USA!

U20の世界最強を決めるIIHF世界ジュニア選手権は、アメリカがスウェーデンを3-1で下して優勝しました。予選では苦しんだアメリカですが、準々決勝ではチェコを7-0で惨殺、準決勝ではホッケーの母国カナダを5-1と一蹴しています。対するディフェンディングチャンピオンのスウェーデンは、準決勝でロシアを3-2でかわして2年連続で決勝に進みましたが、アメリカに完敗してしまいました。

アメリカU20の優勝はこの10年間で3回と、カナダの5回に続く記録です(残りはロシアとスウェーデン各1回)。2010年のバンクーバーオリンピック決勝でカナダに惜敗したりで進境著しいアメリカホッケーの育成と強化については過去のブログでも多く取り上げています。こちらはバンクーバー決勝時のブログで、ナショナルチーム育成プログラムNTDPについて取り上げています。

今回の大会ではホッケーの2大超大国であるカナダとロシアが3決を戦うという、ファンには期待はずれな結果に終わってしまいましたが、それよりも注目すべきは5位決定戦、チェコ対スイスです。スイスは準々決勝でロシアに、5決でチェコにいずれも3-4で惜敗していますが、2009年にトップデヴィジョンに最昇格以来、4位、5位、8位、6位と、ホッケー大国の仲間入りを果たしつつある戦い振りです。ロースターを見てみると、カナダやアメリカのジュニアメジャー、スウェーデンのジュニアリーグなどでプレーする選手も居るものの、半分以上は国内リーグで戦う選手であり、順調に国内の競技構造が構築されていることが判ります。

アメリカを始めとして、近年成功を収めているスロバキア、フィンランド、さらに急激に力を付けてきているスイス、ドイツ、デンマーク、スロベニア、ハンガリー女子など、新しい成功例を見るたびに「おお、これからは○○の時代だ!」と、地理の授業のように海外の強化策を勉強しに行くのはそれ自体決して間違ったことではないのですが、それではその成功例に追いつくことは永遠に不可能です。なぜなら、成功している国々は、少なくとも10年前にその強化策に着手しているからです。例えばアメリカのNTDPは1996年、今から17年前に始まってこの成功に至っているのです。諸外国の成功例を学んでいる時点ですでに10年以上遅れているので、まず取り返しはつきません。

それでは、日本のトップレベルのスポーツの強化策とはいかなるものでしょうか?たしか2008年に始まったJOC事業、国際競技大会で活躍できる選手を育成・指導する真のエリートコーチ養成を目指し行われている「ナショナルコーチアカデミー」の2010年の「コーチング論」講義の模様がこちらです。

橋本聖子が世界レベルのスケーターだったことは疑いようがない事実ですが、コーチング論の講義なら、彼女を育てたコーチ達にやってもらうべきではないでしょうか?もしくは、彼女が「育てて貰った経験」を語るべきではないでしょうか?「研ぎ澄まされた感覚を紐解いて言葉で伝えられたとき、名コーチになれる」って、それは要するに自分の感覚を伝えるだけのコーチじゃあないですか?まともなサッカー選手としての経験のないモウリーニョやサッキ、ホッケー界で言うならスコッティ・ボウマンやロジャー・ニールソン、フランソワ・アレールはいったい何を伝えているのでしょう?

この調子で10年後どうなっているか、私はけっこう予想できます。

今年は辛口でいく、かもしれません、、、

それでは。

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