こんにちは!私はゴーリーなんですがまだ始めて2ヶ月ちょっとです。
スケーティングはどのようにやればイイですか?
(初心者ゴーリー)
こりゃあまた漠然とした質問が来たと思っていましたが、よく考えてみればゴーリー歴2ヶ月にしてスケーティングの重要性に気づくとは大したものです。
「ゴーリーはホッケープレーヤーの中でもっとも狭い範囲しか動かない上に、パックを止めること、が仕事なのに、なぜ、スケーティングが重要なのか?」
考えたことありますか??簡単な計算をしてみましょう。
同じレベルのチームと1試合60分で試合をしたとしましょう。 実力同じで普通に考えて、敵陣で攻めている時間が20分、自陣で守っている時間が20分、ニュートラルゾーンでのプレーが20分とします。 ゴーリーは守っている20分の間に、1試合の平均的なシュート数30本を受けたとします。 シュートをセーブしたり、リバウンドを止めたりする時間を含めて、純粋にシュートを止めることに集中しているのがシュート1本当たり2秒と考えましょう。
とすると、1試合でゴーリーがシュートを止めることに専念している時間は:2(秒)X30(本)=60(秒)=1分です。 さて、自チームが自陣で守っている時間が20分ということは、ゴーリーはシュートを止めることに専念している時間=1分以外の19分は何をやっているのでしょう?? それこそスケーティングなのです!! セービング:スケーティング=約1:19ということです。よく考えてみたらゴーリーってスケーティングばっかりしているのです。
じゃ、一体何をそんなに忙しく滑っているのですか?
答えは「正対」です。正対とは、ゴールマウス(ゴール正面のポストで囲まれた部分)の中心とパックを結んだ線=中心線とゴールクリーズが交わる点に中心線と体の面が直角に交わるように体の中心を置き、基本姿勢で静止することです。(図1)
こうすることで、ゴールマウスに向けて放たれるシュートに対して体の左右の隙間を小さくすることができます。つまり、パックから見て、ゴールの隙間(シューティングアングル)が、正対していないとき(図2)に比べて小さくなっているのです。
さて、正対の意味が分かったところで、実際の試合を考えてみましょう。試合のときにはパックは敵同士でパスされたり、また、パックキャリアが動き回ったりすることで、止めどなく動いていますから、ゴーリーもパックの動きに合わせて、正対がずれることがないように、常にパックに正対し続けなければなりません。(図3)そのために必要な技術こそがスケーティングなのです。
パックに正対し続けるためのスケーティングには大きく分けてTプッシュとシャッフルが挙げられます。
Tプッシュは長い距離を移動するときに用いられるスケーティングです。
シャッフルは短い距離を動くときに用いられるスケーティングです。
さて、ここまで聞いて「あれ、前後への動きは重要じゃないの?よく「キーパー前に出ろ!」って言うじゃない?」と疑問に思った人もいるでしょう。確かに「前に出ろ、ひざをつくな」という考え方はいまだにゴーリーを教える(と称する人)の決まり文句なのですが、これは現代ホッケーの中で否定されつつある考え方です。私は前後への動きは左右への動きに比べれば、全然重要ではないと思います。「前に出ろ!」派の人は、「前に出れば隙間(シューティングアングル)が小さくなる。これは幾何学的事実だ!」と取り憑かれたように主張し続けています。これは当然正論です。しかし、前に出れば出るほど、パックの横への動きに対応できなくなるのです。(Q3の図参照)
これもまた幾何学的事実であり、実際前に出ることで得ることよりも失うことの方が圧倒的に大きいのです。ですから、ゴールクリーズの真上くらいの位置で正対できればそれで十分です。「基本」をおぼえたい初心者であればあるほど、横に動いて正対し続けるプレーを学ぶべきだと私は思います。 異論や疑問のある人は遠慮なく私に問い合わせて下さい。
というわけで、初心者ゴーリーの皆さん、まずはパックに正対し続けることだけを考えてスケーティングして下さい。そうすれば自然とパックは自分に向かって飛んできます。なぜならシューターはゴールを狙って打ってくるのですから。 スケーティングのドリル、その他はこちらのGKドリルパックDVDをご参考に。
それでは。