Question

Q101:新ルールでホッケーはどう変わるの?

新ルール(インターフェアランスやフッキングが厳しくとられるようになった)が採用され、攻撃側も守備側も新たな戦術が考えられるようになると思いますが、攻撃側、守備側でそれぞれどのような対応をとればいいのでしょうか?具体的な例を示して教えて欲しいと思います。
(むちゃくちゃたくさんの人々)

Answer

この回答はブログで行われたもの(攻撃編守備編スペシャルプレー編)を永久保存版にしたものです。

新ルール、、、いや正確には新基準ですね。
NHLの得点不足に端を発し、ついに国際ルール化され日本でも適用される反則の新解釈・基準についての質問が多く寄せられています。まずはこちらの公式ニュースで内容を確認してください。
ゴーリーの防具のサイズ変更についてもこの記事に書いてあります。
これによってホッケーがどう変わっていくのか?
私もこの数ヶ月間日夜(頭を悩ませるほどではないのですが若干)考えていました。
好き嫌いは別として(私はあまり好きではありません)ルールはルール。昔のゴーリーは膝を着くと反則だったわけですし、アタッキングゾーン以外での前方へのパス禁止、センターラインパス、オートマチックアイシングなど、ルール変更によってホッケーは進歩してきたのです。
そして、2006年新基準、そのこころは?

実際NHLやオリンピックはこの新しい基準で行われてるのですが、さすがはトップレベルのプレーヤーと特にレフェリー、最初のうちこそペナルティ多かったですがオリンピックやプレーオフのころには普通に新基準に対応してましたし、プレースタイルにもそれほど大きな変化は見られなかったように思います。
しかしアマチュアレベルではプレーヤー、レフェリー共に対応に少し時間がかかると予想されますし、新基準で育つ世代、それを教えるコーチのスタイルは変わってくると思います。

<攻撃編>
パックキャリアへのスティックを使ったチェックが厳しく制限されますから当然スキルとスピードがあるプレーヤーが求められ、育つでしょう。同時にどんどんパックをスロットにキャリーして行くプレーができるようになるはずですから、体が大きくてパックキープがうまいプレーヤーも重宝されるでしょう。強引な突破でペナルティを誘うのもある意味戦術になったら、、、サッカーのペナルティエリア付近みたいですね。
レシーバーへの妨害も制限されますからパスアンドゴーとか、相手に背を向けたポストプレーみたいなパスワークも発展する気もしますが、それよりパックキャリア中心のホッケーが先に発展するでしょう。
なぜならばパックを持ってないプレーヤーへのスクリーンやピックが減る分、ダンプやチップでパックをDFの裏に出してフォアチェックした方がずっと安全で楽だからです。
特にパワープレーなどでは、これまたパスワークよりゴール前にどんどん人とパックを入れるプレーが増えるでしょう。
スクリーンやピックが使いにくいのでフォアチェックに来られたときのブレークアウトなど苦労しそうですが、これもチェッカーを振り切るようにキャリーするか、相手のディフェンスラインの裏にパック出してフォアチェックすればたちまち立場逆転できます。
うーん攻撃側有利、パックキャリアばんざいみたいなルールに一見思えるのですが、、、どーなんでしょうか?

<守備編>
フォアチェッカーのスクリーンやゴール前での力技が制限ざれた今、時代はルースパックとパックキャリアに超高速で寄れる、動けるDF、そしてスティックチェックの達人を求めるでしょう。合い言葉は

「BODY TO BODY, STICK TO STICK」

でお願いします。
NZでどんどんダンプされることを考えると最後尾に一人余らせた1-3-1や2-2-1みたいなシステムが多様されたりして、、、いやそれはないかな、、、

スピードに乗ったパックキャリアやフォアチェッカーを止めるのが難しいとなると、スピードで来られたら一斉にゴール前に戻る方がバックチェックしながら無用なペナルティするよりも良い気がします。
そして問題のゴール前ですが、、、相手がパックに触る瞬間にスティックチェックできる技術、打たれてもリバウンドを素早く処理できる技術が不可欠ですね。あとはスロットに良いパスが出ないようにボード際で頑張ってもらうしかないですね。まぁピックされない分パックキャリアにしつこく付きまとうことはできるわけですから、、、
ゴーリーはスクリーンショットとミドルスロットからのシュート、リバウンドの練習しまくる必要があります。防具の規制は言うほどの影響はないと思います。

<スペシャルプレー編>
最近会う人々から「新ルールどーですかね?」と、ますます聞かれるようになったヘローキィです。
そのたびに

「とりあえず細かいシステムは良いから練習時間の半分位はパワーとキルに費やせばいいんじゃない」

と答えています。もちろんこのルール改正はペナルティ時間を多くするために成されたものではありませんが、いや、ないはずですが、少なくともレフェリングとプレーの内容が一致するまでは反則数は激増するはずだからです。

<パワープレー>
で、パワープレーですが、ちょっとやっかいなのがブレークアウトです。なにせ定石中の定石だった「フォアチェッカー一人をスクリーン」がし辛くなったからです。これはもうパスで華麗につないで行く、もしくはキャリアに近いサポートを徹底させてフォアチェッカーに対して数的優位を作ってキャリーするしかありません。

いやいや、ダメならセンター越えてダンプしてフォアチェックもありです。なにせ相手はフォアチェッカーをスクリーンできませんから。

で、AZの中に入ってセットしたら、ボックスアウトが緩くなるわけですから、ゴール前にどんどん人とパックを入れることです。スロット付近に3人入れて、ポイントで大きな2対1を作ってミドルレーンからどんどん打つプレーが一番簡単です。ゴール裏でセットするプレーも有効ですね。ポイントからスロットに入ってくるプレーヤーをフックして止めれないんですから。

<キルプレー>
ここまで聞くとなんだか不利なことばかりに思えますが、フォアチェックをスクリーンされない、DZでピックされないわけですから、パックキャリアがパックをコントロールする前にどんどん体を寄せて、定型的なプレーができないようにすればいいんです。しかし基本的にDF、FW共に本当に機動力ある人間しか出れなくなるかもですね。

<フェイスオフ>
NHLの新ルールビデオを見て誰もが驚愕したあのシーン、、、

「フェイスオフで対面をブロックできないってか!!!!!」

カナダあたりでは最初から密着している状態でのブロックは極端に取られることはないようですが、なかなかその区別は付けにくいもの、、、当分は「うっかりペナルティ」の代表になるでしょう。
フェイスオフで味方にドローして、フォアチェッカーをブロックしてペナルティ取られたんじゃまったく引き損!

だったらどんどん前に出してもいいのでは?特にNZのフェイスオフなら相手DF側に出してフォアチェックをガンガンかければ良いじゃあないですか!ハンドリング苦手なDFの方に出した日には格好にカモれます。

え、ちょっと待てよ!?

対面ブロックできないのなら、今までみたいにCF-CF、RW-LW、LW-RWと対面につく必要があるのだろうか?例えばCFが引きやすい側(左後ろとする)にDFとLWを二人置いて、何も知らないフォアチェッカーと2対1の状況を作るっていうのはどうでしょうか?
逆に前に出しやすい方向(左前とする)に最初からLW、RW二人を置いてフォアチェックする気満々の隊列は?何も知らないDF君はいきなり二人のフォアチェッカーに来られてテンパりまくる、かもしれませんよ。

まだまだ悩みは尽きませんが、フェイスオフあたりは最初のうちは結構面白いことができそうな気がしますね。

あ、単なる予想ですから、始まってみたら大して変わらなかったり、全然変わったりするかもしれませんよ、念のため。

皆様からの大胆奇抜奇天烈な戦術の提案お待ちしております。

それでは。