帰ってきた『決定力をつけるには?』-その2

 Philosophy x Methods x Execution = Result

哲学 x 方法論 x 実行力 = 結果

オリンピック最終予選が遥か前のことのように感じる今日この頃です。『決定力をつけるには?』という表題と関係あるようで遠回りしまくりの思考実験、今回は改革を始める前に必要な現状認識と分析について考えてみます。

まず、そもそも現状の日本代表、いや日本のホッケーに五輪予選を突破できる力があったのかどうかということです。結果を見ればそれは明らかなのですが、それ以前に五輪予選を勝ち抜けるレベルの選手がそろっていたかということです。これは分析も何も、最終予選出場各国選手の所属チームを見れば明らかです。

オリンピック最終予選出場国で、世界二大リーグであるNHL、KHL現役選手を擁しないチームは日本以外に存在しないからです。

最終予選を突破した3カ国を見ると、ドイツはNHL選手7人、スロヴェニアは競技人口約1000人ながらNHL選手1人にKHL選手4人、ノルウェーはNHL選手2名ですが、これまた強豪のスウェーデン、フィンランドやスイスリーグ所属選手が他に何人も居ます。日本以外で予選敗退した国々にもNHLとKHL選手が数名いるか、もしくはカザフスタンのようにチーム丸ごとKHLです。世界ランキングが日本(20位)とあまり変わらないイタリア(18位)にもKHL選手(Thomas Larkin)が居ます。

日本代表はアジアリーガーと学生、そしてアメリカのジュニアリーグであるUSHL選手で構成されてますから、同じ舞台で戦うには分が悪すぎます。いやむしろラトビア戦などは、個々のレベルの差を考えれば大善戦と言えるでしょう。

現実的には、次回のオリンピック出場という目標以前に、最低KHLで戦うことが出来る選手を育てる必要があるのです。これは12カ国に限定されている男子オリンピックより参加国が多い(16カ国)、世界選手権トップディヴィジョン昇格を当面の目標に設定した場合でも同様です。トップディヴィジョン参加国で現役NHL、KHLでレギュラークラスの選手が居ない国は一つもないからです。主戦場であるアジアリーグのレベルをKHL並みか、せめてスイスリーグのレベルまで引き上げるという方法もありますが、これは短期間ではあまりにも非現実的です。

個々のレベルが及ばなくてもチームプレーの戦術で何とか…例えば徹底的に守って少ないチャンスを決めて勝つとか、逆に強気に点を取りにいくホッケーをすれば…とか考えたくもなるのですが、チームとしてのデータを見る限り上位国との差は、戦術や采配で縮められるレベルではないようです。

3試合のリーグ戦で本当に有意なデータを出すことは難しいのですが、それでも明らかなのは、最終予選D、E、Fグループ参加国の中で突出した日本の弱さです。SOGA(被ショットオンゴール数)131本は断トツの最下位でブービーのポーランドとですら42本…一試合分以上の差があります。それでも失点数が最下位ではなかったのは、ひとえにゴーリーのセーブ率(92.37%)が平均よりかなり上だったからに過ぎません。ショットオンゴール(55本)は最下位ではありませんが、3試合で1得点ということで、シュート決定率も断トツ最下位の1.82%。100本打っても2点入らないわけですから、現状一試合20本弱のシュート数の5倍以上打っても平均失点3.69を上回ることは不可能です。

さて、上記の表は、SP+SV%、つまりシュート決定率とゴーリーのセーブ率を足した値の大きいチームから順に並べられており、これでほぼ上位チームと下位チームがキレイに分かれます。NHLではさらに細かく5対5の状況だけでSP+SV%を算出しPDOもしくはSPSVと呼んでいます。この値はチームの(運も含む)調子の良さ、そして全体的な強さを最もよく反映する値と言われており、チームの順位(ポイント)と明確な相関関係があります。

打ったシュートをより確実に決め、打たれたシュートをより確実に止めるチームが勝つというのは当たり前の話なのですが、日本はどのようにその値を向上させればいいのでしょうか?一見すればゴーリーのセーブ率は充分な値ですので、あとは決定率を向上させればOK、例えばポーランドのように日本よりも少ない53本のシュート数で6点取れたらかなり良い勝負になるはず!と思ってしまいます。しかし守勢攻勢を示すバロメーターの一つであるSOGF/SOGA、総ショットオンゴール数を総被ショットオンゴール数で割った値を見ると、ポーランド(0.60)は日本より(0.42)も上。つまり、防戦一方でシュートを打っているわけではなく、互角に近い攻防の中で効率的に得点していることが分かります。ただしポーランドはゴーリーのセーブ率が悪すぎて、失点の効率が上回ってしまいました。

長期のリーグ戦データを見ると、総シュート数(CorsiやFenwickという値)と総得点、総被シュート数と総失点にも明確な関連性があります。つまり、防戦一方だけど少ないチャンスを生かして勝つという戦術は、たしかにジャイアントキリングの唯一に近い方法ですが、長期的には成功の確率は低く、パックコントロール能力を高めて出来るだけ攻勢のホッケーを目指すのが強化の王道ということになります。

点を取られても取り返す攻撃的なホッケーと言うのも聞こえは良いですが、一試合の総得失点が多い(つまり得点と失点が両方多い)チームの順位が上がるという関連性はなく、むしろ一試合あたりの総得失点が多いチームの順位は高くない傾向が若干見られます。

スキルが無いならガンガン当たってフィジカルに行けば勝てるんじゃないかというのも威勢が良いのですが、長期的に見るとヒット数とチームの順位には明確な関連性は無く、明らかに増加するのはペナルティキリング(キルプレー)の時間です。

長くなりましたが、現時点で日本がオリンピック出場や世界選手権トップディヴィジョンを目指すには、小手先の戦術や采配、選手選考くらいではまったくどうにもならない差を埋める必要があるということです。短期決戦なら何かの運や采配の妙でジャイアントキリング(この言葉嫌いです)出来るんじゃないかという甘い夢を見がちですが、短期決戦こそ総力戦であり、番狂わせを、それも何試合も続けることは不可能です。

ホッケー選手、チームの育成、強化のためには、過去の栄光や都合の良い願望を捨て、現代ホッケーのデータを集積し、ホッケーの本質を分析し、強い選手、チームを育てるために、近道などない王道を進む必要があります。

と言うわけで、次回はついに具体的に決定力を上げる方法論について書くつもりですので、気長にお待ちください。

それでは。

2017年5月3-7日 Hockey Lab Japan GKキャンプ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)参加者募集開始!

2017年5月3-7日にテクノルアイスパーク八戸でHockey Lab Japan GKキャンプを開催します。このキャンプでは、北米とヨーロッパの最新GK理論と練習方法を日本人の身体的・精神的特性に合わせて構築された理論に基づき、合理的で効果的な氷上練習とビデオ講義を行ないます。一般クラスでは基本スキルとその実戦への応用を、プロクラスではより高度な内容で世界レベルのGKを目指します。

(2月6日更新)
*一般クラスの定員まで10名以下になりました。お申し込みはお早めに!
*プロクラスの募集は終了しました。
*3月以降に申し込まれた場合、オリジナルキャンプジャージのご希望サイズを確保できなくなる可能性がありますのでご了承ください。

<GKキャンプ日程>
5/3(水)-7(日)
12:30-13:15 受付(5/3のみ)
13:15-13:45 ビデオ講義(全クラス共通)
14:15-15:45 氷上練習 一般クラス
16:00-17:30 氷上練習 プロクラス

開催場所:テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)
所在地:八戸市新井田西四丁目1-1
電話:0178-25-5655

インストラクター:若林弘紀(Arizona Jr. Coyotes、USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、他
デモンストレーター:アジアリーグゴーリーを予定
対象:一般クラスは小学校高学年以上、競技歴2年以上のGK。プロクラスはプロを含む高校生以上で、高い競技レベルでプレーしているGK。競技歴等をこちらで判断し、一般クラスに移動していただく場合がありますのでご了承ください

一般クラス定員:24名
プロクラス定員:12名(募集終了)
指導者定員:10名

参加費:4月3日までに入金して頂いた場合
一般クラス:40,000円
プロクラス:50,000円
指導者:20,000円

4月3日以降に入金される場合
一般クラス:45,000円
プロクラス:55,000円
指導者:25,000円

一般クラスとプロクラスのキャンプ参加費にはオリジナルキャンプジャージが含まれています。
*一部日程のみ参加ご希望の場合はご相談ください。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自ご加入ください。

参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.comまでメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。

  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(2017年5月3-7日 Hockey Lab Japan GKキャンプ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)
  4. 西暦で生年月日
  5. キャンプ開催時の学年
  6. 参加クラス
  7. (A)一般クラス
    小学校高学年以上、競技歴2年以上のGK
    (B)プロクラス
    プロを含む高校生以上で、高い競技レベルでプレーしているGKに限る(競技歴等をこちらで判断し、一般クラスに移動していただく場合がありますのでご了承ください
    (C)指導者クラス
    指導者クラス参加者は一般クラス、プロクラスの氷上練習に滞氷、またビデオ講習も受講出来ます。
  8. 性別
  9. 所属チーム
  10. ホッケー歴(年数)
  11.  希望のジャージサイズ(XXL、XL、L、M、S、ユースXL、ユースL、ユースM、ユースS)
    3月以降に申し込まれた場合、オリジナルキャンプジャージのご希望サイズを確保できなくなる可能性がありますのでご了承ください。
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  12. 郵便番号
  13. 住所
  14. PCメールアドレス
  15. 携帯メールアドレス(こちらからの返信を受信できるよう、必ずhockeylabjapan.com、worldhockeylab.comとpaypal.jpドメインのメールを受信できるよう設定してください
  16. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  17. 保護者名
  18. 備考、質問等海外ホッケー留学の相談も受け付けています

Hockey Lab Japanの個人情報保護方針
http://www.hockeylabjapan.com/j/privacy.html

帰ってきた『決定力をつけるには?』-その1

Philosophy x Methods x Execution = Result
哲学 x 方法論 x 実行力 = 結果

スウェーデンの改革

いまやNHL選手の出身国比率でカナダ、アメリカに次ぐ第3の大国となったスウェーデンは、世界選手権やオリンピックでもメダル常連国です。しかし、古くからホッケー強豪国のひとつとして知られていたスウェーデンにも低迷の兆候がありました。1997年から2002年の間、U20世界選手権でまったくメダルが取れなくなったのです。そこでスウェーデンは国内のホッケー関係者120名を集結して大規模なワークショップを行い、スウェーデンホッケー再興のための改革を断行したのです。若年層への普及、育成、コーチングの強化等の結果、U20代表は2008、2009年に準優勝、2010年にも銅メダルと復活し、NHLに上位でドラフトされる数も急増しました。

フィンランドの改革

近年育成大国として名を馳せているフィンランドも2009年に国内のコーチ、GM、エージェント等を一同に会して、大改革への道筋を描きました。世代別代表コーチをフルタイムで雇用し、国内外のクラブチームを年間視察すると共に、各クラブが代表選手の育成についてのビジョンを共有出来るようにする、世界選手権の主催で得た収益を還元し、全国のクラブに巡回スキルコーチを派遣することで若年層のスキルの強化を図るなど、改革の内容は多岐にわたります。結果、近年ではU18、U20、男女正代表全てのカテゴリーで続々メダルを獲得し、2016年NHLドラフトでは上位5人中3人がフィンランド出身という快挙を成し遂げました。フィンランドの改革については北米でも関心が高く、多くの記事が書かれていますので、こちらこちらこれなんかもお読みください。

未来を描き、変革を成し遂げる力

現状への危機感から大規模な改革を行い成功した例はスウェーデンとフィンランドだけではありません。超大国アメリカでも2009年にAmerican Development Modelを開始、U18、U20年代で劇的な成果を上げつつあります。カナダ、アメリカ、ロシア、スウェーデン、フィンランド、チェコのビッグ6に続く中堅国となったスイスも育成に定評があります。長野オリンピックあたりまでは日本のよきライバルだったノルウェーやデンマークもNHL選手を何人も輩出する国になりました。

成功した改革にはいくつかの共通した特徴があります。まずは既存のプログラムへの危機感を早めに感じ取っていること。例えばスウェーデンが改革を始めたきっかけはU20代表の低迷でしたが、正代表は世界選手権で順調にメダルを獲得していました。しかし、U20代表の低迷は必ず数年後に正代表に影響するので、早めの改革を断行したのです。フィンランドも同様に、正代表は2007年に準優勝、2008年に3位に輝いてますがU20、U18世代の不調を見抜いて改革を始めました。ちなみにフィンランドは2014年のU18世界選手権準々決勝で最大のライバルであるスウェーデンに10-0と屈辱的大敗を喫した1996年生まれのチームを、2年後の2016年にU20で優勝させるという早業の改革もやってのけています。

次に、改革を実行するに当たり、スウェーデンはTommy Boustedt、フィンランドはErkka Westerlundという非常に強力なリーダーシップの元、国中のホッケー関係者達が意見や利害の対立を超えて協力し合あいました。どこの国でも、ホッケーに限らず、組織内に政治的対立があるのは世の常であり、ホッケー大国になればなるほど、内部での政治的対立が大きく、激しくなるのは当たり前のことです。特に大きな改革では既存の中心勢力が間違いなく割を食うわけですから、改革に対する抵抗も並大抵ではありません。それをまとめることができるリーダーが居る…というか、そういうリーダーを生み出せる組織でなければ、改革が成功する可能性はゼロでしょう。

もう一つの特徴は、組織に今までの自国のホッケーを大胆に変える覚悟と実行力があることです。例えばスウェーデンはそれまでも洗練されたスキルに基づくチームプレーが特長でしたが、北米のホッケーに比べてコーナーやゴール前などのフィジカルプレーが弱いのが問題と分析すると、タイトなスペースでも強い、新しいスウェーデンホッケーを構築しました。フィンランドの改革では、若年層に従来のチームプレーより個人技を徹底的に叩き込むためにスキルコーチを導入し、近年では世界屈指の個人技を誇るホッケー大国に変貌しました。そしてどちらの国も最大の弱点であったゴールテンディングを大改革していまやゴーリー大国です。

日本人に合った○○をすべき、とは言うけれど…

サッカーでもホッケーでも他のスポーツでも「日本人に合った」もしくは「日本人の特長を生かした○○を構築しよう」なんて簡単に言ってしまいますが、そのためにはまず正確な現状の分析が不可欠です。数人の外国人コーチに「日本人はスケーティングが上手く、機動力がある」とお世辞を言われたくらいでは本当にホッケーに必要なスケーティングが上手いことの裏づけにはなりません。大学時代に講義で聞いた話ですが、サッカーでは数十年前に日本代表とドイツ代表の持久力をテストした結果、日本人選手が単純な持久力では圧倒的に上回っていることが証明されたそうです。しかし国際試合になると、相手にボールを支配されて走らされっぱなしで、消耗するのは日本の体力ばかりだったとのことです。単純な走力と、ゲームに必要な走力は全く別物だと言うことです。私はボリス・ドロジェンコの現代的スケーティングシステムなんかを見るにつけて、日本人が漠然と描いているスケーティングの優位性はあっという間に消えてしまうような気がしています。

「中学校くらいまではホッケー大国ともスキルで互角に戦える」という話も散々聞きましたが、一年に数試合海外チームと戦ったくらいでは本当の差は分かりません。仮に「子供のうちはスキルで互角」が真実だったとしても、高校生くらいに取り返しがつかないくらい広がるスキルとホッケーIQとサイズの差などを縮める方法を考え付かない限りはほとんど無意味な情報です。

また、スキルでもチームプレーでも、体格ですら、日本人の弱点を克服することを避けて通ることは出来ません。スウェーデンもフィンランドも、自国選手の特長を生かしたホッケーで現状を打破しようなんて都合の良いことを言わず、自国の弱点克服に正面から取り組んだ結果、改革に成功しています。

というわけで、決定力をつける話にはまだまだ到達しませんが、自国のスポーツの未来を描き、改革を実行するために何が必要かを考えると、一番重要なのは現状の分析です。

次回は現状分析と未来の構築のために必要な情報処理について書きたいと思います。

それでは。

 

帰ってきた『決定力をつけるには?』-序章

ご無沙汰しておりました。

今年も4月から5月にかけて帰国し、東京、八戸、軽井沢でキャンプ、ワークショップを行ないました。参加者、企画者、そしてご協力いただいた皆様、ありがとうございました!

14303861_1238843479470428_1162712894_o

その後アメリカに戻り、オーストン・マシューズがドラフト一位指名となり大ブレークしたカルトスケーティングコーチ、ボリス・ドロジェンコのスケーティングキャンプでゴーリーを教えました。さらに7月にはフランソワ・アレールのチェコGKキャンプを手伝い、帰国後はJr. Coyotesのキャンプ、ノースダコタ州ファーゴでのゴーリーキャンプで指導しました。そして、カリフォルニア州ストックトンで、私の師匠の一人でもある元NHLシャークス、チャイナシャークスコーチのデレック・アイスラー氏のキャンプを手伝いました。こちらはゴーリーだけでなく、FW、DF含めた合宿形式キャンプのヘッドコーチだったので大忙しでした。バンタム(13-14歳)以上のグループ担当のヘッドコーチは昨年からNCAA D1入りしたアリゾナ州立大学のアシスタントコーチ。素晴らしいコーチ陣と仕事できて刺激になりました。8月の後半にはミネソタで再びボリスのキャンプの手伝い。このキャンプの企画者はショーン・ポディーン。ショーンも昨年私を通してボリスと出会い、すっかり信奉者になりました。そんな感じで忙しい春と夏を終え、Jr Coyotesは早くもシーズンが始まりました。

14114576_1225347050820071_420026485_o

こうして世界中でホッケーのシーズン開幕していますが、世界規模で大きなイベントと言えばホッケーワールドカップと2018年ピョンチャンオリンピック最終予選です。日本代表は世界ランキング上位のドイツ、ラトビア、オーストリアに敗れ、残念ながら出場権を逃してしまいました。旧ソ連の強豪国の一つラトビアに大接戦を演じるなど、非常に惜しい試合もあったのですが、3試合で1得点(事前の強化試合では4試合で4得点)では、現役NHLやKHL選手を擁するチーム相手に勝ち抜くことは出来ません。

やはり、日本の弱さは決定力不足なのか?

ソチオリンピックの後にも書きましたが、世界で戦うために…というか、一般論として、どのようなレベルでもホッケーチームとして成功するために、どのような方針でチーム、組織を構築していけば良いのか?決定力というキーワードから再び考えたいと思います。ボヘミアンコーチのブレーンストーミングのための妄想ですので、評論でも批評でもなく、何の影響力も持たないことを前提で、自由に気長に書かせていただくことをご了承ください。

まずは前回までの復習です。次のポストが書きあがるまで、ごゆるりとお読みください。

それでは。

決定力をつけるには?前編

決定力をつけるには?中編

決定力をつけるには?後編

決定力をつけるには?追補編1

決定力をつけるには?追補編2

 

 

5月21日(土)、22日(日)開催「軽井沢ゴールキーパークリニック2016」募集要項

*** 3月21日更新:軽井沢ゴールキーパークリニックは定員に達したため、受付終了します ***

長野県アイスホッケー連盟、信州アイスホッケースクールとHockey Lab Japan共催で、5月21日(土)、22日(日)に開催する「軽井沢ゴールキーパークリニック2016」の募集を開始しました。

例年キャンセル待ちが出ます。お早めにお申し込みください。デモンストレーターは日本代表、福藤豊選手です。

詳細はこちらの募集要項をご覧ください。
参加希望者は、こちらの軽井沢GKクリニック2016 申し込み用紙にご記入の上、下記に送信してください。

信州アイスホッケースクール
メール:shinshuicehockey@yahoo.co.jp
FAX:0267316294

11145049_955531077822821_4620559741973462279_n

2016年5月3-5日 Hockey Lab Japan ゴールキーパースクール@西武東大和スケートセンター募集開始!

2016年5月3-5日に西武東大和スケートセンターでHockey Lab Japan ゴールキーパースクールを開催します。
*4月12日更新:スクールは定員に達しました。この先申し込まれるGKはキャンセル待ちになります。
 *3月21日更新:小学生クラスはキャンセルになりました。小学生で中学生以上クラスに参加希望の方はお問い合わせください。
<日程>
5月3日(祝・火)、5月4日(祝・水)、5月5日(祝・木)
07:00 – 08:30(中学生以上クラス 氷上練習)
08:45­ – 09:45(中学生以上クラス ビデオ講習)
<開催場所>
東大和スケートセンター
〒207-0022
東京都東大和市 桜が丘1-1330-19
(042)566-6898
<内容>
北米、北欧の最新ゴールテンディング理論を、日本人の特性に合わせて改良した理論と練習法を、氷上練習、ビデオ講習を通して指導する。
<主催者、コーチ>
若林弘紀
2009年USA Hockey Level 5コーチングライセンス取得
Arizona Jr. Coyotes ゴールテンディングコーチ
Hockey Lab Japan 主宰
米国アリゾナ州法人 World Hockey Lab, LLC 代表
<デモンストレーター>
福藤豊
日光アイスバックス、日本代表
<対象>
競技歴1年以上のゴールキーパー
<定員>
24名
<参加費>
4月12日までに入金して頂いた場合
1名25,000円
4月12日以降に入金される場合
1名27,000円
*指導者で参加ご希望の場合はご相談ください。
*参加者全員をスクール期間中(2016年5月3-5日)のみをカバーする、損保ジャパン日本興亜提供のレクリエーション保障プランに加入することにしました。保険加入費用はHockey Lab Japanが負担いたします。詳細は後ほどお届けします。
参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.comまでメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。
  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のスクール名(2016年5月3-5日 Hockey Lab Japan ゴールキーパースクール@西武東大和スケートセンター)
  4. スクール開催時の学年
  5. スクール開催時の年齢
  6. 性別
  7. 参加クラス
    (A) 中学生以上クラス
    *一部日程のみでも参加可能です。小学生で中学生以上クラスに参加希望の方はお問い合わせください。
  8. 所属チームとポジション
  9. ホッケー歴(年数)
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  10. 郵便番号
  11. 住所
  12. PCメールアドレス
  13. 携帯メールアドレス(こちらからの返信を受信できるよう、必ずhockeylabjapan.comworldhockeylab.comドメインのメールを受信できるよう設定してください
  14. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  15. 保護者名
  16. 加入しているスポーツ傷害保険会社と番号
  17. 備考、質問等
Hockey Lab Japanの個人情報保護方針

2016年5月7-8日 Hockey Lab Japan ホッケーコーチングワークショップ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)募集開始!

2016年5月7-8日にテクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)でHockey Lab Japan ホッケーコーチングワークショップを開催します。
ホッケーコーチングワークショップはFW、DF、GKの育成のみを目的とした従来のホッケークリニックやスクールと異なり、指導者にも参加していただき、最新の知識を共有すると共に指導現場の課題を話し合い、さらに日本人の身体的・精神的特性に適したホッケーコーチング理論を開発する契機となることを目指しています。
各氷上練習は、年齢、ポジション、スキルなどのテーマ別に行います。各講義もテーマ毎に、参加コーチからの発表、コーチ間のディスカッションを交えて知識の共有と発展を図ります
*今年から、氷上講習をGKクラス、FW・DF各クラス1.5時間ずつ増加しました。
**また、指導者クラスだけでなく、GKクラス、FW・DFクラスでもビデオ講義を行います。
<2016 コーチングワークショップ日程>
5/7(土)
08:30-09:00 指導者受付
09:00-10:00 指導者講義
09:30-10:00 GK受付
10:15-11:45 氷上講習 GK基礎
12:00-13:00 各自昼食
13:15-14:15 GK講義
14:30-16:00 氷上講習 GK応用1
16:15-17:45 氷上講習 GK応用2
18:00-19:00 指導者講義
5/8(日)
09:00-10:00 指導者講義
09:30-10:00 FW、DF受付
10:15-11:45 氷上講習 FW、DFスキル、個人戦術1
12:00-13:00 各自昼食
13:15-14:15 FW、DF講義
14:30-16:00 氷上講習 FW、DFスキル、個人戦術2
16:15-17:45 氷上講習 FW、DFチーム戦術

開催場所:テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)
所在地:八戸市新井田西四丁目1-1
電話:0178-25-5655
インストラクター:若林弘紀(Arizona Jr. Coyotes、USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、他
デモンストレーター:畑享和(東北フリーブレイズ)
対象:対象:小学校高学年以上で競技歴2年以上のFW、DF、GKと、すべてのアイスホッケー指導者
ゴーリー定員:24名(3/18更新:GKクラスは定員に達しました。この先申し込まれるGKはキャンセル待ちになります)
FW、DF合計定員:36人
指導者定員:20名
参加費:4月21日までに入金して頂いた場合
ゴーリー:15,000円
FW、DF:15,000円
指導者:23,000円
4月21日以降に入金される場合
ゴーリー:17,000円
FW、DF:17,000円
指導者:25,000円
*指導者で7日か8日のみ参加ご希望の場合はご相談ください。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自ご加入ください。
参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.comまでメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。
  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(2016年5月7-8日 Hockey Lab Japan ホッケーコーチングワークショップ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク))
  4. クリニック開催時の学年
  5. クリニック開催時の年齢
  6. 性別
  7. 参加クラス
    (A) ゴーリー
    (B) FW、DF
    (C) 指導者(コーチ/GKコーチ)
  8. 所属チームとポジション
  9. ホッケー歴(年数)
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  10. 郵便番号
  11. 住所
  12. PCメールアドレス
  13. 携帯メールアドレス(こちらからの返信を受信できるよう、必ずhockeylabjapan.comドメインのメールを受信できるよう設定してください
  14. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  15. 保護者名
  16. 備考、質問等
Hockey Lab Japanの個人情報保護方針

ゆく年来る年2015

いやはや、ブログ放置しすぎてるうちに2015年が終わりそうです(アメリカ、アリゾナ州ではまだ年明けしてません)。

2015年はいろいろありました。

まず、2月、香港の旧正月に香港女子代表が地元香港で開催された世界選手権D2B予選を戦い、南アフリカを4-3で破って世界選手権史上初の勝利を挙げ、さらにブルガリアを下して準優勝を成し遂げました!コーチ人生長いですが、自分たちの手でゼロから作った代表チームが地元で行われた大会で勝利したのですから、これは感動しました。

2015 IIHF Ice Hockey Women's World Championship Div 2B Qualification on February 18-19 & 21st, 2015. At Mega Ice, MegaBox Hong Kong. Photo by Panda Man / Takumi Photography

2015 IIHF Ice Hockey Women’s World Championship Div 2B Qualification on February 18-19 & 21st, 2015. At Mega Ice, MegaBox Hong Kong. Photo by Panda Man / Takumi Photography

そして3月には2年間お世話になった香港を離れ、アメリカはアリゾナ州フェニックスに移住し、以前も教えていたアリゾナ・ジュニア・コヨーテズで指導を始めました。

5月には日本から5人のU14女子を連れ、イタリア・ボルツァーノで行われたWorld Selects Inviteの世界選抜チームの指揮をしました。ロシア、イタリア、アメリカ、カナダ、スイス、日本の即席混成チームでしたが、子供たちはすぐに打ち解け、大いに楽しんでました。

11990615_979455258763736_2200406840847676974_n

6月前半はカリスマスケーティングコーチBoris Drozhenkoのキャンプでゴーリーを指導。Borisは来年のNHLドラフトの全体一位指名確実と言われるAuston Matthewsを育てたコーチですので、彼の画期的スケーティングシステムは今後大注目されるでしょう。

6月後半はカリフォルニア州ストックトンでデレック・アイスラー主催のゴーリーキャンプを行い、その後日本に帰国して、すぐにチェコに向かいフランソワ・アレールのキャンプを手伝いました。ヨーロピアンゴーリーとシューターのレベル向上を目の当たりにし、非常に刺激になるキャンプでした。2016年もやりますので、日本からの参加をお待ちしています。

11013040_941282945914301_487066822702864232_n

チェコから帰ると、日本で軽井沢、東京、八戸、大阪でスクールを行いました。大勢の参加者に恵まれたスクールでした。今年は4月後半から5月に行う予定ですので、近日中に詳細を発表できるようにしますね。また、スクール開催希望の方はご連絡ください。

11145049_955531077822821_4620559741973462279_n

8月にはアメリカに戻り、ノースダコタ州ファーゴでゴーリーキャンプを行いました。アメリカで、こうして自分の名前でキャンプを開催できる場所が増えていくのは嬉しいことです。今年はもっと拡大できるようにしたいと思います。

9月からはジュニア・コヨーテズ、U18AAA、U12AA、さらに各チームのゴーリー指導を本格的に開始。毎日の指導に加えてロサンゼルス、デンバー、ミネソタ、セントルイスと遠征が続きました。

11月末には香港を再訪し、女子代表の指導。そのままブルガリアにて世界選手権D2B予選に再度挑みました。去年より明らかに戦力ダウンした陣容で心配はありましたが、結果再び2勝して準優勝。得点率、PP、PK、ゴールテンディングなど、ほとんどのスタッツを制しましたが、優勝まで2ゴール及びませんでした。

DSCN5831s

12月後半は再びBoris Drozhenkoのキャンプを手伝いました。このキャンプには、Borisの指導に魅せられたショーン・ポディーンが息子とチームメイトを連れてミネソタから参加。ミネソタの指導者がアリゾナのキャンプに学びに来る、という不思議な光景でしたが、これが普通に出来るのがアメリカの良いところです。

1660634_1073631489324962_8337023780163457060_n

そんな感じで2015年を終え、あと数時間で2016年です。2016年は2月にノルウェーに出張、3月と4月にも某国でキャンプの可能性があり、忙しくなりそうです。

また、2016年は現在行っているコーチング等のホッケー事業をアメリカで法人化し、より拡大していきたいと思います。日本のホッケープレーヤーが海外でキャンプやトーナメントに参加できる機会ももっと提供していきたいですね。ご希望や質問などありましたらお寄せください。

今年もたくさんの方にお世話になりました。ありがとうございます。
来年もよろしくお願いします。

それでは。

移民の歌

こちらでは大変ご無沙汰していました。
Facebookページでは随時情報発信してますので、チェックしてくださいね。

さて、私の近況はというと、2月18-21日に香港で行われる女子世界選手権D2B予選に向けて代表チームの準備を進めたり、その他普及プロジェクトの運営などで日々忙しくしております。女子世界選手権が行われる期間は、中華圏の本正月である旧正月。オープニングセレモニーでは、なんとリンク上で伝統の獅子舞が披露されるとの噂もあり、いろいろ楽しみです(笑)

初の女子代表監督、さらにユース育成プログラムマネージャーという素晴らしい経験をさせていただいている香港ですが、3月26日をもって離れることに決定しました。念願のアメリカ移民ビザ(永住権)を取得したためです。今までジュニアや大学チームからコーチの職が回って来そうになっても、どうしてもそこから先に進めなかった原因のひとつでもあった永住権。本当に長い道のりでしたが、運にも助けられ、やっと手にすることが出来ました。ホッケー大国アメリカに戻るということは、ホッケーコーチとして大きなチャンスですが、同時に、他のコーチとの競争率も激烈になるので、今まで以上に覚悟して挑まなければなりません。まずは仕事探しからはじめないと、、、

香港に居る間はなかなか日本に帰ってクリニックをする機会がありませんでしたが、アメリカ移住を機会に、夏の間日本でもクリニックを出来るようにしたいと考えています。まずは7月4-5日に某所でゴーリークリニックを企画していますので、詳細が分かり次第発表します。その後少し日本に残りクリニックなど行いたいので、希望者はご連絡ください。

また、6月21日からはチェコで行われるSports Eventsのインターナショナルキャンプ、続いて28日から行われるフランソワ・アレールのゴーリーキャンプにも参加予定です。日本から参加を考えている方はご連絡ください。

さらに、アジアから海外にホッケー留学を考えている子供たちをサポートする仕事も積極的に行いたいと思っています。こちらも興味がある方はご連絡ください。

環境が大きく変わる勝負の年になりますが、よりよいコーチになることが出来るように精進していきたいと思います。

それでは。