Question

Q88:コーナー2対2の攻め方は?

アタッキングゾーンのコーナーでの2対2で味方とプレー合わなくてうまくいきません。2対2の攻めについて詳しく教えてください。
(2人組)

Answer

2対2とは良い所に目をつけましたね。詳しい理由は割愛しますが、実はホッケーにおいて2対2の局面というのはかなり大事なんじゃないかと思います。現実的には5対5での攻守のシステムばかり考えるより、局所的な攻守の2対2をたくさん練習するほうが効果的だと思います。

ホッケーやサッカー、バスケットボールのようなオープン型球技(リンクやグラウンドの中で敵味方が入り混じり、攻守が自由に入れ替わる球技)の鉄則として、イーブンナンバー(攻守の人数が同じ状況)からなんとかして数的優位を導き出さなければなりません。要するに2対2からなんとかして2対1を作らなければならないのです。

一番単純なのはパックキャリアかその味方が自分をカバーしに来ている相手を抜き去ればいいのですが、個人技がだいたい同じくらいの相手だとそう簡単に抜かせてもらえません。そこで攻撃側の二人は知恵を絞らなければならないのです。

コーナー2対2から2対1に抜け出すにはいろいろな方法が考えられますが、もっとも簡単なのは「ピック」や「スクリーン」と呼ばれる方法です。ピックはたぶんもともとバスケ用語で、パックキャリアについているディフェンダーの進路をさえぎり、ディフェンダーを「むしりとる=pick」ことで、パックキャリアを一瞬フリーにすることです。ピックしたプレーヤーがその後すぐに反転して攻めに転じれば、短い時間ですが2対1の状況を作り出すことができます。これを「ピックアンドロール」と呼び、バスケの世界ではNBAユタ・ジャズのマローンとストックトンが10年以上それだけで飯食ってきたといわれる名人芸を披露しています。

詳しい技術は上の動画を参考にしていただきたいのですが、重要なのはこの「ピック」という行為自体が一歩間違えば反則になるということです。ホッケーでは(バスケでもそうですが)パックを持っていないプレーヤーの体を押さえたりしてプレーを妨げるとインターフェアランスになります。ですから、

「パックキャリアについているディフェンダーに当たりに行く」

のではなく

「パックキャリアについているディフェンダーの進路にいたら ディフェンダーが勝手に当たってきた」

という状況に見せなければなりません。「肩や腰などで相手を一瞬止めるだけ」でじゅうぶん有効なピックになりますから不必要にガーンとぶち当たったりディフェンダーに絡み続ける必要もありません。結局自分がピックの後ロールして攻撃に加わらないと数的優位にもなりませんからね。

ピックしてもらうパックキャリアも、ピックしてくれると見たら速やかに加速してコーナーから抜け出してください。ピックアンドロールはとても重要な技術でコーナー以外でも様々な場面で応用可能ですのでどんどん使ってみてください、練習方法等は「ファンタジスタ -パス・レシーブCD-ROM-」に載ってますよ!

ピックアンドロール以外にもサイクリングやシザースで2対2の状況を打開する方法もあります。が、これはまた別の機会にしておきます。こちらも解説、練習方法等が「ファンタジスタ -パス・レシーブCD-ROM-」に載ってます。

それでは。