クリニック追加!4月21日 Hockey Lab Japan ホッケーセンスクリニック @ アクアピア (大阪・柏原)募集開始!

クリニック追加です。

プレーヤー10名以上、ゴーリー3名以上集まりましたので、無事開催決定いたしました。
ゴーリーインストラクターは、2013年国体大阪成年代表の米田憲司に決定しました。大学時代から数々のHLJゴーリークリニックでデモンストレーターを努めて、昨年10年以上のブランクを経て競技復帰、即大阪代表入りという実力派ですよ。
また、氷上練習の前にビデオ講義も行うことにしました。プレーヤー、ゴーリー共に引き続き募集中です。お早めにお申し込みください。

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4月21日 Hockey Lab Japan ホッケーセンスクリニック @ アクアピア
(大阪・柏原)募集開始!
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4月21日(日)に柏原アクアピアアイスアリーナでHockey Lab Japan ホッケーセンスクリニックを開催します。
どんなに速く滑れても、強いシュートが打てても、相手に対して、味方と共に、いつ、どのように動けばいいかを知らずしてホッケーは出来ません。日本人選手にもっとも欠けると言われる攻守のホッケーセンスを鍛えるクリニックです。

クリニック内容(予定)

<4月21日(日)>
17:30-受付
18:15-19:00 ビデオ講義
19:15-20:45 ホッケーセンスクリニック 1.5h
(ゴーリーは前半ゴーリー専門ドリルの後通常練習に参加します)

開催場所:アクアピア・アイスアリーナ
大阪府柏原市青谷80 TEL 072-979-0777 / FAX 072-979-008
インストラクター:若林弘紀(USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、米田憲司(ゴーリー専門インストラクター:2013年国体大阪成年代表)、他
対象:小学校高学年以上、ホッケー歴2年以上

ゴーリー定員:6名
スケーター定員:24名
参加費:4月8日までに入金して頂いた場合 6,000円、4月8日以降に入金される場合 7,000円

*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自ご加入ください。

参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.com)までメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。

  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(4月21日 Hockey Lab Japan ホッケーセンスクリニック @ アクアピア)
  4. クリニック開催時の学年
  5. クリニック開催時の年齢
  6. 性別
  7. ポジション(FW、DF、GK)
  8. 所属チーム
  9. ホッケー歴
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  10. 郵便番号
  11. 住所
  12. PCメールアドレス
  13. 携帯メールアドレス
  14. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  15. 保護者名
  16. 備考、質問等

Hockey Lab Japanの個人情報保護方針
http://www.hockeylabjapan.com/japanese/contact/privacy.htm

Hockey Lab Japan クリニック/ワークショップ募集状況

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5月11-12日 Hockey Lab Japan ゴールテンディングワークショップ @ テクノルアイスパーク新井田(八戸)

・ゴーリークラスは残り1名です!
・指導者クラスはまだ余裕があります。世界初かもしれない、、、あったとしても聞いたことがない、ゴーリー指導者が共に学び合うのためのワークショップです。志ある指導者のお申し込みお待ちしています!

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5月3-4日 Hockey Lab Japan ホッケークリニック @ アクアピア(大阪・柏原)
・GK枠は定員に達しました。新たに申し込まれる方はキャンセル待ちになります。
・プレーヤー枠は残りわずかです。お早めにお申し込みください。

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5月5-6日 Hockey Lab Japan ゴーリークリニック @ アクアピア(大阪・柏原)
・定員まであと1名です。お早めにお申し込みください。

お申し込み方法等についてはこちらのクリニックのページからご確認ください。

それでは。

世界の女子アイスホッケー (5) 番外編1

IIHFのウェブサイトにこんな記事が、、、

昨年の女子世界選手権トップデヴィジョンで、衝撃の3位入賞を果たしたスイス代表の立役者であるゴーリーFlorence Schelling。彼女はボストンにあるNCAA D1の名門Northeastern 大学で4年間プレーした後、大学に残って経済学の学位を取る傍ら(一応言っておきますが北米屈指の名門大学ですよ)、カナダ・ケベック州のモントリオールでインターンとして働き、さらにブランプトン(オンタリオ州)から、各国代表が集う女子シニアリーグの最高峰CWHLに参戦しています。ボストン、モントリオール、ブランプトンはそれぞれ1000km以上離れており、その3都市を駆け巡りながら勉強、仕事、練習、試合に励んでいるわけです。

彼女は4月にカナダで行われる世界選手権でプレーした後大学を卒業し、故郷のスイスに戻り男子のプロリーグでプレーしながらソチオリンピックに備えるそうです。

女子アイスホッケーを取り巻く厳しい環境は基本的に世界共通です。世界3位の国の正ゴーリーが、仕事、勉学と両立しながらより高いレベルでの競技を続けるために世界中を駆け回っているのです。

詳しい事情は知りませんが、これまでの彼女の道のりは、国や連盟やスポンサーが用意してくれたものでしょうか?おそらく違います。多くの助けがあったとしても、これは基本的に彼女一人で切り開いた道であり、その戦いはこの先も続きます。

世界レベルで戦うために、スポンサーや連盟の力による環境の向上も大事ですが、本当に重要なのは、選手一人一人が世界で戦う意志であり、競技しながら生きる道を模索する情熱であり、そのために必要なのは外向きのメンタリティです。

ちなみにこんなスーパー女子プレーヤーである彼女のボーイフレンドはNHL選手であることも知られており、私生活も手抜き無しです。いやはや、、、

それでは。

注:ソチオリンピック関連の記事等で当ブログの内容を二次利用される場合は、事前に若林弘紀までご連絡頂くようお願いします。

Congrats!

「そういえば、、、畑って新人だったんだ!」

と、思わせるほどの活躍振りでしたね。

畑選手とは、彼がたしか中学生の時に出会い、八戸工大一高の指導やフランソワ・アレールのクリニックを通して指導し、また多くのゴーリークリニックでデモンストレーターとして手伝って貰いました。

畑選手のデモを見たことがある人ならば、あの切れ味鋭いスケーティングと、フォロー、フリーズに絶対に手を抜かない集中力を憶えているはずです。ゴーリークリニックで、最終的に一番練習になっていたのは、デモをしにきた畑選手だったというのはよくある話でした(笑)

数多くのゴーリーの指導に関わってきましたが、受け売りや憧れや妄信ではなく、ゴーリー理論を自分で理解し、突き詰め、実践し続ける意志の力を持つゴーリーは数えるほどしか居ません。体格や環境に恵まれないと言って、多くの才能ある選手が消えていきますが、そのほとんどは単純に意志の力が不足しているだけです。畑選手にはその意志の力がありました。

また、彼が育つ過程で、釧路の佐々木コーチ、八戸の千葉コーチという優れたゴーリー指導者から、一貫した指導を受け続けてきたことも幸運でした。そして、関西大学に進学して、関東の強豪大学やアジアリーグチームと大舞台で戦ったことも、結果的に彼のポテンシャルを証明するために大きく役立ったようです。

アジアリーグ新人賞受賞おめでとう!
そして、これからもさらなる高みに向けて追求を続けてください!

最後にHLJクリニック募集状況です。

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5月3-4日 Hockey Lab Japan ホッケークリニック @ アクアピア
(大阪・柏原)
・GK枠は定員に達しました。新たに申し込まれる方はキャンセル待ちになります。
・プレーヤー枠は残り10名を切りました。お早めにお申し込みください。

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5月5-6日 Hockey Lab Japan ゴーリークリニック @ アクアピア
(大阪・柏原)
・定員まであと4名です。お早めにお申し込みください。

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5月11-12日 Hockey Lab Japan ゴールテンディングワークショップ @ テクノルアイスパーク新井田(八戸
・ゴーリークラスは残り10名。お早めにお申し込みください。
・指導者クラスはまだ余裕があります。日本初の指導者用ワークショップですので、お申し込みお待ちしています!

それでは。

5月11-12日 Hockey Lab Japan ゴールテンディングワークショップ @ テクノルアイスパーク新井田 (八戸)募集開始!

5月11-12日にテクノルアイスパーク新井田 (八戸)でHockey Lab Japan ゴールテンディングワークショップを開催します。

ゴールテンディングワークショップはゴーリーの育成のみを目的とした従来のゴーリークリニックやスクールと異なり、指導者にも参加していただき、最新の知識を共有すると共に指導現場の課題を話し合い、さらに日本人の身体的・精神的特性に適したゴールテンディング理論を開発する契機となることを目指しています。

各氷上練習は、スケーティング、リバウンドコントロールなどのテーマ別に行います。各講義もテーマ毎に、参加コーチからの発表、コーチ間のディスカッションを交えて知識の共有と発展を図ります。

ワークショップ内容(予定)

5/11(土)
講義 (1) 13:30-14:30 (指導者のみ)
氷上講習 (1) 15:00-16:30 スケーティング、基本セービング技術
講義/ディスカッション (2) 17:00-18:30 (指導者のみ)

5/12(日)
氷上講習 (2) 09:00-10:30 ゴーリー練習の組み立て方、リバウンドコントロール
講義/ディスカッション (3) 11:00-12:30 (指導者のみ)
氷上講習 (3) 13:00-14:30 ショートプレー、スクリーンショット等
陸上トレーニング (1) 15:00-16:00 ゴーリー専門陸上トレーニング

開催場所:テクノルアイスパーク新井田(新井田インドアリンク)
青森県八戸市新井田西四丁目1-1 TEL:0178-25-5655
インストラクター:若林弘紀(USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、他
対象:小学校高学年以上、競技歴2年以上のゴーリーと、すべてのアイスホッケー指導者
ゴーリー定員:24名
指導者定員:20名

参加費:
4月10日までに入金して頂いた場合 ゴーリー:12,000円、指導者:22,000円
4月11日以降に入金される場合 ゴーリー:15,000円、指導者:25,000円

*1日のみ参加ご希望の場合はご相談ください。
*ゴーリーは講義に参加できません。参加希望される場合は指導者としての参加費をいただきます。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自ご加入ください。

参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.com)までメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。

  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(5月11-12日 Hockey Lab Japan ゴールテンディングワークショップ @ テクノルアイスパーク新井田)
  4. クリニック開催時の学年
  5. クリニック開催時の年齢
  6. 性別
  7. 参加クラス GK、指導者(コーチ/GKコーチ)
  8. 所属チーム
  9. ホッケー歴
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  10. 郵便番号
  11. 住所
  12. PCメールアドレス
  13. 携帯メールアドレス
  14. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  15. 保護者名
  16. 備考、質問等

Hockey Lab Japanの個人情報保護方針
http://www.hockeylabjapan.com/japanese/contact/privacy.htm

5月5-6日 Hockey Lab Japan ゴーリークリニック @ アクアピア(大阪・柏原) 募集開始

HLJクリニック告知第2弾です!

5月3-4日のホッケークリニックのゴーリー枠はすでに定員に達してキャンセル待ちになっていますので、5-6日が空いている方はこちらにお申し込みください。

5月5-6日に柏原アクアピアアイスアリーナでHockey Lab Japan ゴーリークリニックを開催します。

クリニック内容(予定)

<5月5日>
16:30-17:15 受付
17:15-18:45 ビデオ講義 1.5h
19:15-20:45 ゴーリークリニック 1.5h (ゴーリーのみ)

<5月6日>
17:15-18:45 ビデオ講義または陸トレ 1.5h
19:15-20:45 ゴーリークリニック 1.5h (ゴーリーのみ)

開催場所:アクアピア・アイスアリーナ
大阪府柏原市青谷80 TEL 072-979-0777 / FAX 072-979-008
インストラクター:若林弘紀(USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、他
対象:小学校高学年以上、ゴーリー歴2年以上
ゴーリー定員:12名
参加費:4月1日までに入金して頂いた場合 12,000円/2日間、4月2日以降に入金される場合 14,000円/2日間

*1日のみ参加ご希望の場合はご相談ください。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自ご加入ください。

参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.com)までメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。

  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(5月5-6日 Hockey Lab Japan ゴーリークリニック @ アクアピア)
  4. クリニック開催時の学年
  5. クリニック開催時の年齢
  6. 性別
  7. ポジション(GK)
  8. 所属チーム
  9. ホッケー歴
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  10. 郵便番号
  11. 住所
  12. PCメールアドレス
  13. 携帯メールアドレス
  14. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  15. 保護者名
  16. 備考、質問等

Hockey Lab Japanの個人情報保護方針
http://www.hockeylabjapan.com/japanese/contact/privacy.htm

5月3-4日 Hockey Lab Japan ホッケークリニック @ アクアピア(大阪・柏原) 募集開始

5月3-4日に柏原アクアピアアイスアリーナでHockey Lab Japan ホッケークリニックを開催します。

クリニック内容(予定)

<5月3日>
12:30-13:30 ビデオ講義 1h
14:00-15:30 スケーティング&パックハンドリングクリニック 1.5h (ゴーリー除く)
15:45-17:15 複合スキル&スモールエリアゲーム 1.5h (プレーヤー&ゴーリー)
17:30-19:00 ゴーリークリニック 1.5h (ゴーリーのみ)

<5月4日>
12:30-13:30 ビデオ講義 1h
14:00-15:30 パックハンドリング&パス・レシーブクリニック 1.5h (ゴーリー除く)
15:45-17:15 シューティング&スモールエリアゲーム 1.5h (プレーヤー&ゴーリー)
17:30-19:00 ゴーリークリニック 1.5h (ゴーリーのみ)

開催場所:アクアピア・アイスアリーナ
大阪府柏原市青谷80 TEL 072-979-0777 / FAX 072-979-008
インストラクター:若林弘紀(USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、他
対象:小学校高学年以上、ホッケー歴2年以上
ゴーリー定員:8名
スケーター定員:30人
参加費:4月1日までに入金して頂いた場合 16,000円/2日間、4月2日以降に入金される場合 18,000円/2日間

*1日のみ参加ご希望の場合はご相談ください。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自ご加入ください。

参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.com)までメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。

  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(5月3-4日 Hockey Lab Japan ホッケークリニック @ アクアピア)
  4. クリニック開催時の学年
  5. クリニック開催時の年齢
  6. 性別
  7. ポジション(FW、DF、GK)
  8. 所属チーム
  9. ホッケー歴
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  10. 郵便番号
  11. 住所
  12. PCメールアドレス
  13. 携帯メールアドレス
  14. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  15. 保護者名
  16. 備考、質問等

Hockey Lab Japanの個人情報保護方針
http://www.hockeylabjapan.com/japanese/contact/privacy.htm

世界の女子アイスホッケー (4) 中国編

アメリカ編カナダ編ヨーロッパ編と、3回に渡り世界の女子アイスホッケー事情を紹介してきましたが、それらは基本的に競技人口を増やしながら、国内リーグや国際リーグを整備し安定した競技構造を確立して競技力向上を目指すという、正統派の方法論の下強化を進める国々の話でした。そして、世界最大、最強の国々でさえ、女子アイスホッケーのプロリーグは存在せず、代表選手達は本業や学業の傍ら競技を続けていることを紹介しました。

しかし、選手・スタッフ全員が女子アイスホッケーを事実上本業として、近年まで世界のトップクラスで戦ってきた国が唯一存在します。それは中国です。

アイスホッケー中国女子代表チームは1992年に女子世界選手権に初参戦以来、2000年代初期まで世界4-6位をキープし続けて、カナダ、アメリカに続く第二グループをフィンランド、スウェーデンと共に形成してきました。1998年の長野オリンピックではアメリカ、カナダ、フィンランドに続く第4位、2002年のソルトレークシティオリンピックでは7位、その後徐々にランクを下げ始め、2006年のトリノオリンピックは出場を逃したものの、2010年には日本代表に競り勝ってバンクーバーオリンピック出場を果たしました。その後は国家の支援体制が変わり、デヴィジョン1Bまで落ちてしまいましたが、近年日本に取って代わられるまで、アジアの女子アイスホッケーを牽引してきた存在でした。

中国女子の強化方法は他の共産主義の国々と同様、少数精鋭で徹底したエリート教育を行うものでした。2012年、中国の競技人口は若干610人で、女子はたった184人です。アイスホッケーは、近年北京などの都市圏で富裕層のスポーツとして急激に発展を遂げつつあるものの、依然として競技ホッケーの中心は東北のハルピン、チチハルにあり、男女の代表選手もほぼ全員がその二都市の出身です。

中国女子代表は一昔前までは常に旧ソ連系のコーチを招き、通年で合宿を行って強化して来たと言われますが、トリノオリンピック出場を逃した辺りから北米のコーチを招いて強化体制を変化させて来ました。私はアメリカのある女子強化キャンプで、2005-06年に中国代表を率いたRyan Stoneと共に教える機会があり、彼から中国代表の貴重な内幕を聞くことが出来ました。

Ryan曰く、

「中国の女子の競技ホッケーの正式なチームはほんの数チームしかない。代表の下部組織となる体育学校を卒業した時点で、代表チームに入るかどうか振り分けられ、代表になった時点で彼女たちはホッケーが仕事になり、朝から晩まで一年中ホッケー選手としてトレーニングすることになる。休暇は1年に1週間程度しかなく、全員が合宿所で共同生活をし、トレーニングをする。代表には15歳から29歳までの選手がいるが、いわゆる学校の一般的な教育は行われず、1日2~3回の氷上練習と陸上トレーニング、ミーティングが彼女たちの仕事になる。ミーティングでは毎回の練習をノートに書き写したかどうかが厳しくチェックされる、、、」

そして、選手とスタッフが暮らす代表選手の合宿所は、、、逃げられないように外から施錠されていたとのこと、、、それを知ったRyanが焦って

「そんなことして火事でも起きたらどーするんだ?」と、責任者に訊くと

「それは、、、その時考える」

と答えたとか、、、ヒエーッ!

うーん、まさに社会主義的選手育成方法です。そりゃ少数精鋭で強くなるわけです。しかし、練習量は十分すぎるとしても、実戦経験はどうするんだと思ったら、それは中国国内の男子(高校生くらい)のトーナメントに出場したり、中国男子代表のOBチームと試合を繰り返していたようです。

さらに、Ryanが率いた年には、チームごと1ヶ月間フィンランドに遠征して、フィンランドのトップリーグのチームと転戦したとのこと。その後中心選手数人はフィンランドに留まってシーズン終了までプレーしたそうです。

さらにカナダ人のSteve Carlyleに率いられた2007-08年には代表チームはカナダ・アルバータ州に渡り、セミプロリーグWestern Women’s Hockey Leagueに参戦しました。トリノオリンピック出場を逃した後、外国人監督を招き、代表チームごと他国の最強リーグに送り込んで実戦経験を積ませるという大胆な強化策はバンクーバーオリンピックに返り咲くことで実を結びました。

しかし、先に述べたように、その後中国女子代表は低迷。男子代表も一時期は女子と同様の強化体制で日本と良い勝負をしていた時代もありますが、今や韓国にも抜き去られてしまっています。中国はサッカー女子代表も一時期世界のトップグループでしたが、その後低迷しています。共産主義的な強化体制の下では、対費用効果の高い個人競技の強化が優先されています。20人を強化してもメダル一つにしかカウントされない競技は、国際的な普及度が低く、トップグループで競り合えるうちは強化資金が出ても、他国の競技力が上がりメダルに手が届かなくなってきた時点で見切りを付けられたのかも知れません。

競技人口が少なくまともなプロリーグが存在しないマイナースポーツでは、少数精鋭で集中的に投資して強化した方が、底辺拡大して大きな競技ピラミッドを構築するよりも短期間で効果が出やすいとことは、共産主義国家のスポーツの歴史で証明されています。また、アメリカのNTDP代表育成プログラムもU17、U18の通年代表を編成しているという点では似たような方法論を取り入れており、ここでも近年抜群の効果が上がっています。

しかし、やはりある程度の普及や育成プログラム(feeder program)を作らないと、長期的な成功に導くことは難しく、国家や企業のスポンサーが手を引いてしまった時点で、その競技の発展がなくなり、終焉に向かいます。

その国の経済力や競技施設のインフラに見合った競技人口を維持し続け、効果的な育成が出来る競技構造を構築し、その頂点にはしっかりと投資して強化する、、、言うのは簡単ですが、多くの人の理解とサポートが必要であり、非常に難しい課題です。

昨年IIHFの理事会で、アジア代表の副会長として香港のThomas Wu氏が選出されました。彼のアジアのアイスホッケー発展ビジョンの中心には中国アイスホッケーの再興とビジネス化があると聞いています。また、欧米のホッケービジネスは、新たなマーケットとして中国に注目していることも間違いありません。低迷する中国女子代表が再び輝くときが訪れるのでしょうか?

それにしても中国代表選手達、一般的な教育も受けずに育って、引退後はどうなるのかと思ったら、

「男子も女子も、代表選手は引退後警察での仕事が保証されている」

とのことです、、、うーん、ホッケーが上手かった時点で将来は警察官なんですね、、、ただし近年では代表を努めた選手には奨学金を出してレベルの高い大学に進学させたり、ホッケーコーチとして香港に派遣させたりするなど、それなりの「ご褒美」も出すようになっているようです。

そして、Ryanがハルピンで代表を教えていた頃、私は日光バックスのコーチをしており、遠征でハルピンに来ていました、、、なんとその試合(対ハルピン戦)をRyanはスタンドから観ていたらしく、

「なんかねー、、、速いんだけどパスレシーブが雑で、あまり上手いホッケーではなかった」

との感想が記されていました、、、そうですか、、、スミマセン(汗)

それでは。

注:ソチオリンピック関連の記事等で当ブログの内容を二次利用される場合は、事前に若林弘紀までご連絡頂くようお願いします。

「軽井沢スプリング・アイスホッケースクール」ゲストコーチ参加のお知らせ

長野オリンピック日本代表コーチ、清野勝氏が企画されている「軽井沢スプリング・アイスホッケースクール」のゲストコーチとして、4/13(土)-14(日)のクラスに参加させて頂くことになりました(ゴーリーコーチとしてではなく、氷上練習全体を指導します)。私は2日間の参加ですが、スクールは4/13-14、20-21、5/11-12、18-19の4週末に渡って開催されます。清野氏を始めとした一流コーチ陣をはじめ、長野県出身のアジアリーガー等もデモンストレーターとして参加予定です。

参加対象は長野県と北陸三県(新潟、富山、石川)の小学校高学年+中学1年生(Aクラス)と、小学校低学年(Bクラス)ですが、ビジター枠もあるようです。

日程、参加費等詳細については以下の開催要項をご覧の上、主催者にお問い合わせください。

軽井沢スプリング・アイスホッケースクール開催要項:Karuizawa_School_2013

久しぶりに日本の子供達に教えることになるので楽しみです。他地域でもホッケースクールの開催、ゲストコーチなどの要望がありましたら早めにお知らせください。

hiroki@hockeylabjapan.com

それでは。

世界の女子アイスホッケー (3) ヨーロッパ編

その昔、私が筑波大学に行っていた頃、、、たまに大阪の実家に帰って来てなじみの散髪屋さんに行く度に、散髪屋のおばちゃんに、

「若林君はあれか、東京の大学行ってるんやろ?」

と、言われたものです。そしてその度に、

「いや、筑波大は茨城県やから!」

と、突っ込んでもなお、帰り際には、

「東京の暮らしは大変やと思うけど頑張りや!」

と、励まして貰ったものです。おばちゃんにとって「関東の辺りはだいたい全部東京」であったように、私たちは全ての海外事情はだいたい「向こうのこと」であり、具体的にはだいたい「欧米のこと」をイメージして語っているようです。かく言う私も、その昔、無謀にもホッケーコーチとして世界に出て勝負してみようと思いついたとき、「向こうに行けば、何とかなる。ホッケーといえばカナダだから、とりあえずカナダとか!」と、極めて単純に行き先を決めたものです。それで本当に行けてしまったのが幸運だったのか運の尽きだったのかは未だに分かりませんが、実際カナダでコーチとして仕事を始めて、実は自分は「向こうのこと」についてあまりにも知らなかったことを思い知らされました。

「カナダのホッケーは、ダンプ&チェイスでフィジカルに行って、とにかくシュート打ちまくる」

なんていうステレオタイプは、もちろん正しい場合もあるのですが、カナダは広く、地域によってもプレースタイルが異なります。さらに星の数ほど居る優秀なコーチ達はそれぞれの理想とするホッケーを掲げて日々戦っていますから、それこそコーチの数だけスタイルは存在します。それはアメリカでも同様でした。私はヨーロッパのホッケーに関しての知見はまだまだ不足していますが、少なくとも今まで訪れた国々のホッケーはそれぞれ特徴的で、簡単に「日本人に合っているのはヨーロッパスタイル」なんて標榜するのは不可能だと感じています。

世界の女子アイスホッケー (1) アメリカ編(2) カナダ編と、「さすが向こうでは女子ホッケーの環境が全然違う!日本は少ない競技人口で選手がバイトしながら、、、」と、特にアメリカ編では誰もが納得できるほど贅沢な環境を紹介しましたが、実は北米以外の「向こう」の環境は大違いです。

1990年に第1回女子アイスホッケーの世界選手権から2000年まで10年にわたり、カナダ、アメリカ、フィンランドの順位は不変でした。その間唯一の例外は、1998年に初採用となった長野オリンピックで下馬評を覆してアメリカが優勝した事件だけでした。また、4番手と5番手はスウェーデンと中国というのが定番でした。

2001年に、男子ではホッケー超大国であったロシアがついに初めて3位に食い込み、2005年にはスウェーデンが3位になり、翌年のトリノオリンピックではなんとスウェーデンが準決勝でアメリカを破り準優勝に輝き、2007年にも世界選手権で再び3位になるなど、躍進を果たしました。

その後2008-11年まではフィンランドが再浮上してスウェーデンとの3位争いを制していたのですが、昨年ついにスイスがフィンランドを破り世界3位となりました。またチェコがトップリーグに昇格して、男子と同様カナダ、アメリカ、ロシア、フィンランド、スウェーデン、チェコのビッグ6と呼ばれるホッケー超大国が女子のトップデヴィジョンに揃いました。

以上、女子ホッケーの歴史を紐解くと、プロが存在しない女子ホッケーでは、競技人口と、大学での育成環境が突出した北米二国がトップを独走し、フィンランド、スウェーデンの北欧二国が長く3位争いを続けてきたことが分かります。

フィンランド、スウェーデンの女子リーグはカナダのCWHL同様、セミプロもしくはアマチュアに近い環境であり、スポンサーからの補助で運営するものの、ホッケー漬けの生活を送れるわけではなく、給料は出ません。両リーグともに2-3名の外国人選手枠があり、NCAA D1などでプレーを終えた選手や、ヨーロッパ各国のトップ選手がプレーする場となっていますが、交通費や生活費の補助、教育や就職の斡旋などは行うものの、報酬はないようです。

北欧二カ国に続くスイス、ドイツ、ロシア、オーストリア、イタリア、イギリス、チェコなども基本的な環境は変わらず、自国の選手はアマチュアとして勉強や仕事をしながらプレーしています。外国人助っ人は交通費や生活費の補助の他、チームから紹介されたアルバイト的な仕事、例えば少年ホッケーチームの指導補助や、ホームステイ先の子守などで生計を立てられるようにしているチームもあります。さらにロシアなどで潤沢なスポンサーを持つチームは、外国人選手にそれなりの給料が支払われる場合もあるようで、この場合チームとしてはプロでなくても選手は一部プロということになります。

また、日本と共に最終予選を勝ち抜いたドイツ女子代表では、軍がスポーツをサポートする制度があり、中心選手たちは軍から給与を貰いながら競技に集中できるようです。しかし、女子トップリーグのほとんどのチームは週一回の練習しか出来ず、しかも1/3面しか使えないときもあるということですので、恵まれていない競技環境は日本の女子だけではありません。ちなみに競技人口は世界3位のフィンランドが約4,000人で、その次のスウェーデンが約3,500人、続いて日本が約2,700人ですので、北米二カ国を除けば大差ないということです。

このように、ヨーロッパの女子ホッケー全般に、潤沢なスポンサーが付き、選手がホッケーだけに専念できるような環境はほとんどなく、選手は仕事や学校に勤しみながら、週2-3回の練習と試合をこなしています。

おそらく日本と大きく違うのは女子ホッケーの競技構造がある程度確立しており、国内外でのリーグ戦が多く組まれていることでしょう。各国国内リーグでは差が付く試合もあるようですが、国際リーグであるElite Women’s Hockey League (ラトビア、オーストリア、イタリア、ハンガリーが参戦)やEuropean Women’s Champions Cup(欧州各国の国内チャンピオンチームが参戦)では接戦が多く、何よりも世界選手権やオリンピック予選に通じる国際経験を積む場として機能しています。

しかし、やはり近年ヨーロッパ各国女子ホッケー選手のトップ選手が目指すのはやはりアメリカNCAA D1もしくはD3であり、NCAAを終えた各国のトップ選手が集うのは、やはり北米のCWHLとなっています。ヨーロッパ各国のリーグは、NCAA D1の経験を持つが代表クラスとまではいかなかったアメリカ、カナダ人選手が助っ人としてやってくる場になりつつあります。この辺は男子のNHLとヨーロッパ各国リーグの図式と近くなってきていますね。

3回に渡り、私が調べた限りの世界の女子アイスホッケー事情を紹介しました。アメリカNCAA D1が世界最高の競技環境であることは明白ですが、その後の女子ホッケー選手の競技キャリアを支えていけるようなプロのリーグは世界に存在しません。ヨーロッパのリーグで助っ人して活躍する限られたプロ選手以外は、ほとんどの国の代表選手が仕事を持ち、学校に行きながらオリンピックを目指しています。

現実的に、NCAA D1のような競技環境を望むのは無理がありますが、かつての日本女子サッカーLリーグに世界のトップレベル選手が集ったように、セミプロ的でも生きていけるリーグがあれば世界のタレントが集まり、レベルの高いリーグで国内選手を育成することもできるでしょう。もちろんLリーグが消滅してなでしこリーグに生まれ変わる過程もじゅうぶん参考にする必要もありますが、そのなでしこも、結局競技レベルを上げるために再び国際化が求められています。

このまま北米圧倒的優位の時代が続くのか?それとも女子リーグのセミプロ化を成し遂げ、第三の勢力となる国が現れるのか?これもKHLあたりがスッと手を伸ばして実現しちゃいそうですが、日本も工夫次第でじゅうぶんチャンスはあると思います。オリンピック出場が決まったばかりですが、私は今後4年間の方がはるかに楽しみですね。

それでは。

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