Question

Q10:日本リーグを全国で盛り上げるには?

日本のホッケーレベルの低さの原因の一つとして、日本リーグの盛り上がりのなさが挙げられると思います。サッカーの例をあげるまでもなく、リーグ全体の活性化やプロ化というのはあきらかに、選手個人のスキルアップ(メンタル面も含めて)につながっています。西日本でも最近はアイスホッケー人口が増えつつあります。もっと関西、九州地区で日本リーグ公式戦とか、リーグ全体のショーアップなどをして、NHLとまではいかなくてもJリーグぐらいには盛り上がって欲しいと思うんですが・・
(四国のホッケーマン)

Answer

いやいやなかなか大きい質問が来ましたね。 私はもちろん日本のホッケーの将来を変え得るような実力者ではありませんし、連盟関係者でもありませんので、私に具体的に何ができるというわけではありませんが、私なりの見解を示しておきます。
私は大学院時代、スポーツ社会学という分野を専攻していましたので、スポーツが社会の中でどのように浸透していくかについてはそれなりに考えたことがあります。私はまずこの質問に答える前に、

「なぜ日本リーグが盛り上がらないのか? それどころかホッケー以外でも日本リーグスポーツが次々と衰退していくのはなぜか? それは日本のスポーツの構造的問題にあるに違いない」

ということを説明したいと思います。
と、ここまで書いたところで、、、実は長大な回答を書いていたのに途中で消してしまうという失態をやらかしたので、私の日本のスポーツの構造的な問題に関する見解は「1/16 ピーターボロー日記」を参照してもらうとして、質問の答えに入ります。

プロ化、活性化というと聞こえは良いですし、もちろん私もそれが必要であると言うことは分かります。でもそのためには、今の日本のスポーツを引っ張っている「スポーツ界の人が運営する連盟」の力では少々不足していると言わざるを得ないでしょう。スポーツ自体を文化的に価値のあるものとして一般市民にプロモーションし、かつ、一番大事な金づるとなる企業の広告価値もアップさせるようにプロモーションする必要があります。これはもうスポーツ経営(っていうか経営)のプロをつれてきてメディアを巻き込んでリーグ運営をしなきゃダメです。Jリーグなんて最初のころはそれだけでバブリーに成功しました。よくJリーグを「最初の頃に比べれば... 将来的には... 結局ダメだ」とか格好を付けて安易に批判する人がいますが、最初のバブリーな成功がなければ、未だに生き残ってはいなかったし、ユース代表の世界準優勝もなかったでしょう。それに引き替え、ホッケー界はNHL公式戦、長野オリンピック、世界選手権極東枠によるAプール出場という、これ以上望めないようなチャンスをもらいながら、メディアにはそっぽを向かれ、挙げ句の果てに盛り上がるどころか盛り下がるという失態をやらかしてしまいました。

というわけで、私は活性化とプロ化を押し進める一方で、スポーツ経営とコーチングのプロを導入し、かつそういう人たちを育成していくプログラムを作っていくことが重要だと考えます。例えば、ホッケー界では古河が廃部になり日光バックスという市民クラブとして立ち上げられつつあります(註:1999年7月の段階)。バックスでは選手の数人を自治体の体協臨時職員として雇ってもらおうという計画があるようです。ここで、その選手たちにオフシーズンを利用して働きながら大学院等でスポーツ経営とコーチング、英会話等について学んでもらう、、、こういうプログラムを実行すれば、選手たちの中には引退後に経営やコーチングに回れる人もでるでしょう。

活性化やプロ化とは聞こえが良いですが、きちんと将来を見据えたビジョンを持たないと、メディアにもなににもすぐに見放されてしまう危険があります。長期的な視野を持ち、かつ今改革できるところを変えていくことこそが何よりも大切だと思います。

ま、今となってはこれだけでは甘いと言わざるを得ません。今現在、もっと沢山のことを見てそして経験し、更に考えたことは、「スポーツ競技構造改革」で述べていくつもりです。

それでは。