこの問題解決するための政治的にも経済的にも何的にもいかなる力もほとんど有していません。が、このままでは日本リーグは最悪のシナリオをたどるでしょう。それは、、、時間を巻き戻してください。6チームが4チームになり、40試合が20試合になる。そして全日本選手権だけになる、、、別に悲観的展望を言って喜んでいるわけではありません。今のままだと、これは極めて現実的なシナリオなのです。景気が回復したとしても、企業がスポーツチームを持ちたがるとは考えにくいからです。

以上、勢いに任せて書いてしまいましたのでかなり理論的にアレですが、この件についてはいずれアイスホッケーマガジンの方で扱いたいと思っています。

それでは。

1月17日

若林@ピーターボローです。
いやー、雪かきしてきました。久しぶりに気温が+になったもんで。 全日本選手権、古河が3位になりましたね!春名はベスト6!正月早々日光まで指導しに行った甲斐がありました。

チームは存続の道を模索しているようですが、それはそれとして、今回の件で一番感じたのが、、「人間切羽詰まればできるものだ」ということです。これまで今季4勝しかしていないチームが3位になるんだから。 それは裏を返せば「やればもっとできるはずだ」ということです。これは古河だけに限ったことではありませんが、日本リーグには「毎試合自分の人生賭けて戦っている」っていう雰囲気は今まで一部の選手を除いて全然なかったのです。彼らは誰がどう定義しようと世界のホッケー界の常識から言ってプロなのです。

プロとはそもそも明日の保証なんか無く戦って当然なのです。(もちろんチームが無くなるかもしれないっていうのはトレードされるとかクビになるっていうのとは結構違うプレッシャーかもしれませんが)カナダでホッケーを教えていると、やはりここは本場。子供の頃から「這ってでも上に上がってやる!」という闘志で競い合っていることがよく分かります。トライアウトの時は特にそうです。まあ、ホッケー人口も違うので、子供の頃からカナダのように競争とまではとてもいきませんが、、、これを機会によりよい競争のある日本リーグを見たいものですね。

明日はオタワにNHL、セネターズ対フライヤーズ戦を見に行く予定です。実は金曜日に行こうと思っていたのですが猛吹雪のためにいけなかったのです。

それでは。

1月23日

若林@ピーターボローです。
レギュラーシーズンもいよいよ後2試合。今日は宿敵オシャワと対戦。 0-4で完敗でした。 すごく良いスタートだったんだけど運も悪くて得点できず。そのうちイライラしてきて自分勝手なプレーになってきた。ゴーリー・ハーガディはいくつか良いセーブをしたものの後は最悪。4点目の後に交替させてしまいました!まったく! こんな日もあります。

しかし、うちのゴーリー二人はマイナー・ピーツの年間最優秀ゴーリー・ノミネートのトップを走っているらしいです。まあ、勝つことに比べたら個人賞なんて大したことないんだけど、ゴーリーコーチとしては取ってくれれば嬉しいですね。

それでは。

1月24日

若林@ピーターボローです。
ジムが昨日の夜からニューマーケットにミーティングに行き、プレーオフの詳細が決定!!

ピーツは結局17勝8敗4分デヴィジョン7チーム中2位でレギュラーシーズンを終了。 1位のオシャワはシードされ、ここからが変!!2位と5位、3位と6位、4位と7位が対戦するのです???普通は2-7、3-6、4-5の対戦でしょう??

ジムは1ヶ月以上前から「なーんか俺は1回戦で○ッキンなナショナルズと当たりそうな気がするんだよねえ、、、」っていってたのですが、、、、、なんとジムの予感通り結局ファーストラウンドはピーターボロー・ダービーマッチ!!ナショナルズとに決定!ここまで今シーズン1勝1敗1分とお互い譲らない勝ち星でした。しかしジムは2時間半もかけてミーティングに行ってピーターボローのチームのコーチと対戦の話してきたんだから、たまったもんじゃあないでしょう?

「こんな○ッキンな話だったらすぐそこら辺の○ッキンなティム・ホートン(コーヒー屋)かなんかでできたじゃねえかよ!」とお怒りでした。 日程は今週27日(水)30日(土)31日(日)2日(火)5回戦以降は未定です。 帰国の日程があまり早まらないように、とりあえず1回戦は難なく終えたいところです。

それでは。

1月25日

若林@ピーターボローです。
プレーオフを控えた最後の練習にも関わらず、プレーヤーたちはあまりに練習を理解せず、ジムがぶち切れる!!スティックは放り投げるしガンガンスケーティングさせるし大変でした。練習をいかに理解させるか、そして短い時間でも集中してさせるか、この課題がカナダのマイナーホッケーの将来を決めるだろうとこの2年間で感じました。

信じがたい話かもしれませんが、うちのチームに限らず、カナダの子供たちは練習にあまりにも無神経なのです。カナダの練習は単純なものが多いのですが、それは難しくできないからです。うちのチームに限ったことではありません。この「カナダ発」のメールに出てくる「良い練習だった」っていうのは日本の子供たちのいい練習の3割引程度だと思ってください。

子供が言うことを聞かないし、コーチはスパルタ式の怒鳴り散らしのお仕置き型です。ジムもこの例外ではありません。「注意を引くにはたまにはこうしなければいけないんだ」という考え方を、ジムも含めてほとんどのコーチが頑固に信じています。その理由は「それで今まで俺のチームは勝ってきたじゃないか」ということです。とにかくプレーヤーもコーチもめっちゃくちゃ「感情に支配されて動いている」のです。 本当にそうなのか、それでいいのか???ずっと疑問に感じていることです。

私も日本で教えているときには結構感情的になることもありました。でも「できないことに怒るのではなく、やるべきことを知っていてやらない」ことに怒るようにラインを引こうと努力してきました。また、できるだけ感情的にならないようにやってきたつもりです。なぜなら、自分の経験上、「感情的に怒られれば怒られるほど、怒られていることには注意を払っても怒られている内容には注意を払わなくなる」と思っているからです。怒ることの効果はある程度以降は効き目が薄まるのです。

怒る質も量も度を超すとただのうるさい声にしかならなくなると思うのです。また 「俺は仕事を終えて疲れてるのにお前たちのために練習に来てやってるのに、これじゃあ時間の無駄だ!」 式の怒り方も、子供にしてみれば「それがどうしたの?あんたはやりたくてコーチやってるんでしょ?」程度にしか思われないのでかえって逆効果だと思います。

だいたい「怒られることに反応して練習やプレーの質が決まる」プレーヤーなんて「アホ」以外の何者でもないじゃあないですか??孔子(だったか)じゃないけど「自分の良心の呵責を感じさせるのが最高の統治法」じゃあないんでしょうか?自分で「いまのはまずかったなあ」と思わせる教育が理想論だけど理想だと思います。

「なんやかんや言っても勝てばいい」「理想と現実は違う」「それがその(国の)コーチのスタイルって言うもんだ」など、いろいろと言い分はあると思います。個人的にはカナダに来て練習で感情的になることが皆無です。(理由1:あまりのひどさに怒るより、あきれている。理由2:英語で感情的になれない。)

しかし練習でいまいち効果的なコーチングができていない気が自分ではするので気になるのです。日本ではもっと効果的に練習で教育できるのにと思うことがしきりです。(ゴーリーを教える分にはかなり別です。こちらは自信があります)絶対的な練習時間不足、彼らの長年積み重ねてきた今までの練習に対する態度、などいろいろと外的要因もあるのですが、ここにいる以上自分で合わせなければ仕方がありません。

皆さんはどのような意見をお持ちでしょうか?是非お聞かせください。 あ、つまり「効果的なコーチングのスタイル」についてです。 「若林さんだって結構怒ってたくせに今頃何言ってんだ!」っておもってるそこの人、この話はレベルが違います。怒るっていっても「本当に怒って怒鳴り散らす」ことですよ!!

それでは。

1月27日

若林@ピーターボローです。
プレーオフ1回戦、対ナショナルズ戦、第一試合は3-1で快勝! だれてジムが切れた練習の後だけに、プレーヤーたちは自主的にリンクに早めに集まり、先の練習で渡した紙「プレーオフの鍵」を全員で熟読したようです。この辺りは去年のチームと全く違うところ。いい子たちです。同じ町のAAチーム同士の対戦だけに、プレーヤーたちはお互い学校でもホッケーでも知り合い同士です。それだけに感情をむき出しにした戦いになりました。次は土曜日です。

それでは。

1月30日

若林@ピーターボローです。
プレーオフ第2戦は0-4で負け。ばかばかしいペナルティの連発で自ら足を引っ張る。常習犯はバカなペナルティする度に座らせるんだけど効き目はなし。これが主力選手だから困る。チームで一番上手い選手がほとんどペナルティボックスに入っているかベンチに座らされているんだからこれは勝つのは難しい。毎年こういうあほなことに泣かされます。その他のプレーはむしろ前のゲームより良かった。でもとにかく得点できず。 去年の二の舞はできないので気持ちを入れ替えてやるしかありません。明日も試合です。

それでは。

1月31日

若林@ピーターボローです。
プレーオフ1回戦対ナショナルズ戦第3試合は4-2で快勝。 ペナルティ連発の問題児も今日は本当の意味で主力として活躍してくれました。

明後日はいよいよ第4戦ですが問題はゴーリーです。ハーガディの番なのですが彼で行くかどうか、、、ハーガディは前の試合は負けはしましたが非常に内容は良かったのです。でもデヴァインは今シリーズ既に2勝しています。調子がいまいちでも勝てるのが彼の強みなのです。チームとしての自信から言うとデヴァインですが、ここで別に悪くもなかったハーガディをプレーさせないっていうのも傷つきやすい彼には堪えるでしょう。チームとしての自信を取るかハーガディの自信を取るか、、、明日の練習も見て考えます。

それでは。

2月2日

若林@ピーターボローです。
2-3で負け。明日第5戦です。ゴーリーの起用失敗など敗因は多々あります。愚痴や文句はいろんなところから聞こえてくるのでそいつらの首でも絞めて黙らせたいところですが、我々はコーチです。負ければ叩かれるのです。明日勝てばすむことなのであまり悲観的にならずに明日に望みたいと思います。

言っとくけど、去年みたいに1回戦で敗退したりはしないからね!それじゃあ学べないバカ同然だから。 ほら、やばいんじゃないとか思ってるそこの人!! ま、見ててください。勝つから。

それでは。

2月3日

若林@ピーターボローです。
お待たせしました。 決戦のプレーオフ第1ラウンド対ナショナルズ戦第5戦は、、、

3-2(OT)で勝ち、第2ラウンドに駒を進めました!!!!!!! 1ピリオドに先制されたものの取り返して1-1 2ピリオドに追加点を奪い2-1 3ピリオドも終盤になりこのまま勝ちかと思いきや、終了間際にまさかの失点で同点に!! ホームタウンダービーマッチということで満員の観客で膨れ上がった小さなアリーナはオーバータイムに大興奮。オーバータイムが始まってすぐにギルバートソンが2-1からシュートを放ちゴーリーの左下を破りついに決着が付きました。 まさに勝ったり負けたりのシリーズでしたが、喜怒哀楽の中で多くのことを学びました。

  • 血の気が多いヤツは相手に利用されてペナルティの元になる。エンドゾーンでのフェイスオフなど、コンタクトプレーが多くなるときには起用すべからず。
  • プレーオフではゴーリーの自信を付けることよりもチームの自信を付ける起用法に徹するべし。 この点については分かっていたのですが、やはりミジェットレベルのホッケーでは信じて出してあげることも必要かと、情も混じって第4戦でハーガディを先発し見事失敗。ダメなものはダメ。プレーオフまで来たらこっちも覚悟を決めろということです。
  • こっちもビデオを見るけど相手もビデオを見る。 同じシステムでシリーズを最後まで戦い抜くことはできません。相手は第4戦までにはきっちりとダンプ&チェイス、チップボードの戦法を自分たちの足が遅くても封じ込められるように対策を立てていました。今日それに気付きさらなる対抗策を打って大成功しました。良いコーチなら先の先を読めということです。
  • ジム大うそつきも方便。上のような理由で、今日の試合は基本システムに大幅な修正を加えることを余儀なくされました。どうやってプレーヤーの自信を揺るがせずにこれを信じさせるか??
    今日の試合前のミーティングで:
    ジム:「じつは昨日の試合のビデオを見て相手のプレーを分析した後、ロジャー・ニールソン(NHL屈指の知将:ジムの遠い知り合いでもある)に電話をかけてアドバイスをもらったんだ。それがこれだ。(中略)彼も実はニューヨークで教えてた時に同じ様なシチュエーションでこの修正を加えてプレーオフで勝ち進んだんだよ」 ジム、ウソばっかりです。でもこれでプレーヤーたちが「うおおお!なるほどおお!」っていう顔になったのは言うまでもありません。さすが座右の銘が「疑わしければウソをつけ」のジムだけあります。

いやいや、他にもまだまだありますが、またそれはそのうち。週末か来週からは、セカンドラウンドでエイジャックスと対戦!!これまた因縁のあるチームです!!ああ、今日は気分良くピックアップホッケーしてきて寝られます。 頑張って良かった、、、

それでは。

2月4日

若林@ピーターボローです。
激戦の末ファーストラウンド突破から一夜明けました。しばしの安堵のときです。今日は知られざるファーストラウンド秘話です。 いやーもう胃がすり減る思いでした。特に昨日終了間際に失点したときには、 「今日は調子悪いからこのDFペアはもう使わないでおこうかなあ、、、でもまあ相手が6人になってからでも良いか」って思って出したら失点しちゃったのです!!! 「うわああああああああああああああ!!!また選手起用でミスっちゃったよおおおおお!しかもこの大事なときにいいいいい!!!やべーよやべーよやばいよおおお!!!」って焦りに焦ったけど冷静を装ってしまいました。まったく!!

パワープレーとかキルプレーでの選手起用とかではなかなかさえを見せてる今日この頃なんだけど、相変わらず情が、、、「次も出してよお、、、」っていう表情で見上げられるとつい出したくなっちゃうんだよねえ、、、いかんいかん。プレーオフなんだから断固とした判断を下さなきゃ。でもやっぱりその辺も微妙で昨日も干されているフォワードの親がジムに喧嘩腰で電話かけてきました。。得点力はあるんだけどスケートが遅すぎてからっきし守れないフォワードなんて均衡した状況で使えないのにねえ。親っていうのはさあ、、、

「家の息子は去年オールオンタリオ・バンタムで優勝したときの中心選手で守りも悪くないはずだ!!まったく馬鹿馬鹿しいことをしあがって!1ピリ1回の出番で結果だせっていう方が無理だ!!」
ジム:「心の声:(去年の結果がどうしたっちゅうんじゃこのボ○親が!!)俺は俺で考えがある。息子さんのビデオもちゃんと全部見た上の判断だ!守りが悪いから使えないんです!」
「シーズンが始まるときにみんな平等に出すって言っただろ!」
ジム:「いや俺はそんなことは言っていない。なるべく平等に出すように努力はするけど、状況によってはそうはいかなくなるときもあるって言ったはずだ」
「それでもやっぱり俺には納得がいかん!!」

これを大事な第5戦が始まる前に電話して来るんですよ!!その前の試合ではベンチまで怒鳴り込みにきたし。。毎年一人はこういうバカ親がいるんだなあ、、、分かんないもんですかねえ??いくら気にくわなくても大事な試合の最中や間際に怒鳴り込むなんて、、

でも、これって非常識どころかほとんどのチームで抱える問題らしいです。日本でもあることだろうけど、ここまで直接的な人はあまりいないはず。ま、こっちでは「うちの子は全然ダメなのに使ってもらって、、、」なんて謙遜する親はまずいないです。どんなにショボいプレーヤーの親でも「うちの子は素晴らしいのにコーチのバカがいっこうに出そうとしない!!」とはばからずに言うのです。

その他、相手の故意の挑発にやすやすと引っかかって第1・2戦でペナルティを連発して、干されたジョンソンほか数名がコーチ不信になって試合中に文句言い出したりとか、、、 まったく。こりゃあジムも俺も金八先生だかスクールウォーズ状態(たとえが古くてあまりイメージが沸かない人にはすみません)ですね。

「あなたはただはホッケーを教えているのではない。人間を教えているんだ」(ウェイン・ホーリウェル)
「ホッケーも、人間関係も、結局すべてがゲームの一部なんだ」(フレッド・シェーロ)

という言葉が身に染みます。

それでは。

2月5日

若林@ピーターボローです。
明日からプレーオフセカンドラウンド、対エイジャックス戦です。 エイジャックスはレギュラーシーズンではピーツに続くデヴィジョン3位で得点数がリーグトップの攻撃的チームです。ちなみにピーツは失点数がリーグ最小でした。これは守備に強いチーム作りを目指したジムにとってもゴーリーコーチの私にとっても非常に価値ある結果でした。詳細は OMHA(Ontario Minor Hockey Association)ウェブサイトでどうぞ。

気になるレギュラーシーズンの対戦成績は、、、1勝1敗1分でした。 第1戦はハーガディがズタボロにされた4-7のあの試合です。 第2戦は同じくハーガディが気を取り直して2-2 第3戦はまたもやハーガディが今度は完封して2-0でした。 でも明日の先発はデヴァインで行きます。ハーガディはプレッシャーに弱すぎて第1戦とか勝負どころの試合では使えません。第2戦に先発させてあげるけど、それでダメならその後同じラウンドでの出番はないでしょう。

それでは。

2月7日

若林@ピーターボローです。
セカンドラウンド対エイジャックス戦第1試合は2-2の引き分けでした。 相手は出場停止が4人と決して万全ではないのに引き分けです。 またまた厳しいシリーズになりそうです。

それでは。

2月11日

若林@ピーターボローです。
プレーオフセカンドラウンド対エイジャックス戦、アウェーで2連敗。1-4、0-4と点がまったく取れない。今日は堅守のDFマッキャンを風邪で欠きさらに苦しかった。さすがはリーグ一の得点力を誇るチーム。点の取り方がやたらに上手い。

今日の試合は特に後味が悪かった。中心選手兼問題児のジョンソンが1ピリ途中で太股を打撲。復帰して元気にプレーしたんだけど3ピリ終わりに今度は汚いチェックで肩を強打してリンクを去る。そしたらお父さんが怒る怒る。「お前らコーチはなぜ最初の怪我でプレーを辞めさせなかったんだ!!*********@@@@@@@!!!*****!!!」

口汚くスタッフを罵りまくりました。最初の怪我と次の怪我がどれほど関係あるというのか??口の聞き方も知らないバカな親です。子供が問題児なのも分かるという親だけど、子供の方がまだましだ。 もう1分けもできません。まあ、土日のホームゲームで取り返すしかないので頑張ります。

それでは。

2月14日

若林@ピーターボローです。
2敗1分の崖っぷちで迎えたプレーオフセカンドラウンド対エイジャックス戦でしたが、、、3-4オーバータイムで敗れ、セカンドラウンド敗退が決まりました。

前の試合のビデオも研究し、日本の三記夫氏(父)にまでアドバイスをもらい、出せる手はすべて出し、プレーヤーたちも頑張ってそれを実行してくれました。ここまで3試合で3ゴールだったのがこの1試合で3ゴールをあげられたことについては三記夫氏に感謝しなければなりません。実は昨日はかなり「もうダメか」と思っていたのですが三記夫氏のアドバイスでかなり道が開け、今日また勝つつもりでリンクに向かえたのです。ゴーリー・ハーガディは今シーズン一番のプレーで好セーブを連発。あの自信喪失野郎がウソのように自信満々とプレーしていました。

やったことに悔いはありません。 でもこれでミジェットAAタイトルにはもう手が届きません。残念です。去年よりもさらに学ぶことの多かったプレーオフでした。それだけは確かです。 あとは負け上がりのプレーオフでヨーク・シムコー・カップをプレーするのみです、、、それがですねえ、、、またナショナルズと当たる可能性があるんですよ、、、。うわああああーーー。 皆さんの応援にも感謝しています。

それでは。

2月28日

若林@ピーターボローです。
負け上がり試合(プレイダウンと呼ぶらしい、、、)対ウィットビー第1戦は2-3で負け。

思った通りやる気のない試合ぶりだ。幸いケンカは一度だけだったが、、、 モチベーションといってもプロじゃあないからお金がかかってるわけでもないし、ミジェットAAということで大半の子たちはもうこれでホッケーを止めちゃうから「来年いいチームでプレーするために」っていうのもあまり効き目がないし。考えものです。

それでは。

3月2日

ウィットビーとの第2戦は3-1で勝ち。1勝1敗です。 ゴーリー・ハーガディはプレッシャーのない試合には強いらしく大活躍でした。そのセーブをもっと早く見せてくれていれば、、、 それより何より、この試合、カナダに来て初めて見た「両チーム無ペナルティ試合」でした。ジムもミジェットレベルでは「生まれて」初めて見たとか、、、

カナダでは無反則試合を表彰するコンテストみたいなのがあるらしく、それに応募しようって言ってました。 しかしですねえ、無反則というのは聞こえが良いけど、両チームとも消化試合として楽しくたらたらと試合をしていることの何よりの証でもあるのです。まあ、楽しむだけでも良いけどさあ、もう負けたんだから、、、試合としてはなんか活気がなさすぎて、ちょっと複雑ですねえ。

それでは。

3月9日

若林@ピーターボローです。
週末にフロリダ州タラハッシにジムのスカウトしているタイガーシャークス(イーストコーストホッケーリーグというマイナープロリーグ)の試合を見に行ってきました。フロリダはもう20度以上と暖かく、まだ-10度とかのオンタリオと比べると夢のようでした。 肝心のイーストコーストリーグのレベルは、、、技術的には日本リーグに近いですが体格が大きく、またスピードも多少速かったような気がします。西部の土田がルーキー時代にイーストコーストに留学していますが、確かに日本の一流選手ならば良い活躍ができるでしょう。ただし給料等は日本リーグの方がかなり良さそうです。

平均週500米ドル、1ヶ月2,000米ドルですが、これを手にすることができるのはシーズン中(約6ヶ月)だけ。これだと年収12,000米ドル、約150万円です。遠征中は一日20ドルの食事費が支給されるとか、かなり貧しそうです。日本リーグの生活ぶりはこれに比べると遙かに良いように見えますし(チームにもよりますが、平均でもやはり上です)、また生活は保証されています。彼らは基本的に、好きなホッケーをプレーし続けるために、そして若手はNHLへのかすかな夢を求めて頑張っているのです。イーストコーストからNHLへの道は相当狭いですが、過去にコルジグ、ラリームら少数のプレーヤーが夢を叶えています。

それでは。

3月13日

若林@ピーターボローです。
ウィットビーとの第5戦は3-1で勝ってしまいました。ディフェンスは4人でスタートして、3人が喧嘩で退場、一人が怪我と、最後には0人になってしまいました。次のラウンドではまたしてもエイジャックスと対戦するかもしれない。プレーヤー、コーチ、父兄ともに、正直かなり興味を失い気味です。今日のウィットビーなんか、3点リードされたら明らかに勝ちを諦めて喧嘩にとりかかっていました。こんなシリーズにどこまで意味があるのか疑問ですが、勝つと一応嬉しいので不思議なものです。

それでは。

3月20日

若林@ピーターボローです。
2日ほどモントリオールに行って来ました。もちろんフランソワ・アレールと会ってきました。 木曜日にはNHLナッシュビル対モントリオールの試合をプレスボックスから観戦。モントリオールのチームを離れたとはいえ、フランソワの知名度はやはり抜群です。メディアルームにいるだけで数十人の人がフランソワに話しかけてきます。試合前にはフランソワが日本に連れてきた最初のデモンストレーター、フレデリック・シャボと対面。彼は長いマイナー生活の末今シーズン半ばからやっとモントリオールの控えゴーリーに定着しました。

試合中にはフランソワがインタビューされていました。「今日は何か秘密の任務があって来たのですか?」とか聞かれてたらしくて、ただ自分を観戦に連れてきてくれただけと知る身としてはおもしろかった。試合終了後にはプレスカンファレンスに潜り込みました。初めてだったのでなかなかおもしろかったです。デイブ・キング(現モントリオール・アシスタントコーチ)にも会いました。日本の連盟とは関係が切れたのに、古河の件など日本のホッケーのことを心配してくれていました。

「プレーオフでは王子が西部を下して、クレインズがコクドをリードしている」と伝えると「そりゃすごい!!」と大喜びしていました。 そういえば帰国の日程が決まりました。今週土曜日=27日にシカゴに飛び、シカゴで友達と会ってNHLを観戦して、30日に日本に戻ります。

それでは。

3月22日

若林@ピーターボローです。
負け上がり試合も全日程を終え、後は帰国を残すのみとなりました。

今シーズンはゴーリーコーチとしてだけでなく、アシスタントコーチとしてチームを率いたので、昨シーズンとはまた違ったことをたくさん学ぶことができました。その一方で、自分の目標とするものにはなかなか近づけず、イライラすることも多いシーズンでした。この6ヶ月は精神的にかなり疲れたというのが本音です。来年のことはまったく未定ですが、もっともっと活躍の場を広げることができるように頑張ろうと思います。

カナダの他の町で教えるのか、アメリカに行くのか、ピーターボローに戻るのか、はたまた日本で浪人生活を送るのか、全然分かりません。でも、一つだけ確かなのは、来年どこに行くとしても、よりよいコーチになって活躍できるように、夏の間にしっかり自分を磨きたいということです。歩みは遅くなるかもしれませんが、確実に進み続けたいと思っています。

ちなみにジムは一気にジュニアメジャーへの道が開け、OHLベルビル・ブルズのアシスタントコーチに就任することが決まっています。OHLまで来ればプロはもう目の前。彼にとっては本当に素晴らしいことです。2年間一緒に喜びと苦労を分かち合ってきた私は嬉しくもあり、また悔しくもある、複雑な気持ちです。

私は30日に帰国し、しばらくぼーっとしつつ、バイト先でも探そうと思っています。 「カナダ発」もおそらく後数回で終わりに近づいてきました。たくさんの人に応援してもらって本当に感謝しています。皆さんと日本で会えることを楽しみにしています。

それでは。

5月3日

若林@つくばです。
みなさんお久しぶりです。帰国後どうしているのかと思われた方も多いと思います。 帰国後1週間は飲みまくり、その後はバイト探しに奔走しました。現在は病院での事務夜勤、研究所での実験補助(という名の力仕事&単純作業)で労働しています。

ホッケーの方はというと、4月17日-18日に、大阪で行われたキーパークリニックに参加してきました。大阪は私の生まれ育った土地ながら、なぜかいままでクリニックを行ったことはなかったのですが、このたび京都産業大学の辻次さんらの尽力で開催の運びとなりました。10-11日、17-18日と2回に分けて行われたクリニック、前半は父、三記夫氏が担当、後半は私が担当しました。

福岡や釧路でクリニックをしたときもそうなのですが、初めての土地でクリニックをするときは、私たちの教えるスタイルに取り組むのが初めてという人が(当然)多いのです。コーチとしては実はそういうグループに教えることの方が断然楽しめるのです。必死で何かを吸収しようとする人、今までと違うスタイルに疑問を感じている人、そういう人たちを短時間で引きつけ、説得し、上達を実感させ、楽しんでもらうことこそコーチの醍醐味の一つです。また教えたゴーリーがこの一年間で進歩して、いろいろな大会で活躍したという評判を聞くことも楽しみです。というわけで、このクリニックも来年が楽しみです。

4月28日から30日までは八戸工大一高の合宿を指導しに行きました。こちらでも新入生を迎えました。しかし私のホーム(ホッケー)タウンの一つである八戸では新入生といってもたいがい私に指導されたことのある子供たちです。基本的な知識やスタイルはある程度身についています。そのかわりに彼らには高校3年間の間に高校ホッケーで通用する、あるいはそれ以上のテクニックを身につけてもらう必要があります。

今回の合宿では私が以前からやってみたかった「ラップアラウンドとウォークアウトに対するより効果的な守り方」を試してみることができ、上々の成果を挙げました。 こんな感じです。来シーズンのことは相変わらず未定で悶々としておりますが、ま、これも人生です。 そのうちまた近況をお知らせします。

それでは。

5月5日

若林@つくばです。
ピーターボローから嬉しい知らせが届きました。
私の教えたゴーリーたち、デヴァインとハーガディーが今シーズンのピーターボローマイナーホッケー協会ベストゴーリー賞に輝いたのです。2年目にして初めて自分の手でゴーリーたちにタイトルをとらせてあげることができたので大変嬉しいです。頑張ってきた甲斐がありました。

私にとって、彼らの最優秀ゴーリー賞受賞は、彼らが私に贈ってくれた、とても素晴らしい贈り物です。思い返せば私は彼らと一緒にたくさんの経験をし、困難を乗り越えてきました。デヴァインの開幕4連続完封、ハーガディーが大量失点という試練を乗り越え精神的に成長したことなどがつい昨日のことのように思い出されます。彼らは私と別れるときに、「初めて1年間ゴーリーコーチに教えてもらうことができた。こんなことできないよ、と思っていたテクニックが、試合の中で実際に使えるようになって、自分自身でとても気持ちが良かった。こんなに素晴らしく成長できたシーズンを送れたのはヒロキのおかげだよ。ヒロキに教えてもらえたことを光栄に思っているよ。ありがとう」と言ってくれました。

1シーズンの間コーチングに全力を尽くして、勝利の喜びも、敗北の悲しみも味わい、私が最後に得たものは、国も、言葉も、環境の違いも超えた、教え子との信頼関係だったと思うのです。そして、この信頼関係をこれからもより多くの人たちと築いていくために、私はこれからもコーチングを続けていきたいと思っています。

でも、、、この受賞の知らせをくれたのが、ジムでも、チームの関係者でも何でもなく、まったく関係のない私の友達のゴーリーコーチだったというのが、かなり悲しいです。うーん、、、

それでは。

5月13日

若林@つくばです。
教え子のベストゴーリー賞獲得の詳細が分かったのでお伝えします。 まず、このタイトルは、今シーズン、ピーターボローマイナーピーツ協会に所属するオールスターAAAおよびAAのチームの中で、もっとも活躍したキーパーのペアに送られるものです。

オールスターってなんだ?AAAってなんだ?とか思っている人は、ここで勉強し直しです! この賞は通常もっとも優れたGAA(防御率=1試合当たりの失点)のチームに送られるそうです。我がゴーリーたちはレギュラーシーズン29試合で1.69と抜群の防御率を残していたので、もともと当確と言われていたのですが、、、。なんと、うちのチームは協会にこの数字をノミネートし忘れていたのです。ですから授賞式直前までトロフィーには別のチーム(たぶんメジャー・アトム)のゴーリーたちの名前が刻まれていたのです。しかしこれに気づいた父兄の一人(彼はミジェットAAAのマネージャーをしており、協会に顔が利く)が「ミジェットAAのゴーリーたちの方が防御率良かったよ」と、協会に進言してくれ、急遽トロフィーの名前を入れ替えたとのことです。

この辺の経緯、チームの責任者であったはずのジムの気のきかなさ、無神経さにはがっかりです。ま、忙しいのは分かるけどね。 ともあれ、こんなわけでマイナーピーツ協会の一年を締めくくる授賞式が4月の半ばに行われました。協会ではこの突然の受賞でデヴァイン、ハーガディを驚かせるためにわざと二人には隠しておいたようで、式の壇上でもいろんな人がスピーチでメジャー・アトムのチームのゴーリーを称えていたようです。これを見たハーガディは「なんだ、やっぱりダメか、、、」と落胆して退席。ところが受賞の発表では以外にもデヴァインとハーガディの名前が読み上げられ、トロフィーの受け取り、写真、インタビューなどはすべてデヴァインが独り占めしてしまったそうです。やっぱりハーガディは最後まで自信のないやつだったみたいで、性格が行動に現れてますね。

教え子の受賞にはフランソワ・アレールからも「ヒロキおめでとう。よくやったな!」とFAXが届きました。嬉しいですね。 さて、ピーターボローネタをもうひとつ。NHL、カロライナ・ハリケーンズのスティーブ・チェイソンが数日前に交通事故で他界したことを知っていますか?なんと、彼は生まれも育ちも他でもないピーターボロー。家族もまだピーターボローにいるそうです。土曜日にピーターボローのセント・ピーツ教会で行われた葬儀には、グレツキー、コフィー、ロジャー・ニールソン、スティーブ・ラーマーをはじめとするそうそうたる顔ぶれのほか、マイナーピーツのプレーヤーたちも参列したそうです。悲しいですね。

ジムがアシスタントコーチに就任したジュニアメジャー・OHLベルビル・ブルズは下馬評を覆してプレーオフを勝ち進みOHLタイトルを獲得。ついにジュニアメジャーNo.1と決めるメモリアルカップに駒を進めました。ジムの手腕もたいしたもんです。これで来期彼がかなりいい契約を獲得することは間違いないでしょう。やっぱり、警察辞めちゃうんじゃないかなあ?と予想しています。

それでは。

5月24日

若林@つくばです。
ピーターボローより、教え子のベストゴーリー賞受賞の模様を伝える新聞の切り抜きが送られてきました。 なんでも今年のピーターボローのマイナーホッケー界はかつてないほど好調だったらしく、マイナーピーツ所属の10のAAAチームと1つのAAチームすべてがレギュラーリーグ1位か2位以内に入ったそうです。うちのチーム(ミジェットAAピーツ)も2位でした。

デヴァインとハーガディが受賞したのはFlinn's Store goaltending award で、最優秀防御率を記録したチームのゴーリーに送られます。我がチームは、オンタリオチャンピオンになったメジャー・アトムAAAのゴーリーたちを押さえて1.69の防御率で受賞!でも、オンタリオチャンピオンになったチームよりも防御率の良いチームが、プレーオフ2回戦敗退って???

まあいいや。新聞にはニヤけて写るデヴァインの写真が、、、 印象的だったのは、マイナーホッケーレベルでありながら「文武両道賞」があるということ。北米のスポーツ界ではスポーツだけでなく学校の成績も優秀な選手を表彰することはよくあることですが、マイナーホッケーにまでそういう賞があるとは驚きです。(しかも$300の賞金つき!!)メジャージュニアの試合前のセレモニーでもよく「今年我がチームから3人のプレーヤーが高校を卒業しました!」とかいって表彰されてたなあ、、、ジムは「カナダではホッケー選手が高校を卒業するだけで表彰されるんだぜ。」と苦笑していましたが、要するにそれほど学業との両立ができていないということなんです。

「アメリカの大学では成績も良くないとスポーツができない、、、」というセリフは、北米スポーツ通っぽいものの言い方の代名詞でしたが、実はテスト前だけ専任家庭教師を裏で部が雇ったり、まあ、いろいろと抜け道はあるようです。最近ではついに「まあ、スポーツの成績だけで入学できるのも良いんじゃないの」と、建前を捨てるような制度改革が行われたとか。

それでは。

7月6日

若林@つくばです。
お久しぶりです。皆さんいかがお過ごしですか? 本来ならば嬉しいお知らせといきたいところなのですが、そうでもありません。職探しは困難を極めています。実はつい2週間ほど前にアメリカの某超名門大学の女子ホッケー部(NCAA1部)からゴーリーコーチにならないかという話があり、飛びついたのですが、、、、最近向こうがめっきり連絡をくれなくなりフェイドアウトしつつあります。最初は向こうの感触も良かっただけに、とってもとってもとっても残念です。話が来ないのはともかく、来たのにフェイドアウトというのはやりきれません。まあ、ダメと決まったわけではないので泣き言を言っても仕方はないのですが、この件はダメっぽいですね。

しかし最近誠意のない対応にがっかりさせられることが多いです。ピーターボローの方々といい、そのアメリカの大学の人といい、こっちが誠意を持って迅速に対応しているのに、勝手にフェイドアウトするなんて、まったく噴飯ものです。今までの努力や築き上げてきた人間関係が、あっさりと切られてしまうというのは悲しいものです。まあ、生きていればこの程度のことはいろいろあるでしょうが、、、

まあ、人が選ばない道を生きようと思えば苦労は付き物。今まで順調にいきすぎていただけなのでこの程度のことでめげてはいられませんが、自分は人に対してちゃんと誠意を持った対応をするべきだと本当に実感させられます。

ところで古河の村上さんがついに海外移籍を決意したようですね。彼の決意や不安、(自信も!)よく分かる気がします。頑張ってチームを見つけて欲しいと思います。

それでは。

7月21日

若林@日本です。
さてさて、夏のホッケーシーズンが始まりました。20日から毎年恒例の、全国サマー・ホッケーキャンプ・ツアーがスタートしています。

20~25日(八戸工大一高)
27~31日(釧路GKクリニック)
1~7日 (F・アレール八戸クリニック)
13~16日(福岡GKクリニック)
20~22日(軽井沢GKクリニック予定)
26~29日(筑波大女子日光合宿予定)

とりあえず、20日から7日までの3週間でオフ1日っていうのが最難関です。頑張らねば。
現在八戸です。

それでは。