恥を捨てて、世界に出よう!その2

日本から海外に出る選手が徐々に増えそうな今日この頃、良い傾向です。

って、ここまで書いといて、ホントは、アジアリーガーやスマイルジャパンがさらに上のリーグに挑戦する以外で、若年層が海外に育成環境を求める子供が増えるのは日本のホッケーにとっては良くないんですけどね。後に書きますが、本来プロ、もしくはそれに近いレベルに至るまでの育成は国内で行われる環境があるべきですし、その方が効率良く育成出来るというデータも出ています。

さて、いよいよ海外挑戦を考えた時、具体的に必要なものは何でしょうか?世界選手権などでプレーしてNHLやKHLにドラフトされたとか、NCAAチームから身分照会されてない限りは、日本人選手が海外のチームに知られている可能性はほぼないので、自分を売り込む資料が必要です。代理人を入れる場合でも、基本的な資料、つまり就職活動と同じくホッケー履歴書は自分で用意しておくべきです。

<ホッケー履歴書>

ホッケー履歴書には、まず自分のホッケー選手としての基本的情報を書きます。当然全部英語です。世界のどこでプレーする場合でも英語でOKです。

  • 名前
  • 生年月日(西暦)
  • 身長、体重(メートル法と、ヤードポンド法を併記してください)
  • ホッケーのポジション、シューティングハンド(ゴーリーはキャッチングハンド)

その次に過去から現在までシーズン毎のスタッツ(試合出場数、ゴール、アシスト、ポイント、ペナルティ時間、プラスマイナス等)所属チームの名前、大会名とともに列挙していきます。代表でプレーしている場合は、別に大会名とスタッツを列挙します。

スタッツ例

日本では世界選手権かアジアリーグプレーしない限りは国際的なスタッツがないんですが、とりあえず自分で記録を採り続けて公式スタッツの代わりにしても、無いよりはマシでしょう。スタッツを出せと言われて出せないのが一番困るので。

ちなみに世界選手権とアジアリーグを経験しているほとんどの日本人のスタッツはeurohockey.comや、eliteprospect.comに載ってますので、証拠としてリンクするのを忘れずに。世界最弱の香港女子代表監督だってこの通りです。世界大会に出るって、凄いことなんですね!

http://eurohockey.com/player/545484-hiroki-wakabayashi.html

さらにNCAAでのプレーを目指すのであれば平均評定=GPAを算出して書きましょう。これがある程度以下だと進学できません。進学出来ない場合は18-21歳でプロ転向するしかありませんが、世界選手権かアジアリーグのスタッツが無いと、海外ではちょっと難しいです。良い子のホッケー選手は将来の可能性を広げるため、勉学に励みましょう。

あとは、受賞歴、選手としての自分の特徴を正直に、かつ、極めてポジティブに書きましょう。日本人的に無駄な謙遜をする必要はありません、、、が、だからと言って盛り過ぎると、併記する推薦人(reference)の評判を下げることになりますので、注意が必要です。

Referenceとは、自分を推薦してくれる人の連絡先のことで、過去のコーチ、GMなどが代表的です。個人情報ですので、先に事情を話して許可をもらってから載せましょう。履歴書に興味を持ってくれたチームが、事前にその選手の評価を定めるために、referenceの人々に電話するのはよくあることです。私も推薦人になったことが何度もありますが、いくら過去の教え子でも、大げさに評価したり、弱点を隠す嘘を言ったり、特に人格について嘘を言うと、後々私自身のコーチとしての評価に返ってくるので、正直に答えざるを得ません。また、コーチに合わない、チームメイトと問題を起こした、親がエゲツない、などでチームを点々としていると、いつの間にか推薦人になってくれる人がいなくなります。

世の中良くも悪くも、人間関係は重要です。健全な意味で、コーチやチームメイトに好かれるプレーヤーになろうとするのは当たり前のことです。って、今更自分に言い聞かせたりして。

ホッケー履歴書の記入例は以下のサイトで勉強しましょう。

10 Steps to a Great Hockey Resume

<ハイライトビデオ>

次に用意したいのが、自分のプレーのハイライトビデオです。世界選手権かアジアリーグを経験しないで、日本からいきなりどこかの国にトライアウトに行こうと思っても、ホッケー履歴書で跳ねられる可能性が高いです。だって、日本の高校大学リーグのスタッツじゃあ比較対象がないですから。出来るだけ自分の試合のビデオを残しておいて、ハイライトビデオに編集しましょう。

ビデオの最初には、ホッケー履歴書の基本情報を入れて、後は自分のハイライトになるシーンをつなげます。レベルが違いすぎるチーム相手に大活躍、みたいなシーンばかり入れないように気をつけましょう。そんなの誰も信用しませんし、第一自分がやっているレベルが低いことを伝えてどーする?ってことです。

また、ハイライトは攻守両面をカバーするようにしましょう。コーチは派手な得点シーンだけでなく、DFは手堅い守りやシンプルなブレークアウト、FWならフォアチェックとバックチェックやDFでの守り、コーナーでの競り合い、ゴーリーならスーパーセーブだけでなく堅実なセーブ、パックハンドリングなんかも見たいものです。

長大な作品は誰も見てくれないので、10分以内にまとめるのが良いでしょう。興味を持ってくれた時点で一試合分のビデオを見てもらえるかもしれないので。

出来た作品は当然YouTubeとかにアップしましょう。YouTubeでスカウトされたって話も聞きますしね。その他、ホッケー履歴書やハイライトビデオをリンクしてスカウトされるためのサイトも幾つかあるので、登録すると良いかもしれません。

ダメだまだまだ具体的な手続きにいきませんね。この先はまた次回!

それでは。