決定力をつけるには?前編

ご無沙汰していました。

昨年末に行われたChallenge Cup of Asia D1 で、私が監督を務める香港女子代表はシンガポール(7-1)、タイ(4-0)、UAE(9-0)を下して全勝優勝を果たしました。香港女子代表初の国際大会を良い結果で終えることが出来て良かったです。また私自身初めてナショナルチームを指揮させていただき、非常に良い勉強になりました。応援してくださった皆さんありがとうございました!

3月にはこの女子代表を連れてメキシコに行き、世界選手権D2B予選を、4月には男子代表のアシスタントコーチとしてルクセンブルグで世界選手権D3を戦う予定です。

さて、私が指導するレベルの遥か遥か雲の上の最高峰の舞台、ソチオリンピックでは日本女子代表が奮闘しています。

残念ながらBグループ全敗で順位決定戦に回っていますが、英語版の解説やプロコーチたちからの論評など、海外での評価は非常に高く、大会の大きな驚きの一つとして伝えられています。一番高く評価されているのは「スピード」と「チームプレーに徹する規律」を生かしたフォアチェックを中心としたシステマチックな守備です。

過去にも日本人ホッケー選手のスピードは世界で認められてきましたが、必ず「でも、スピードを生かせていない」という評価が続き「100万ドルの足、1セントの頭」なんて、非常に不名誉なことを解説者に言われたりしてました。「サイズが足りない部分はスピードとチームプレーでカバーすれば、、、」という台詞はホッケー以外のチームスポーツでも頻繁に聞かれてきましたが、実際それを戦術で表現し、且つ機能させた例はあまりなく、「とにかく攻守に走って運動量で勝負する」という、バカ走りをする意気込みだけで終わることがほとんどでした。その点今回の女子代表は「何をしようとしているのか、はっきりと戦術の意図が分かるチーム」「全員が同じ戦術を徹底している」「明らかに劣る体格でも、格上のチームに劣らない戦い方が出来ることを証明している」「ロシアの監督は、タレントで優っていても、チームとしては負けていることをはっきり分かっている」「足りない部分を求めるのではなく特長を生かして勝負する画期的なチーム作り」と、素晴らしい評価を受けています。

「日本のホッケー」という言葉は過去に飽きるほど聞きましたが、それを実際外部から認めてもらったのですから歴史的なチームです。また、今まで破ることが出来なかった予選の壁を破り、さらに世界選手権でもトップディヴィジョンに返り咲いているので、トップレベルに上がって行く方法論としては間違っていなかったと言えます。

一方、オリンピック本番のBグループ、つまり下位4チームの組で勝てなかっただけでなく1点しか取れなかったことで、多くの課題が見えてきたのも確かです。ランキングから見ても格下の日本チームが、フォアチェックとDZカバリジを基本にした守備的戦いをして、カウンターとパワープレーに攻撃の活路を見出そうとした戦略は弱者の正攻法であり、間違いではなかったと思います。歴史的に、番狂わせと呼ばれる試合で、点の取り合いになったことはほとんど無く、ロースコアに持ち込むことはほぼ必須の条件だからです。ガチンコ本番で強敵相手に「負けても良いから攻撃的なホッケーで」というと、点は多少取れても勝てることはほとんどないでしょう。

とはいっても、守り勝つためにはある程度の得点が必要です。シュート力は男女日本人選手が世界と一番差があるスキルなのは周知の事実なので、そこはゴール前のディフレクションなどで工夫していた、みたいな記事は見かけましたし、とにかく外からでも良いからどんどんスロットにパックを入れてリバウンドを、、、という記事もありました。

しかし、残念ながら、外から入れて泥臭くリバウンドという戦術?みたいなものは、一昔前の北米の戦術というかメンタリティであり、シュートやパス、そして身体が強くないとあまり機能しません。シュート力が弱くなればなるほど、ゴール近くからクリーンに打たないと入らなくなるからです。しかしゴール近くに個人技で迫るには、これまたサイズがないから難しい、、、というのが、現在まで続く得点力のなさの原因だと推測されます。

じゃーどーすれば得点力が上がるんだよ?という、私自身の疑問に答えるべく、いろいろと考えをめぐらせてみたのですが、長くなりそうなので続きは次回に、、、

それでは。

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