Let there be light!

怒濤のクリニック/合宿月間が過ぎ去って行きました。

4/12以来先週末まで、軽井沢クリニック(4/13-14)、HLJホッケーセンスクリニック(4/21)、八戸工大一高合宿(4/26-30)、HLJホッケークリニック(5/3-4)、HLJゴーリークリニック(5/5-6)、そしてHLJゴールテンディングワークショップ(5/11-12)と、1ヶ月で6つのクリニック!そりゃ疲れるわけだ(笑)

軽井沢クリニックは長野オリンピック日本代表コーチを務めた清野勝氏に招かれて、私にとって初めての長野でのクリニック開催となりました。プレーヤー対象のクリニックでは得意の多面練習(6面)で、3回に1回は自分の出番がある稼働率1/3を目標にスキル中心のドリルを組み立てました。35分に一回行われる各面のドリル説明は全員をブルーラインに並べて行うため、水分補給ボトルさえもブルーライン上に並べたままにして、ステーション交代の合間か説明を聞きながら水を飲めるようにしてさらに無駄な時間を短縮。このボトルを氷上に並べる習慣はその後も定着したとの報告を受けています。

ゴーリークリニックも私にとって長野で初めての開催になりましたので、基本技術を中心に行いました。低学年ゴーリーがたくさん居たので、今後の成長に期待が持てますね。

HLJホッケーセンスクリニックは、4/21にアクアピアでポッカリ空いた一枠に何をすべきかと考え、スケーティングとかシューティングクリニックにしたら一般的すぎるし、ゴーリークリニックでは一枠で元を取るのが大変だしというビジネス上の理由もあり、じゃあやったことが無いホッケーセンスクリニックにしてみようという、半ば思いつきで決定しました。

しかし、クリニックの構想を練りながら、実はこれが日本のホッケープレーヤーにもっとも必要なクリニックになるかもしれないと思い始め、その後のクリニック/合宿でも中核となるコンセプトとなりました。私自身も指導者として、とかく「速く、強く!」ばかりを強調して指導してしまったりします。しかし実際の試合をよく観てみると、点を決めているのは「静かに、ゆっくり、ずる賢く」、誰も見ていないけど一番危険なパスがもらえる位置に入ってきている選手であることが多いものです。バカ走りすることなく、タイミング良く点を取れる位置に入ったり、またその選手にパスを出せるプレーヤーを育成することは、今後非常に重要な課題です。

八戸工大一高の合宿は、、、というより八戸がおそらく7年ぶり?くらい遠のいていましたが、石藤先生を中心として、ホッケーを学び、ホッケーを考えることができる選手を育てようとする伝統は健在でした。しかし目標のインターハイ制覇への準決勝の壁は未だ突破できていないのも現状であり、その現状を打破するための契機となるべく指導をしてきました。まだまだ進歩の余地はあると思うので、今後数年の結果に期待したいと思います。

HLJホッケークリニックは、ゴーリー無しのスキル練習1.5h、ゴーリーを入れてのステーションドリルが1.5h、さらにゴーリーだけの練習が1.5hと、合計4.5hの長丁場。酷寒のアクアピアリンクだっただけに、父兄の皆さんお疲れ様でした。こちらのクリニックも稼働率と効率重視で的を絞った練習を行いました。私はどんなクリニックでも「イロイロ習った」といわれるよりも「これとこれをしっかりやった」と言ってもらえるように内容を絞るようにしています。このクリニックでも初日から二日目までで進歩が分かる子供達がたくさん居たので、成功だったと思います。

HLJゴーリークリニックはビデオ講義と氷上練習それぞれ2回と短期でしたが、いつものヒタスラ系で基本技術を繰り返し練習しました。何と言っても豪華だったのはデモンストレーター陣。関西大学の龍選手と人見選手、さらにHLJのデモを幾度も努めてくれた、現大阪国体成年代表の米田先生(お医者さんですよ!)と、3人とも約185cmというNHLサイズのゴーリーが揃いました(もちろん技術も一流)。

最後に八戸で、HLJ初の指導者対象企画、ゴールテンディングワークショップを行いました。この企画、ゴーリー枠の募集は順調だったのですが、初めての企画だけに指導者枠の募集状況が心配でした。しかし、締め切り時点でゴーリー24人、指導者27人と満員御礼となりました。このワークショップは、通常の氷上練習だけでなく、指導者対象の講義も行われるため、資料作成等にかなりの時間を要しました。さらに記念Tシャツの作成や、ワークショップ前にスキルDVD用映像撮影などの追加企画が入って大忙し。各種デザイン担当の奥さんにもフル回転してもらいました(ありがとー!)。ワークショップは八戸工大一高と地元スタッフのご協力により、トラブルもなく終了。至らない点もあったとは思いますが、それなりに満足して頂ける内容になったと思います。

何と言ってもこのワークショップの意義は、ライセンスを取れる講習会でもないのに、全国の指導者が自主的に25人も集結してくれたことにあります。しかも、ゴールテンディングワークショップなのに、指導者の半分以上はゴーリーコーチではなく、通常のコーチの方々でした。「試合の要」と言われながら、世界的に見ても十分な育成が行われていないポジションであるゴーリーを教えるための方法を学び、話し合う試みは、もしかしたら世界初に近いかもしれません。そこに、ゴーリーコーチだけではなく、通常のコーチが高い意識を持って学びに来てくれたことは、もしかしたら歴史的一歩になるかもしれません。

このワークショップでは、私の発表だけでなく、各地の指導実態の発表、ゴールテンディングにまつわる課題についてのディスカッションなども行われ、一方通行にならない知識と知恵の交換が行われるようにしてみました。中でも私の記憶に残るのは、苫小牧のホッケー人口激減でした。氷都と呼ばれた町のホッケーを支える子供達は、すでに10数年前の1/4に激減しています。これは大ピンチです!

最後の方は私の「競技構造改革」についても熱く語ることとなりましたが、日本のホッケーを変えるのは、他の誰でもなく、現場にいる全ての大人達の責任です。競技人口を増やすことは確かに重要ですが、現存する競技資源を有効に配分してホッケーそのものの質を豊かにしなければ、新しい子供達をリクルートする魅力すらありません。

例えば、部員8人、ゴーリー無しのチームが、5セット+ゴーリー6人のチームから、大会中だけでも選手をレンタルして少しでも戦力を均衡させる仕組みを作るためには、一銭もお金はかかりません。無差別級一発勝負のトーナメントだって、今のリンク占有時間で十分実現可能です。それにはただ、電話とメールと紙とパソコンと、エゴを廃し、本当に子供達のホッケーのことを考える意志を持った大人同士の同意が必要なだけです。

私は確信しています。ワークショップに集まっていただいたコーチのみなさんのように、ホッケーを思い、発展させるために学ぶ大人が力を合わせれば、この国のホッケーは変わることが出来ます。非常に希望を持たせてくれるワークショップでした。

その後、チェコでのトライアウトとフランソワ・アレールのゴーリーキャンプ、福藤豊選手のプライベートレッスンを経て今に至るわけですが、その辺りは来週、次の指導の地である香港に渡ってから書きたいと思います。

HLJのクリニック、合宿に参加していただいた選手、父兄の皆さん、ご協力頂いた全てのスタッフの皆さん、本当にありがとうございました!

それでは。

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