「軽井沢スプリング・アイスホッケースクール」ゲストコーチ参加のお知らせ

長野オリンピック日本代表コーチ、清野勝氏が企画されている「軽井沢スプリング・アイスホッケースクール」のゲストコーチとして、4/13(土)-14(日)のクラスに参加させて頂くことになりました(ゴーリーコーチとしてではなく、氷上練習全体を指導します)。私は2日間の参加ですが、スクールは4/13-14、20-21、5/11-12、18-19の4週末に渡って開催されます。清野氏を始めとした一流コーチ陣をはじめ、長野県出身のアジアリーガー等もデモンストレーターとして参加予定です。

参加対象は長野県と北陸三県(新潟、富山、石川)の小学校高学年+中学1年生(Aクラス)と、小学校低学年(Bクラス)ですが、ビジター枠もあるようです。

日程、参加費等詳細については以下の開催要項をご覧の上、主催者にお問い合わせください。

軽井沢スプリング・アイスホッケースクール開催要項:Karuizawa_School_2013

久しぶりに日本の子供達に教えることになるので楽しみです。他地域でもホッケースクールの開催、ゲストコーチなどの要望がありましたら早めにお知らせください。

hiroki@hockeylabjapan.com

それでは。

世界の女子アイスホッケー (3) ヨーロッパ編

その昔、私が筑波大学に行っていた頃、、、たまに大阪の実家に帰って来てなじみの散髪屋さんに行く度に、散髪屋のおばちゃんに、

「若林君はあれか、東京の大学行ってるんやろ?」

と、言われたものです。そしてその度に、

「いや、筑波大は茨城県やから!」

と、突っ込んでもなお、帰り際には、

「東京の暮らしは大変やと思うけど頑張りや!」

と、励まして貰ったものです。おばちゃんにとって「関東の辺りはだいたい全部東京」であったように、私たちは全ての海外事情はだいたい「向こうのこと」であり、具体的にはだいたい「欧米のこと」をイメージして語っているようです。かく言う私も、その昔、無謀にもホッケーコーチとして世界に出て勝負してみようと思いついたとき、「向こうに行けば、何とかなる。ホッケーといえばカナダだから、とりあえずカナダとか!」と、極めて単純に行き先を決めたものです。それで本当に行けてしまったのが幸運だったのか運の尽きだったのかは未だに分かりませんが、実際カナダでコーチとして仕事を始めて、実は自分は「向こうのこと」についてあまりにも知らなかったことを思い知らされました。

「カナダのホッケーは、ダンプ&チェイスでフィジカルに行って、とにかくシュート打ちまくる」

なんていうステレオタイプは、もちろん正しい場合もあるのですが、カナダは広く、地域によってもプレースタイルが異なります。さらに星の数ほど居る優秀なコーチ達はそれぞれの理想とするホッケーを掲げて日々戦っていますから、それこそコーチの数だけスタイルは存在します。それはアメリカでも同様でした。私はヨーロッパのホッケーに関しての知見はまだまだ不足していますが、少なくとも今まで訪れた国々のホッケーはそれぞれ特徴的で、簡単に「日本人に合っているのはヨーロッパスタイル」なんて標榜するのは不可能だと感じています。

世界の女子アイスホッケー (1) アメリカ編(2) カナダ編と、「さすが向こうでは女子ホッケーの環境が全然違う!日本は少ない競技人口で選手がバイトしながら、、、」と、特にアメリカ編では誰もが納得できるほど贅沢な環境を紹介しましたが、実は北米以外の「向こう」の環境は大違いです。

1990年に第1回女子アイスホッケーの世界選手権から2000年まで10年にわたり、カナダ、アメリカ、フィンランドの順位は不変でした。その間唯一の例外は、1998年に初採用となった長野オリンピックで下馬評を覆してアメリカが優勝した事件だけでした。また、4番手と5番手はスウェーデンと中国というのが定番でした。

2001年に、男子ではホッケー超大国であったロシアがついに初めて3位に食い込み、2005年にはスウェーデンが3位になり、翌年のトリノオリンピックではなんとスウェーデンが準決勝でアメリカを破り準優勝に輝き、2007年にも世界選手権で再び3位になるなど、躍進を果たしました。

その後2008-11年まではフィンランドが再浮上してスウェーデンとの3位争いを制していたのですが、昨年ついにスイスがフィンランドを破り世界3位となりました。またチェコがトップリーグに昇格して、男子と同様カナダ、アメリカ、ロシア、フィンランド、スウェーデン、チェコのビッグ6と呼ばれるホッケー超大国が女子のトップデヴィジョンに揃いました。

以上、女子ホッケーの歴史を紐解くと、プロが存在しない女子ホッケーでは、競技人口と、大学での育成環境が突出した北米二国がトップを独走し、フィンランド、スウェーデンの北欧二国が長く3位争いを続けてきたことが分かります。

フィンランド、スウェーデンの女子リーグはカナダのCWHL同様、セミプロもしくはアマチュアに近い環境であり、スポンサーからの補助で運営するものの、ホッケー漬けの生活を送れるわけではなく、給料は出ません。両リーグともに2-3名の外国人選手枠があり、NCAA D1などでプレーを終えた選手や、ヨーロッパ各国のトップ選手がプレーする場となっていますが、交通費や生活費の補助、教育や就職の斡旋などは行うものの、報酬はないようです。

北欧二カ国に続くスイス、ドイツ、ロシア、オーストリア、イタリア、イギリス、チェコなども基本的な環境は変わらず、自国の選手はアマチュアとして勉強や仕事をしながらプレーしています。外国人助っ人は交通費や生活費の補助の他、チームから紹介されたアルバイト的な仕事、例えば少年ホッケーチームの指導補助や、ホームステイ先の子守などで生計を立てられるようにしているチームもあります。さらにロシアなどで潤沢なスポンサーを持つチームは、外国人選手にそれなりの給料が支払われる場合もあるようで、この場合チームとしてはプロでなくても選手は一部プロということになります。

また、日本と共に最終予選を勝ち抜いたドイツ女子代表では、軍がスポーツをサポートする制度があり、中心選手たちは軍から給与を貰いながら競技に集中できるようです。しかし、女子トップリーグのほとんどのチームは週一回の練習しか出来ず、しかも1/3面しか使えないときもあるということですので、恵まれていない競技環境は日本の女子だけではありません。ちなみに競技人口は世界3位のフィンランドが約4,000人で、その次のスウェーデンが約3,500人、続いて日本が約2,700人ですので、北米二カ国を除けば大差ないということです。

このように、ヨーロッパの女子ホッケー全般に、潤沢なスポンサーが付き、選手がホッケーだけに専念できるような環境はほとんどなく、選手は仕事や学校に勤しみながら、週2-3回の練習と試合をこなしています。

おそらく日本と大きく違うのは女子ホッケーの競技構造がある程度確立しており、国内外でのリーグ戦が多く組まれていることでしょう。各国国内リーグでは差が付く試合もあるようですが、国際リーグであるElite Women’s Hockey League (ラトビア、オーストリア、イタリア、ハンガリーが参戦)やEuropean Women’s Champions Cup(欧州各国の国内チャンピオンチームが参戦)では接戦が多く、何よりも世界選手権やオリンピック予選に通じる国際経験を積む場として機能しています。

しかし、やはり近年ヨーロッパ各国女子ホッケー選手のトップ選手が目指すのはやはりアメリカNCAA D1もしくはD3であり、NCAAを終えた各国のトップ選手が集うのは、やはり北米のCWHLとなっています。ヨーロッパ各国のリーグは、NCAA D1の経験を持つが代表クラスとまではいかなかったアメリカ、カナダ人選手が助っ人としてやってくる場になりつつあります。この辺は男子のNHLとヨーロッパ各国リーグの図式と近くなってきていますね。

3回に渡り、私が調べた限りの世界の女子アイスホッケー事情を紹介しました。アメリカNCAA D1が世界最高の競技環境であることは明白ですが、その後の女子ホッケー選手の競技キャリアを支えていけるようなプロのリーグは世界に存在しません。ヨーロッパのリーグで助っ人して活躍する限られたプロ選手以外は、ほとんどの国の代表選手が仕事を持ち、学校に行きながらオリンピックを目指しています。

現実的に、NCAA D1のような競技環境を望むのは無理がありますが、かつての日本女子サッカーLリーグに世界のトップレベル選手が集ったように、セミプロ的でも生きていけるリーグがあれば世界のタレントが集まり、レベルの高いリーグで国内選手を育成することもできるでしょう。もちろんLリーグが消滅してなでしこリーグに生まれ変わる過程もじゅうぶん参考にする必要もありますが、そのなでしこも、結局競技レベルを上げるために再び国際化が求められています。

このまま北米圧倒的優位の時代が続くのか?それとも女子リーグのセミプロ化を成し遂げ、第三の勢力となる国が現れるのか?これもKHLあたりがスッと手を伸ばして実現しちゃいそうですが、日本も工夫次第でじゅうぶんチャンスはあると思います。オリンピック出場が決まったばかりですが、私は今後4年間の方がはるかに楽しみですね。

それでは。

注:ソチオリンピック関連の記事等で当ブログの内容を二次利用される場合は、事前に若林弘紀までご連絡頂くようお願いします。

世界の女子アイスホッケー (2) カナダ編

まずはコメントへの返信から。

ICEMANさん>

まぁ、、、アメリカの大学ホッケーというか大学スポーツ全般があまりにも巨大なビジネスとして成り立っているので、ちょっとやそっとで追いつける代物ではありません。プロが存在する競技ならまだしも、女子ホッケーのように実質的なプロがない分野では特に顕著です。しかし、実はアメリカと、カナダ以外の国々では、日本も含めて女子ホッケーの環境はあまり変わりません。日本で一時期盛んだった実業団スポーツのような形式にプロ的な運営を取り入れて、セミプロとしてでも食っていける仕組みを作れば世界のトップ4に食い込む余地は十分あると思いますよ。

さて、アメリカが世界最高の女子ホッケーリーグをもつ一方、カナダは女子代表の実力で世界最強です。過去4回のオリンピックでは、長野でアメリカに惜敗したものの、その後3連覇中、世界選手権でも1990年以来14回中10回優勝。しかし追うアメリカは2005年の初優勝以降4回世界の頂点に立ち(その間カナダは2回)、さらに2008年から新設されたU18世界選手権ではアメリカ3回、カナダ2回優勝ですので、今後実力逆転の可能性も十分感じさせます。

ホッケーの母国カナダは617,107人と、圧倒的な競技人口を誇り(2位はアメリカで511,178人)、女子の競技人口も86,675人とダントツです(2位アメリカ66,692人)。全体の競技人口第3位がチェコの95,090人で、女子3位がフィンランドの3,945人ですので、男女ともに北米の競技人口がいかに世界で突出しているか分かります(世界のホッケー人口の3分の2が北米に偏在)。ちなみに日本は競技人口19,975人で世界9位、女子は2,720人で世界5位ですので、数だけ見れば意外とホッケー大国です。(以上 IIHF 2012 Survey of Players より

さて、カナダの女子ユースホッケーがアメリカ以上に盛んなのは説明するまでもないことですが、18歳までのユースホッケーを終えると、トップレベルの選手はアメリカの大学ホッケーにごっそりと流出します。ですから、ほとんどのカナダ女子代表選手はNCAA D1所属か、卒業生で占められています。カナダにもアメリカNCAAに相当するCISという大学スポーツ組織が存在し、スポーツ奨学金の制度もあるのですが、やはり大学そのもののレベルや資金・環境面などでアメリカに対抗できるはずはなく、CISでプレーする代表選手は非常に限られています。せっかくユースホッケーで育てたタレントがライバル国に流出し、大学リーグのレベルを最高に高めてしまうわけですから、カナダとしては歯がゆいことかも知れませんが、あ、これはNHLも似たような図式ですね。

とはいえ、CISのレベルも決して低いわけではなく、ドイツ、ノルウェーの現役代表選手、日本の元代表選手(桐渕絵理:Carlton University)等もプレーしていて、NCAA D1の中堅から下位の力を保っています。

さて、アメリカ編でも書いたように、世界の女子ホッケーの直面する最大の課題はNCAA D1という世界最高峰リーグでプレーした後、代表選手達が高いレベルでプレーをし続ける環境が不足しているということです。社会人になった後もできるだけプロに近い環境で、トップレベルのホッケーを続けられるように、北米では女子のセミプロリーグが過去に何回も創設されていますが、いずれも十分な成功を得られないまま消滅しています。

現在もカナダとアメリカの一部の都市で、大学卒業後のエリート選手の受け皿としてCWHL(Canadian Women’s Hockey League) が運営されています。カナダ、アメリカその他の国々の代表選手が集うこのリーグですが、セミプロと謳うものの運営費以外は基本的に選手の自腹で、用具も選手自身が購入しているようです。NHLチームとの部分的提携などもされているようですが、チームに年間$30,000じゃあねぇ、、、

ではカナダのトップレベル社会人選手達がどうやって生きているかというと、、、ほとんどがフルタイムの仕事をしながら週数回の練習と遠征でホッケーを続けているのが現状です。JOC強化指定選手同様、Meghan Agostaのようにトップクラスの代表選手はカナダのオリンピック委員会から強化費を支給されているようですが「アパート代にもならないくらい」だそうで、NIKEからのスポンサー料、ホッケーキャンプでの指導料などで生計を立てているそうです。このような環境は、アメリカのトップレベル社会人選手であっても同様です。まぁもちろん合宿費に自己負担金があるなんてことはないですが。女子ホッケー界で完全なプロとして生きるためには、現時点ではNCAAかCISのコーチになるしかありません。

というわけで、北米では、圧倒的な競技人口を背景に数多くのタレントが生み出され、NCAAという世界最高リーグのプロ並みの環境でプレーし、世界の女子アイスホッケー界をリードしていますが、その他の女子団体球技と同様に、大学卒業後にトップレベルの選手が競技に専念して生活していけるプロの環境はなく、代表選手ですら仕事をしながらプレーを続けています。つまり、日本の女子の環境とそれほど差があるわけではありません。もちろん就業形態がかなり異なるので、日々の練習や遠征に時間を取りやすいという差はあると思われますが。

次回はヨーロッパ編です。

それでは。

注:ソチオリンピック関連の記事等で当ブログの内容を二次利用される場合は、事前に若林弘紀までご連絡頂くようお願いします。

世界の女子アイスホッケー (1) アメリカ編

”Hockey is Canada, Canada is hockey!”

「(アイス)ホッケーと言えばカナダ、カナダと言えばホッケー!」

なんていう標語があるくらいですが、女子(アイス)ホッケーと言えば、誰が何と言おうとそれは「アメリカ」なのです。

女子ホッケーの歴史上、オリンピック、世界選手権、U18世界選手権の全ての大会で、これまで優勝したことがあるのはカナダとアメリカのみ、他に決勝進出を果たしたことがあるのはトリノオリンピックでのスウェーデンだけ、、、というくらい圧倒的な実力を誇る両大国。もちろん男子ホッケー同様カナダはタレントの宝庫であり、数々のスーパースターを生み出しています。しかし、女子ホッケーの世界最強リーグは今も昔もNCAA Division 1(アメリカ大学ホッケー1部リーグ)であることは疑いようのない事実であり、今では世界中の代表選手が集う「女子ホッケーのNHL」となっています。

NCAA D1がどのくらい凄いかというと、全てのチームはプロのコーチ(最低3人)が指導しており、その他用具係、トレーナー、メンタルトレーナー、チームドクター、栄養士などなどプロチーム同様のスタッフが常駐。防具は基本的に大学から支給、シーズン中はほぼ毎日練習、毎週末試合、遠征の旅費その他、活動費は全部タダ!さらに優秀な選手は奨学金で学費が全額~一部免除、雑費用のお小遣いまでもらえる人も居ます。当然男子ホッケー同様立派なアリーナで練習、試合が行われ、アリーナには女子チーム専用でプロ並みのロッカールームが付いてます。ちなみに女子D1の最強チームの一つであるミネソタ大学には、、、3,400人収容の女子専用アリーナがあります。ここ、昨年行きましたが、はっきり言ってアジアリーグが可哀想になるくらいの素晴らしいアリーナでした。

当然のことながらNCAA D1は、学業の方でも有名な大学ばかりで、学費もとんでもなく高いので、例えばハーバードで奨学金貰って最高の環境でホッケーできるって言われたら(注:ハーバードのようにアイビーリーグの大学に限ってはD1でもスポーツ奨学金は出ません。しかし学業成績が良ければ奨学金が出ます)、そりゃ親は必死になってホッケーと勉強の両立を目指させるでしょう。そんなわけで、アメリカの女子ホッケーからは、ハーバード大卒、オリンピック2回出場、現在ボストン大法科大学院で学びながらCWHL(後述:カナダのセミプロリーグ)でプレーするみたいな人材がどんどん生まれます。この事実だけでもアメリカ女子ホッケーの人材力のすごさが分かります。ちなみにホッケーでD1の下の2部に当たるD3の競技環境でもかなりのもので、私もその昔D3の大学女子チームで教えてましたが、専用リンク・ロッカールームは当たり前、コーチも(ヘッドコーチだけですが)フルタイムでした。

他の国々では男子プロホッケーですら実現し得ないような競技環境ですが、実はアメリカでは女子ホッケーに限らず、女子サッカーも女子バスケも、すべてのNCAAスポーツが「男子と同様の環境を持つことが出来る」いや、「男子と同様の環境を持たなければならない」とする「タイトル9」という法律の下に整備された結果、女子スポーツが世界一盛んになりました。

“No person in the United States shall, on the basis of sex, be excluded from participation in, be denied the benefits of, or be subjected to discrimination under any education program or activity receiving federal financial assistance”
– Title IX

このように、タイトル9は「公金の補助を受けている教育機関においては、男女が性別によって差別されず等しく同じ環境で教育を受けられなければならない」と謳っており、例えば、体育会スポーツ参加人数は学校の男女比と等しくなければならないし、男女のスポーツにかける予算は等しくなければいけないし、女子ホッケーチームの練習時間だけが深夜や早朝になるとかは許されないし、女子ホッケーチームの監督は男子ホッケーチームの監督と同じレベルの給料を貰う権利がある、、、という解釈になります。ちなみにNCAA D1ホッケーの監督は初任給が6-8万ドル(700-900万円)くらいだとか。スゲー!

そして、大学が男女の環境を等しく整備していないと判断されると、タイトル9違反の勧告を受けます。例えばMerrimack大学のように、「ホッケーの盛んな地域でD1の男子ホッケーはあるのにD1女子ホッケーがないのはおかしい!」とされて、女子ホッケープログラムを新設することになります。

こうして世界最高の大学ホッケー環境を構築したアメリカ女子ホッケー、当然そこを目指す女子ユースホッケー/高校ホッケーは非常に盛んです。女子ユースホッケーはU12、U14、U16、U19のTier 1 (AAA) とTier II (AA) に分かれて行われており、ミネソタなどでは高校、プレップスクールでも女子ホッケーが盛んです。ユースホッケーと大学ホッケーの間を埋めるジュニアホッケーの女子リーグも近年広まりつつあります。先のタイトル9によって、男子とほぼ同数のD1チームが存在するのに、競技人口は男子約44万人で女子が6万7千人ですから、D1でプレーできる確率は女子の方がはるかに高く、その影響からかカリフォルニアなどの新興ホッケー地域からもトップ選手が多く誕生しています。

また、女子プレーヤーが男子チームに入ってプレーすることも禁じられていませんので(禁じると違法です)、通用する限りは高校でも大学でもプロでもプレーできます。この場合もちろん男子のルールに従います。さらに男子のトーナメントに女子チームがエントリーすることも珍しくありませんが、この場合はボディチェックなしのルールで行われることが多く、男の子達はブーブー文句言いながらプレーしています(笑)

というわけで、NCAA D1という世界最強の競技環境で世界をリードするアメリカ女子ホッケーですが、卒業後も一流としてプレーを続けるための競技構造はまだ確立しておらず、今のところカナダとともにCWHLというセミプロリーグを創設してエリート選手の受け皿にしています。

次回はCWHLと共に、母国カナダの女子ホッケー事情について書く予定です。

それでは。

注:ソチオリンピック関連の記事等で当ブログの内容を二次利用される場合は、事前に若林弘紀までご連絡頂くようお願いします。

ソチ・オリンピック最終予選

アイスホッケー日本女子代表が、ついに自力でオリンピック出場権を獲得し、歴史の扉を開きました。選手および関係者の皆さん、本当におめでとうございます!本戦はよりいっそう厳しい戦いになりますが、とりあえず下位グループでドイツとロシアを倒せば決勝リーグに進めるので、それは全然不可能な目標ではありません。ちなみに女子アイスホッケーは、過去のオリンピック、世界選手権、U18世界選手権すべての歴史上、優勝したことがあるのはカナダとアメリカだけという、、、かなり偏った戦力図になっております。逆に言えばその下のグループはそこまでの実力差はなく、銅メダル争いは開かれていると思います。

さて、男子では近年国際リーグEBELを引っ張り自力を上げてきたオーストリア、小国ながら旧ソ連の伝統を受け継いで安定した力を持つラトビアの他、人口約200万人、ホッケー競技人口1000人以下で、成人男子の登録人口が140人程度の小国スロベニアがオリンピック出場を果たすという、衝撃的な出来事がありました。

スロベニアはGDPでも世界75位と、経済的にも厳しく、NHLで活躍するアンジェ・コピターを育てたチームは昨年倒産。国内に残るプロチームはたった一つ(EBELに参戦)です。

今回の代表チームは、その唯一のプロチーム中心に選出、、、と思いきや、国内チーム所属はたった二人で、その他はすべて国外リーグでプレーする選手から選ばれました。しかも国外組はスウェーデン、ドイツの上から二番目のリーグ、フランス、デンマーク、クロアチア、ウクライナ、イタリアなど、ヨーロッパ中堅クラスで、おそらく日本代表クラスの選手なら十分戦っていけるレベルのリーグでプレーしているに過ぎません。その寄せ集めチームが、監督・コピター父の指揮の下、おそらくほとんど強化合宿なんて組めないままオリンピックに辿り着くとは、、、それだけでもとんでもない偉業です。

サッカー日本代表などでも話題になることですが、国外組中心の代表編成は、個々に能力が高い選手を集めることは出来ても、チームとして集まって強化することが難しく、賛否両論です。しかしある程度の強国であれば、国外リーグでプレーする選手が多いのは当然で、それをどうやって組み合わせて強化するかというマネージメント能力というか戦略は必須です。

一方国外組のアドバンテージとして、国外組の何人かが最終予選で当たる国々のリーグでプレーしていたり、所属リーグに対戦相手の国々の選手が居る場合、相手国の選手の特徴を、実戦前にすでに十分スカウティングされていることが考えられます。今回のスロベニアチームにも、対戦国であるウクライナ、デンマークでプレーしている選手が含まれるので、それに近い環境ではあったと思います。

もちろん国内に十分整った競技構造があり、多くの選手が国内に留まってプレーしている場合や、個々の国際経験よりもチームワークを重視している場合は、国内で少数精鋭の強化を繰り返すことも立派な方法論であり、古くは旧ソ連の男子、少し前の中国の女子チーム、そして今回の日本女子代表チームの成功でも証明されています。

世界最高峰を決める舞台となるオリンピックで、カナダ、ロシアなどのホッケー大国が繰り広げる戦いも楽しみですが、こうして予選から勝ち上がってきたホッケー小国や中堅国が、大国相手にどんな戦いを見せるかも楽しみですね。あと一年か~!

それでは。

SE Francois Allaire Goaltending Camp IN ニンブルク(チェコ)

アメリカでは昨日NFLスーパーボウルが大盛り上がりのうちに終了しました。

まぁアメフトでこれだけ大騒ぎする国なんてアメリカだけですが、とにかく視聴率が全盛期の紅白歌合戦並みで、次の日結果を知らない人はいないと言うくらいのイベントです。だってカリフォルニアアマチュアホッケー連盟では「スーパーボウルサンデーにリーグ戦を組んではいけない」と規定されてるくらいですから、、、実際そんな日に試合入れても成り立たないんだろな(笑)

さて、チェコのホッケースクールSports Eventsとの共同企画第3弾は、なんと世界最高のゴーリーコーチと称されるフランソワ・アレール、初のチェコキャンプです。チェコホッケー界はドミニク・ハシェクというスーパースターゴーリーを擁して90年代後半に世界のトップに君臨しましたが、残念ながらその後スーパースターと呼べるほどのゴーリーを輩出できず、近年は国際舞台でも苦戦気味です。そのチェコに、ついにフランソワ・アレールが登場します。スイス、フランス、フィンランドやスウェーデンに続いてチェコでもゴールテンディング革命が起きるのでしょうか?

今年はNHLチームで教えることなくオフを満喫中のフランソワですが、ロックアウト中はルオンゴやジゲールなどNHLゴーリーのプライベートトレーニングを続け(下写真参照)、自身のウェブサイトも制作。さらにオーストリアのレッドブル・ザルツブルグでゲストコーチをやったり、ケベックの新聞用にゴールテンディング進化論ビデオを提供したりと精力的に活動中です。

このゴーリーキャンプは、先に決定しているSE/ELGRAFF 国際トライアウト in ニンブルク(チェコ)と同時期で、5月23-26日開催となります。時期的に難しいかも知れませんが、日本から参加したい方はご連絡ください。私も参加予定ですよ!

<SE Francois Allaire Goaltending Camp IN ニンブルク(チェコ)>

日程:2013年 5/23-26

場所:チェコ・ニンブルグ(プラハより約50km)

参加費:400ユーロ(宿泊費込み)

内容:氷上練習一日2時間半(1時間15分*2)、陸上トレーニング一日1時間、その他ビデオ講義等予定。

対象:中学生以上の男女ゴーリー

詳細:hiroki@hockeylabjapan.comまでお問い合わせください。

公式ウェブサイト

それでは。

Francois with Luongo and Giguère

HLJGWS

日本への帰国日程が固まりました。3月7日に帰国、その後5月末までは滞在している予定です。帰国中にチームクリニック等開催を希望される団体がありましたらお早めにお問い合わせください。

と、待ってばかりも居られないので、新しい試みを考えています。

その名も「Hockey Lab Japan ゴールテンディングワークショップ」です。これは従来のゴーリースクール・クリニックのように、ゴーリーを対象とした指導ではなく、コーチ、ゴーリーコーチに最新の指導、と言うより合理的な指導方法を考えてもらうワークショップです。実はこの「考えてもらう」というのがキーワードであり、一人の指導者が

「我思ふ、最新のゴールテンディングは去年世界選手権で勝ったラップランドで主流となっているタコフライスタイルにあり!」

と決めてしまうのではなく、各コーチが自分の置かれた環境、問題点と知識・経験を報告し合い、話し合いながら自分のチームのゴーリーを育成する方法を考える機会になるような集まりにしたいと思っています。より良い指導者になるためには、どれだけたくさんの本やビデオから学べるのかではなく、結局「自分で考える能力」が一番重要であり、ホッケー大国に居てその差を一番感じます。もちろんゴーリーの参加者には質の高い練習を提供します。

第1回は札幌もしくは八戸で、4-5月のどこかの週末に開催を調整中で、詳細は追って発表します。ザックリし過ぎた予定で申し訳ありません(笑)

ゴーリーに限らずホッケーコーチング全般でも各地でこのような試みを出来ればと願っていますので、開催を希望される方はご連絡ください。

hiroki@hockeylabjapan.com

それでは。

Bitti. bitti!

トルコでのコーチングを終えて、ひとまずアメリカに帰りました。2月末に日本に帰国して今後の進路を模索する予定です。ボヘミアンホッケーコーチを雇いたい方はご連絡ください。英語話せます!

また、3月から初夏まで(未定)帰国中に日本国内でホッケークリニック等行いたいと思います。開催を希望される方も連絡ください。

hiroki@hockeylabjapan.com

それでは。

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「旧態依然」という四字熟語一言で済んでしまいそうなこの記事、、、

泥沼!法大野球部で内紛

要するにOB会が「俺の聞いてないところでチーム人事が行われた!」と言ってゴネているだけのように見えます。いや本当はもっと根深い人間関係、はたまた利権問題があったのかも知れませんが、それこそどうでも良い次元の話でしょう。だいたい「筋が通らない」と言って騒いでいる人がいる場合、「筋=その人(達)の都合/面子」以上に重要ではないことがほとんどです。

私が興味を持ったのは「東京六大学ではOB会が監督人事などを大学に推薦し、決定するのが慣例となっている。ただし、最終的な人事権は大学側にある。」という件です。日本の国民的大メジャースポーツである野球の大学最高峰リーグ、東京六大学の実質的な監督人事権がOB会にあったという、、、きっと柔道とかラグビーとかその他のスポーツでも似たような状況なんだろうなと想像できます。

日本のスポーツ発展を大きく阻害している要素として、アメリカで言うNCAAのように全国の大学スポーツを統轄する組織がないことは、スポーツ社会学やマネージメントの専門家から長年指摘されている問題です。例えば、日本の大学アイスホッケーの頂点を決める大会はいわゆるインカレ、「日本学生氷上競技選手権大会」であり、日本学生氷上競技連盟の主催大会です。しかし関東大学アイスホッケーリーグは東京都アイスホッケー連盟の主催で、関西アイスホッケーリーグは関西学生氷上競技連盟主催のようです。そしていわゆる学連とそれぞれの学生リーグは登録上別ですので(例えば医学歯学系の大学は学連とは無縁でもリーグ戦に参戦できます)、インカレの予選も各地の学生リーグとは無関係。例えば関東、関西、北海道、東北、中四国九州リーグの上位校同士が頂点を決する!わけでもないのです。そして、各種の全日本学生選手権大会を開催する団体を統轄する日本大学体育連盟が存在するわけでもなさそうです。高体連はあるのに、、、

大学スポーツ(ビジネス)界の最高峰であるアメリカNCAAでは、陸上、水泳、アメフト、アイスホッケーその他競技を全国レベルで戦う、いわゆる体育会の大学スポーツ組織を統轄し、各地のリーグ戦、全国大会を主催しています。というと、誰でも簡単に加われそうな競技団体に見えますが、まったくその逆です。NCAAに加盟しようとすると、各競技の各デヴィジョン毎に厳格に定められている、大学の規模、予算、アリーナ等の試合施設の規模などが満たされる必要があります。ちなみにデヴィジョン1のアメフトチームとして認可されるためには、最低収容人数3万人のスタジアムに、平均1万7千人以上の有料入場者を記録している必要があります、、、ひぇ~!

当然の事ながら、日本の多くの大学部活動のように、学生主体で行っているようなクラブスポーツが顧問の先生を置くくらいで認可されるわけはなく、有給のコーチ(人数等規定あり)が、決められたスカウトの手順を経て(メチャクチャ複雑な規則あり)リクルートしてきた学生のみがプレーできるという世界です。リクルートされるための資格もまた厳しく、プロ活動の前歴が一試合でもあればアウトですし、学業の成績も当然基準を満たす必要があります。

その代わり運良くデヴィジョン1最高ランクの奨学金でも貰った日には、学費は全額タダ(アメリカの大学の学費はとんでもなく高いです)、マイナープロよりもはるかに豪華な施設でプロコーチの指導を受け、何万人もの観衆を前に、ほとんどプロのような環境でプレーできる、だけでなく、一流大学で本分の勉学も修めることができます。アメリカで教えていると、子供たちはプロを目指す気満々でも、親は「プロは良いから、とにかくなんとかホッケーで大学に!」と願っていたりするんですが、それもそのはずですね。

というわけで、やっと本題に戻り、そんなNCAA所属大学チームのコーチ人事は誰がどのように行っているかというと、それは各大学の体育会を管轄するAthletic Directorに一任されています。Athletic Director(通称AD)は自分の大学の体育会の全スポーツチームのヘッドコーチを選任し、各チームでNCAA等の所属団体のルールと大学のポリシーに則った活動が行われているかどうかを把握し、管理する要職です。監督やチームに重大な不祥事があった場合はADの首も一緒に飛んでしまうことが良くあります。なにせデヴィジョン1全体の興行収入は年間$8.7 billionという巨大ビジネスですから、優秀な監督を集めて競技の価値を高めることは非常に重要なのです。自分で書いていていまいちどのくらいのお金か判らなかったので、Google先生に計算して貰うと、、、

8700000000 US Dollar equals
775953000000.00 Japanese Yen

8千億円かよー!!!中小国の国家予算ですねこりゃ。

そりゃ日本みたいにOB界の推薦とかでコーチを選んでる場合じゃありませんね。もちろんアメリカにも学閥は日本以上と言うほどに存在するので、OBつながりの人事も少なくありませんし、OBからの寄付でスタジアム建設とかも普通ですから「うちの大学もOB(alumniと言います)がうるせぇんだよ!」という話は聞いたことがありますが、OB界に人事権があるが、最終決定権は大学、なんて曖昧なことがまかり通り、しかもそれで揉めているレベルではありません。

とはいえ、学生スポーツでこれだけのビジネスになってしまっている国はどう考えてもアメリカだけであり、イギリスなどを除いたヨーロッパの国々では高校以降の競技スポーツ(特に集団球技系)の主体はプロクラブに移行しているのが普通であり、ユニバーシアードとかでは意外とショボい代表しか出てこなかったりします。

日本では各競技で未だに大学スポーツが非常に大きな選手供給源になっているにも関わらず、組織の統轄はまったくなされていません。また、アメリカのようにドラフトされたらさっさと休学してプロになり、残りの単位は引退後か夏期コースで取る、みたいな柔軟性もないため、今ひとつプロへの架け橋として機能していないようです。うーん、もったいない。でも競技の数掛ける大学の数存在するOB界のしがらみを断ち切って、今さら学生スポーツの統一管轄組織とか、まぁ大変ですね、、、念願のスポーツ庁ができたら是非その辺の改革も期待したいですね。

今までの組織論からは少し離れますが、色々言っても日本の大学スポーツの可能性はまだまだあります。クラブ制度が普及したサッカー界でも、流通経済大学のように次々と代表選手を輩出して存在感を高めている例もあります。女子ホッケーなんかは特にそうで、大学で一つか二つ受け皿になるようなチームを作ってもらって選手を集めて強化すれば、選手はホッケーと共に学業も修めることが出来て魅力的です。当然留学とか国際交流のノウハウもそれなりにあるから代表強化に必要な要素もすでに備えています。大学側からしても、日本の女子ホッケーのレベルからすれば短期間に大きな宣伝効果を得ることが出来て非常に良いと思うんですけどね、、、施設がある大学で、スタッフもすでにプロを雇っているようなところならかなり簡単にできちゃうはずだし。

あ、関西大学とか良いんじゃん!?

それでは。

USA!

U20の世界最強を決めるIIHF世界ジュニア選手権は、アメリカがスウェーデンを3-1で下して優勝しました。予選では苦しんだアメリカですが、準々決勝ではチェコを7-0で惨殺、準決勝ではホッケーの母国カナダを5-1と一蹴しています。対するディフェンディングチャンピオンのスウェーデンは、準決勝でロシアを3-2でかわして2年連続で決勝に進みましたが、アメリカに完敗してしまいました。

アメリカU20の優勝はこの10年間で3回と、カナダの5回に続く記録です(残りはロシアとスウェーデン各1回)。2010年のバンクーバーオリンピック決勝でカナダに惜敗したりで進境著しいアメリカホッケーの育成と強化については過去のブログでも多く取り上げています。こちらはバンクーバー決勝時のブログで、ナショナルチーム育成プログラムNTDPについて取り上げています。

今回の大会ではホッケーの2大超大国であるカナダとロシアが3決を戦うという、ファンには期待はずれな結果に終わってしまいましたが、それよりも注目すべきは5位決定戦、チェコ対スイスです。スイスは準々決勝でロシアに、5決でチェコにいずれも3-4で惜敗していますが、2009年にトップデヴィジョンに最昇格以来、4位、5位、8位、6位と、ホッケー大国の仲間入りを果たしつつある戦い振りです。ロースターを見てみると、カナダやアメリカのジュニアメジャー、スウェーデンのジュニアリーグなどでプレーする選手も居るものの、半分以上は国内リーグで戦う選手であり、順調に国内の競技構造が構築されていることが判ります。

アメリカを始めとして、近年成功を収めているスロバキア、フィンランド、さらに急激に力を付けてきているスイス、ドイツ、デンマーク、スロベニア、ハンガリー女子など、新しい成功例を見るたびに「おお、これからは○○の時代だ!」と、地理の授業のように海外の強化策を勉強しに行くのはそれ自体決して間違ったことではないのですが、それではその成功例に追いつくことは永遠に不可能です。なぜなら、成功している国々は、少なくとも10年前にその強化策に着手しているからです。例えばアメリカのNTDPは1996年、今から17年前に始まってこの成功に至っているのです。諸外国の成功例を学んでいる時点ですでに10年以上遅れているので、まず取り返しはつきません。

それでは、日本のトップレベルのスポーツの強化策とはいかなるものでしょうか?たしか2008年に始まったJOC事業、国際競技大会で活躍できる選手を育成・指導する真のエリートコーチ養成を目指し行われている「ナショナルコーチアカデミー」の2010年の「コーチング論」講義の模様がこちらです。

橋本聖子が世界レベルのスケーターだったことは疑いようがない事実ですが、コーチング論の講義なら、彼女を育てたコーチ達にやってもらうべきではないでしょうか?もしくは、彼女が「育てて貰った経験」を語るべきではないでしょうか?「研ぎ澄まされた感覚を紐解いて言葉で伝えられたとき、名コーチになれる」って、それは要するに自分の感覚を伝えるだけのコーチじゃあないですか?まともなサッカー選手としての経験のないモウリーニョやサッキ、ホッケー界で言うならスコッティ・ボウマンやロジャー・ニールソン、フランソワ・アレールはいったい何を伝えているのでしょう?

この調子で10年後どうなっているか、私はけっこう予想できます。

今年は辛口でいく、かもしれません、、、

それでは。