香港アイスホッケー男子、女子代表チーム、指導開始!

FaceBookTwitterでは定期的に発信してましたが、こちらのブログでは非常にご無沙汰しておりました。

香港でもホッケーシーズンが始まり、私の勤める香港アイスホッケーアカデミーでも強化から普及まで様々なプロジェクトが始動しています。 そして、26年ぶりにIIHFの世界選手権(D3と、女子はその予選)に復帰する香港代表チームも、男子+U18男子と女子のトライアウトを経てトレーニングを開始しました。私は男子チームのアシスタントコーチと、女子チームの監督、そして代表と、その育成年代のゴーリーコーチを任されることになりました。

日本のようなアジアの先進ホッケー国とは違い、香港では代表選手もすべてアマチュアであり、遠征費どころか代表の練習費用も基本的に自己負担です。通常のサイズのリンクが国内に一つしかないので、練習回数も非常に限られており、そのほとんどが休祝日の夜です。おそらく日本の地方の県代表以下の競技環境で世界大会を戦わなければなりません。

とはいっても他のD3の国々も似たような条件ですので言い訳は出来ません。 しかし、D3の新興国でも、最近は非常に積極的に優秀な指導者を雇って強化を図っているので、実力は年々上がってきています。昨年男子D3を制した南アフリカは元NHL育成コーチだったBob Manciniが率いていました。香港の隣国台湾は5年前から私の友人でもある元ハンガリー代表のKristof Kovagoを迎えて一貫した強化を行っています。

そして香港男子代表の監督は、香港アカデミーのGMで、NHLドラフト全体2位指名、元ニューヨーク・レンジャーズ主将、NHLオールスター5回選出、グレツキーと共にカナダ代表でもプレーした、ホッケーレジェンドのBarry Beck氏です。Beck氏は引退後ホッケースクールの運営やジュニアチームコーチなどを経て香港に渡り、7年間もホッケーの普及と強化に尽力しています。

女子のアシスタントコーチはバンクーバーオリンピックで中国女子代表のアシスタントキャプテンを務めた譚安琪、、、過去、日本の前に何度も立ちはだかった中国女子代表の、まさに中心選手でした。彼女も引退後香港でホッケー指導者としてのキャリアを積んでいます。

そんな強者達に紛れ、うっかり名を連ねてしまった私は、20年以上のホッケーコーチ生活で初めてのIIHF世界選手権代表チーム監督/コーチ業となります。世界ランク最下位近くの香港ですが、代表は代表。私のように、一人のホッケーコーチとして生きるために世界を流れ流れて来ただけの人物を雇ってくれた香港アカデミーと、さらに代表監督/コーチにまで選んでくれた香港アイスホッケー協会には感謝の言葉しかありません。

とにかく限られた競技環境ですので、十分な準備が出来るなんて言うことはできませんが、有給を削り、身銭を切ってトレーニングをする代表選手達と、それを支える人々が胸を張って帰って来られる結果を残せるように、知恵を絞りたいと思います。

よく考えてみれば私のホッケーコーチとしてのスタート地点は、基本的に未経験者しかいない筑波大学女子ホッケー部です。アジアリーグでプロのコーチも経験したとはいえ、プレーオフに進出したことが無く、未払い上等、時には切手代さえも払えないような弱小・赤貧チームでした。カナダでもアメリカでも、AAAとはいえ、エリートと呼ぶにはほど遠いチームを率いていましたし、シーズン開始時にはAレベルも怪しいようなチームを教えたこともあります。そういえば、契約なんてあってないような国で給料が滞り、家賃はおろかバス代すら払えないような日々もあったっけ(奥さんごめんなさい!)。

そう考えれば、まともなリンクすらなく、基本自腹、その他問題山積で、目下世界ランク最下位くらいの代表チームでの挑戦、、、これこそボヘミアンホッケーコーチの望むところです!

少なくとも生活はちゃんとできてるし(笑)

いやぁ、面白くなってきました!

それでは。