軽井沢ゴーリークリニック

お久しぶりです。

ブログではご無沙汰しておりましたが、FaceBookなどでは随時情報を更新してますので、そちらもチェックしてくださいね。そして最近、おそらく世界でもっとも読まれているゴーリー情報サイトIn Goal Magazineで連載を開始しました。ゴーリーのためのホッケーシステム研究という内容です。英語版のみですが、是非ご覧ください。

思い返せば昨年の春は日本各地でスクールやらワークショップをしてました。しかし香港ではほぼ毎日オフィスでジム、いや(ホッケー絡みの)事務もこなすサラリーマンホッケーコーチですので、なかなか日本に帰って活動することが出来ずにいました。しかし、昨年に引き続き、長野オリンピック日本代表コーチなどを務められた清野勝さんにお誘いいただき、「長野県アイスホッケー連盟ゴールキーパークリニック2014」のため帰国することが出来ました。

デモンストレーターには今年からデンマークリーグに移籍する日本代表福藤豊選手、さらにアイスバックスから小野航平選手も参加。シューターにはフランスリーグで活躍した近江創一郎と元アイスバックスの斉藤謙太と、非常に豪華なクリニックになりました。合計2日間のクリニックでしたが、小学生の部37人、中学生の部28人と大盛況でした。また、私が教える香港代表からも男女代表がシューター、ゴーリーとして参加してくれました。自覚はほとんどされていませんが、日本はアジア随一、競技人口とリンク数では世界でも有数のホッケー大国です。日本の競技力と環境に憧れるアジア諸国の選手はたくさんいるので、期待に応えるリーダーシップを発揮したいところです。

中学生のクリニックとプロ選手二人のプライベートレッスンのテーマになったのは、最近急速に普及してきたポスト際のテクニック、リバースVHでした。リバースVHに類似する動きは4年以上前からNHLで見られるようになってきていましたが、未完成の部分が多く、失敗例も多数見られました。しかし最近のNHLでは強力な2-1-2フォアチェックを駆使して、ゴールライン後ろからスコアリングチャンスを作るチームが増えたため、ゴーリーもゴール裏とデッドアングル絡みのプレーに対応が迫られ、リバースVHの技術が洗練されてきました。

NHLの試合やYouTube等で既に目にしたことがある方も多いかもしれませんが、こんな感じで使われています。それにしても近年の動画共有サイトの世界的普及、携帯HDビデオや各種コーチング関連アプリの発展は確実にコーチングの世界を変えています。秘密主義と情報不足の時代は終わり、オープンに(基本的)情報を共有し合い、さらに発展させていかなければどんどん時代から取り残されていきます。私はホッケーコーチングの情報発信としては世界的にも相当古くから長期間続けている方だと自負していますが、それでも全然時代に追いついていません。これまで以上に情報発信に力を入れなければと思います。

Butterfly Save to Reverse VH Position : Drill 1

Cancelling Reverse VH Position : Drill 1

Cancelling Reverse VH Position : Drill 2 Pass In Front

Cancelling Reverse VH Position : Drill 3 Pass Across

最後に、クリニックを通して一番心に残ったのは、やはりプロ選手の意識の高さです。福藤、小野選手共に、小中学生に混じってビデオ講義に参加し、ノートまでとっていました。私は幸運なことに、国内外で何人ものプロ選手と予備軍を指導する機会に恵まれました。プロ選手とアマチュア選手を明確に分けるのは、圧倒的に基本に忠実で正確なスキルであることは間違いありませんが、その差を生む「プロ意識」はスキル以上に際だっています。

勉強熱心であっても、自分を向上させることに徹することが出来ず、自己満足のマニアや批評家で終わるのがアマチュアです。一方、自分の築いてきた物を失うかもしれないという不安や批判を乗り越え、客観的な意見を取り入れて自分の技術と向き合って向上することが出来るのが本当のプロです。

「押しつけられているように感じないことは、本当の教えではない」

とは、たしか道元の言葉です。信念を持ちつつ、変化を恐れず柔軟に対応していける、本当のプロ意識を持ったコーチでありたいと、自分にも言い聞かせる一時帰国でした。

それでは。

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