怒りの投稿、第一弾

さて、最近聞いて激怒した話はこれ。関東の某小学生チームで、控えゴーリーが、わざわざ遠征して練習試合をしても、まったく試合に出してもらえなかったという話。っていうかその子は基本的に、ボロ勝ちしていてもボロ負けしていても今年ほぼ試合に出ておらず「もう辞めたい」と漏らしているとのこと。そりゃそうだろ。

監督の言い分は「経験が足りないから」という、禅問答の様な回答。少しどころか全く試合に出さず、どこで何の経験を積めというのか?いやむしろ「試合に出ない修行」を経験しないと試合には出さないというのか?そういえば日本には球拾いとか一生補欠を美談にして、感動的CMにまでなるという恐ろしい文化が存在するので、監督は大まじめで言ってる可能性が高い。が、無知で無能であることは間違いないです。

これは「ここで諦めず、補欠の悔しさをバネにして来年レギュラーを取れば良い」というような、後から美談にすればいいみたいな低レベルのごまかしで済む問題ではない。適切な質と回数の練習と試合があってこその育成。その子の失われた一年、しかもかけがえない育成年代の一年は、誰も責任を取ることなく「苦しかったけど、あの頃はよく耐えた」くらいで酒の肴にされて終わるのです。もっと大きな問題は、こうした無知で無能な大人たちの犠牲になる子供たちが日本中にいるということです。

日本でホッケーがメジャーにならないとか、競技人口が増えないとかお嘆きの皆さん、一番大きな理由は、気候でもお金でも連盟でもマスコミでもなく、エンターテイメント化されてないことでもなく、イケメン選手を推さないことでも何でもなく、一部の無知で無能で無責任な現場の人間がホッケー好きの子供たちを辞めさせてることにあります。

下手な子が一人試合に出してもらえず拗ねてやめたくらいでそんな大げさに言わなくてもと思うなかれ。ホッケー超大国のカナダ、アメリカですら、子供のホッケー人口がどこで減るか?継続率(retention rate)の減少する年代の区切れとその要因を分析して、改革を進めています。なぜならば、ホッケーを始めた子供たちの人数以上にその年齢層のホッケー人口が増えることは基本的にあり得ないからです。小学生でホッケーに幻滅した子供たちが、後から大挙してホッケーに戻ってくることは無いし、あったとしても、逃された適切な成長機会を取り戻すことは出来ないのです。大学生や大人から始めるホッケーも、もちろん素晴らしい価値がありますが、根本的な競技力を支えるものではありません。

だから、ホッケーを盛んにしたいなら、今一番出来ることは、子供の現場でホッケー人口を減らすような、無知で無能な指導者を教育し直すか、そのような質の低い指導者を淘汰し、指導者の質を担保する仕組みを作ることです。ホッケー人口を増やすことは容易ではありませんし、日本よりはるかにホッケー人口が少ない国に負けるのですから、それが事の本質でもありません。しかし、ホッケー人口を減らさないことは今すぐ取り組めるし、それこそが取り組むべき課題だからです。なぜならば、いくらホッケー人口を増やしても、子供たちを辞めさせる構造が健在なら、穴の開いた花瓶に水を注ぎ続けるのと同じ。いつになっても花は咲きません。

怒りのあまり長くなってきたので、続きは次のポストで。

怒りの投稿、第一弾」への4件のフィードバック

  1. 某有名高校も全く同じ環境です。中学生まで大好きだったホッケーも、忍耐力を付けに特待生で行った様なものです。
    もちろん、実力の世界でありますが、経験すらさせてもらえない飼い殺しの環境を改革して欲しいものです。

    • はい。親も子供もそのような環境を「修行」と捉えず、多少弱くても試合に出場して楽しみ、成長できる環境を選択するようにして欲しいとも思います。あまりにも多くの子供たちが、試合に出られないのを承知で「上手い選手と練習すれば上手くなり、そのうち活躍できるから」という幻想を抱いてしまいがちなのも問題の一旦です。

  2. こんにちは。まさにうちの小学生がこの状態でチームの合宿をボイコットしました。「このチームは弱い子を出すのは勝ちためのチーム作りのポリシーに反するとのことで、勝ちに拘らず楽しみたいなら他所のチームに行ってください」とはっきり言われました。「入部前からそのポリシーは伝えていたので、守って下さい。」というスタンスです。
    試合に全然出れないので試合経験を詰めるチームに移籍を検討中です。息子にはこれをバネに、現在のチームのレギュラーを見返す努力を重ねて将来見返してくれたらと願っています。

    • 愚かなコーチング、チーム運営の極みです。
      「勝ちに拘らず楽しみたいなら」って、試合に出られないなら何を楽しめばいいのか?出られない子供たちの親たちは何にお金を払っているのか?
      日本ではチームのレベルや勝敗、チームのネームバリューによる選抜されやすさ等、最もどうでも良いことにこだわってチームを選択する人が多いようですが、そんなことより試合に常時出られることが一番重要です。即刻移籍してください。

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