2018年4月19-22日 兵庫県アイスホッケー連盟主催 Hockey Lab Japan GKキャンプ@尼崎 参加者募集開始!

*2/12更新:土日のみの日程で参加できる (b) GK土日クラス【氷上6時間+ビデオ講義】:30,000円を追加しました。

2018年4月19-22日に、兵庫県アイスホッケー連盟主催 Hockey Lab Japan GKキャンプ@尼崎を開催します。このキャンプでは、最新のデータと世界各地のGKトレーニング理論に基づき、合理的、効果的で段階的な氷上練習とビデオ講義を行ないます。
<GKキャンプ日程>
4/19(木)
19:30-20:00 受付
20:00-20:30 ビデオ講義 1
21:00-22:30 氷上練習 1
4/20(金)
20:00-20:30 ビデオ講義 2
21:00-22:30 氷上練習 2
4/21(土)
18:45-19:15 ビデオ講義 3
19:45-20:45 氷上練習 3
21:00-22:30 氷上練習 4
4/22(日)
18:45-19:15 ビデオ講義 4
19:45-20:45 氷上練習 5
21:00-22:30 氷上練習 6
主催:兵庫県アイスホッケー連盟
開催場所:尼崎スポーツの森
所在地:〒660-0096 兵庫県尼崎市扇町43
TEL:06-6412-1655
インストラクター:若林弘紀(Arizona Jr. Coyotes、USA Hockey Level 5 マスターコーチ)
デモンストレーター:未定
対象:小学校高学年以上、競技歴2年以上のGK。競技歴2年以上の小学校低学年はご相談ください。
GKクラス定員:18名
指導者クラス定員:10名
参加費:4月1日までに入金して頂いた場合
(a) GKクラス【氷上9時間+ビデオ講義】:45,000円(4月2日以降入金:48,000円)
(b) GK土日クラス【4/21-22:氷上6時間+ビデオ講義】:30,000円(4月2日以降入金:32,000円)
(c) 指導者クラス【氷上9時間+ビデオ講義】:20,000円(4月2日以降入金:23,000円)
*一部日程のみ参加ご希望の場合はご相談ください。段階的な指導内容ですので、出来るだけ全日程参加をお勧めします。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自必ずご加入ください。
*氷上練習の写真や動画等はご自由に撮影していただけますが、二次利用される場合は事前にご連絡ください。講義の参加、撮影はキャンプ参加のGKと指導者クラス参加者に限りますのでご了承ください。
参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.com)までメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。
  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のキャンプ・クリニック名(2018年4月19-22日 兵庫県アイスホッケー連盟主催 Hockey Lab Japan GKキャンプ@尼崎)
  4. 西暦で生年月日
  5. キャンプ開催時の学年
  6. 参加クラス
    (a) GKクラス【氷上9時間+ビデオ講義】:45,000円(4月2日以降入金:48,000円)
    (b) GK土日クラス【4/21-22:氷上6時間+ビデオ講義】:30,000円(4月2日以降入金:32,000円)
    (c) 指導者クラス【氷上9時間+ビデオ講義】:20,000円(4月2日以降入金:23,000円)
  7. 性別
  8. 所属チーム
  9. ホッケー歴(年数)
  10. オリジナルゴーリーカットジャージ(別売:2,000円)希望の方:サイズ(XXL、XL、L、M、S、ユースXL、ユースL、ユースM、ユースS)2月20日以降に申し込まれた方には希望のサイズが用意できない場合がありますのでご了承ください。
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  11. 郵便番号
  12. 住所
  13. PCメールアドレス
  14. 携帯メールアドレス(こちらからの返信を受信できるよう、必ずhockeylabjapan.comworldhockeylab.compaypal.jpドメインのメールを受信できるよう設定してください)
  15. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  16. 保護者名
  17. 備考、質問等
Hockey Lab Japanの個人情報保護方針
Hockey Lab Japan GKキャンプの模様:

2018年5月3-6日 Hockey Lab Japan GKキャンプ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)参加者募集開始!

2018年5月3-6日にテクノルアイスパーク八戸でHockey Lab Japan GKキャンプを開催します。このキャンプでは、最新のデータと世界各地のGKトレーニング理論に基づき、合理的で効果的な氷上練習とビデオ講義を行ないます。一般クラスでは基本スキルとその実戦への応用を、プロクラスではより高度な内容で世界レベルのGKを目指します。
<GKキャンプ日程>
2018年 5/3(木)-6(日)
12:30-13:15 受付(5/3のみ)
13:15-13:45 ビデオ講義(全クラス共通)
14:15-15:45 氷上練習 一般クラス
16:00-17:30 氷上練習 プロクラス
開催場所:テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)
所在地:八戸市新井田西四丁目1-1
電話:0178-25-5655
インストラクター:若林弘紀(Arizona Jr. Coyotes、USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、他
デモンストレーター:アジアリーグゴーリーを予定
対象:一般クラスは小学校高学年以上、競技歴2年以上のGK。プロクラスはプロを含む高校生以上で、高い競技レベルでプレーしているGK。競技歴等をこちらで判断し、一般クラスに移動していただく場合がありますのでご了承ください。
一般クラス定員:24名
プロクラス定員:12名
指導者定員:10名
参加費:4月2日までに入金して頂いた場合
一般クラス:34,000円
プロクラス:42,000円
指導者クラス:18,000円
4月2日以降に入金される場合
一般クラス:38,000円
プロクラス:46,000円
指導者クラス:22,000円
*一般クラスとプロクラスのキャンプ参加費にはオリジナルキャンプジャージが含まれています。
*一部日程のみ参加ご希望の場合はご相談ください。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自必ずご加入ください。
参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.com)までメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。
  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(2018年5月3-6日 Hockey Lab Japan GKキャンプ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク
  4. 西暦で生年月日
  5. キャンプ開催時の学年
  6. 参加クラス
    (A)一般クラス 小学校高学年以上、競技歴2年以上のGK
    (B)プロクラス
    プロを含む高校生以上で、高い競技レベルでプレーしているGKに限る(競技歴等をこちらで判断し、一般クラスに移動していただく場合がありますのでご了承ください)
    (C)指導者クラス
  7. 性別
  8. 所属チーム
  9. ホッケー歴(年数)
  10. 希望のジャージサイズ(XXL、XL、L、M、S、ユースXL、ユースL、ユースM、ユースS)2月20日以降に申し込まれた方には希望のサイズが用意できない場合がありますのでご了承ください。
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  11. 郵便番号
  12. 住所
  13. PCメールアドレス
  14. 携帯メールアドレス(こちらからの返信を受信できるよう、必ずhockeylabjapan.comworldhockeylab.compaypal.jpドメインのメールを受信できるよう設定してください)
  15. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  16. 保護者名
  17. 備考、質問等
    海外ホッケー留学の相談等も受けつけます。
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Hockey Lab Japan GKキャンプの模様:

アイスホッケーワークショップ@上越(4月28-30日)募集開始!

4月28-30日、リージョンプラザ上越 アイスアリーナにて、GK、プレーヤー、コーチ、三つのグループを対象にアイスホッケーワークショップを行ないます。

申し込み、お問い合わせは下記まで、お早めに!

軽井沢ゴールキーパークリニック2017(5月20-21日)募集開始!

今年もやります。
5月20-21日@風越公園アイスアリーナ
詳細及びお申し込みは下記リンクから、お早めに!

【案内】軽井沢ゴールキーパークリニック2017

世界の女子アイスホッケー おさらい編

アイスホッケー女子日本代表が、めでたくピョンチャンオリンピック出場を決めたところで、2014年ソチオリンピック前に掲載した世界の女子アイスホッケーシリーズのリンクをまとめておきます。以前から女子ホッケーの動向を追っている人から、先の最終予選を機に女子アイスホッケーの存在を知った人まで、世界の女子アイスホッケーを知る入り口になればと思います。

4年前の記事ですので、その後女子ホッケー界にもいくつかの変化がありました。一番大きな変化は2015年にアメリカで始まった世界初の本格的女子プロリーグ、NWHLでしょう。給料は日本円にして100-250万円ですが、ついに女子ホッケーを仕事に出来るリーグが誕生し、日本の守護神・藤本選手もプレーしました。が、二年目の今シーズンには早くも経営が悪化し、シーズン途中で給料半減がアナウンスされるなど、まだまだ前途多難です。カナダ代表で世界最強の女子ゴーリーと呼ばれるShannon Szabados手が男子マイナープロと契約したりという話題もありましたね。

世界ランキングには顕著な変化はなく、世界選手権もアメリカとカナダが独占し、第二グループがロシアとフィンランド、その下にスウェーデンとスイスそしてドイツ、日本という構図がこの数年続いてます。

U18の様子などを見る限り、予想ではこの先チェコが伸びてきて、さらに眠れるホッケー大国ドイツが男女共に逆襲を始めると思いますが、上位グループに追い付くのは早くても数年かかります。

デンマーク、ハンガリー辺りも将来的に伸びて来る可能性がありますが、女子スポーツの振興はその国がお金と人材を投資する決断をするかにかかってますし、絶対的競技人口がまだまだ足りないので、何とも言えません。

日本の女子競技人口は2016年統計で2586人。9万人近いカナダ(87500人)、7万人以上のアメリカ(73076人)にははるかに及びませんが、ランキング上位のロシア(1964人)、スイス(1230人)より多く、フィンランド(5950人)、スウェーデン(5014人)、チェコ(2714人)に続いて世界6位です。男女合わせたホッケー競技人口(18988人)も長らく世界のトップ10以内にいますので、たしかにホッケーは日本国内ではマイナー競技ですが、国際的にみればリンクの数も含め非常に恵まれた競技資源ですね。

日本の女子ホッケーの競技環境はその他のマイナースポーツと同じくプロが存在せず、代表クラスの選手でもアルバイトをして生計を立て、さらに遠征費の自己負担などを強いられて来ましたが、ソチオリンピック出場を契機に、代表クラスの選手はサポートしてくれる企業に就職し、より競技に打ち込みやすい環境になりました。これでやっと女子ホッケー強豪国の環境に追いついてきた!と思いきや、実は日本は多くの女子ホッケー強豪国の環境を追い越しています。

日本のライバル国であるドイツ、スイスなどの女子代表選手は、軍の支援を受けるなどしている一部選手以外は本業を持ちながら競技を続けています。格上のフィンランド、スウェーデンも国内リーグでセミプロとして生活費を支給されているのは、基本的に北米等から来た外国人助っ人選手のみです。ロシアにはプロとしていくらかの給料をもらえるチームもあるようですが、リーグや代表選手がプロ化しているわけではありません。アメリカのプロリーグNWHLについては先に書いた通りで、プロとは言っても自立出来る給料をもらえるのはほんの一握りであり、ほとんどの選手は本業をしながらホッケーを続けています。カナダの女子最高峰リーグCWHLは遠征費、活動費は支払わなくて良いものの、防具は選手持ちであり、もちろん給料も出ないので、ほとんどの選手は仕事をしています。なお、アメリカ、カナダの代表選手は、オリンピックの年だけは国からのサポートを受けて、競技に集中しやすい経済環境を得ているようです。

女子ホッケー最強の北米二カ国の育成と強化を支えているのは、アメリカ大学ホッケーNCAAのプロなみの施設とコーチングを受けながら学業にも励めて、しかもトップ選手は奨学金ももらえるという素晴らしい環境です。事実、北米の代表選手たちのほとんどはNCAAを経ているか、または現役のNCAAの学生です。近年ではヨーロッパ等のトップ選手たちもNCAAやカナダの大学ホッケーCISで腕を磨いています。NCAAでは女性のコーチも当然プロとして男子ホッケーコーチと変わらない一流の給料をもらっています(女子チームのコーチだからという理由で給料に差がつくのは違憲)。羨ましいとしか言いようがない環境ですが、逆に女子ホッケーでここまですごい環境があるのはアメリカだけ。ホッケー超大国カナダですら及びません。

北米の圧倒的優位性から、女子ホッケー界の歴史に残るスター選手というのも、現時点ではほとんどがアメリカ、カナダの選手で占められており、北米以外で思いつくのはスウェーデンのErika HolstMaria RoothKim Martinくらいで、あとはギリギリでスロバキアのZuzana Tomcikovaや中国のGuo Hongという感じです。フィンランドのNoora RatyやスイスのFlorence Schellingなんかがこの先歴史に残るかもしれませんが、北米以外であげた選手にゴーリーが多いことからも分かるように、基準が「どれだけ北米チームと渡り合えたか」になってしまいますね。

というわけで、前置きが長くなりましたが、2013年版「世界の女子アイスホッケーシリーズ」のリンクはこちらです。

それでは。

世界の女子アイスホッケー (1) アメリカ編
世界の女子アイスホッケー (2) カナダ編
世界の女子アイスホッケー (3) ヨーロッパ編
世界の女子アイスホッケー (4) 中国編
世界の女子アイスホッケー (5) 番外編1
その他、女子アイスホッケー関連記事

*オリンピック関連の記事等で当ブログの内容を二次利用される場合は、事前に若林弘紀までご連絡頂くようお願いします。

2017年5月3-7日 Hockey Lab Japan GKキャンプ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)参加者募集開始!

2017年5月3-7日にテクノルアイスパーク八戸でHockey Lab Japan GKキャンプを開催します。このキャンプでは、北米とヨーロッパの最新GK理論と練習方法を日本人の身体的・精神的特性に合わせて構築された理論に基づき、合理的で効果的な氷上練習とビデオ講義を行ないます。一般クラスでは基本スキルとその実戦への応用を、プロクラスではより高度な内容で世界レベルのGKを目指します。

(2月6日更新)
*一般クラスの定員まで10名以下になりました。お申し込みはお早めに!
*プロクラスの募集は終了しました。
*3月以降に申し込まれた場合、オリジナルキャンプジャージのご希望サイズを確保できなくなる可能性がありますのでご了承ください。

<GKキャンプ日程>
5/3(水)-7(日)
12:30-13:15 受付(5/3のみ)
13:15-13:45 ビデオ講義(全クラス共通)
14:15-15:45 氷上練習 一般クラス
16:00-17:30 氷上練習 プロクラス

開催場所:テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)
所在地:八戸市新井田西四丁目1-1
電話:0178-25-5655

インストラクター:若林弘紀(Arizona Jr. Coyotes、USA Hockey Level 5 マスターコーチ)、他
デモンストレーター:アジアリーグゴーリーを予定
対象:一般クラスは小学校高学年以上、競技歴2年以上のGK。プロクラスはプロを含む高校生以上で、高い競技レベルでプレーしているGK。競技歴等をこちらで判断し、一般クラスに移動していただく場合がありますのでご了承ください

一般クラス定員:24名
プロクラス定員:12名(募集終了)
指導者定員:10名

参加費:4月3日までに入金して頂いた場合
一般クラス:40,000円
プロクラス:50,000円
指導者:20,000円

4月3日以降に入金される場合
一般クラス:45,000円
プロクラス:55,000円
指導者:25,000円

一般クラスとプロクラスのキャンプ参加費にはオリジナルキャンプジャージが含まれています。
*一部日程のみ参加ご希望の場合はご相談ください。
*参加費にはスポーツ傷害保険は含まれておりません。各自ご加入ください。

参加ご希望の方は以下の情報を明記の上、若林弘紀(hiroki@hockeylabjapan.comまでメールで送信してください。折り返しお支払い方法等についてご連絡します。

  1. 名前
  2. ヨミガナ
  3. 参加ご希望のクリニック名(2017年5月3-7日 Hockey Lab Japan GKキャンプ@テクノルアイスパーク八戸(新井田インドアリンク)
  4. 西暦で生年月日
  5. キャンプ開催時の学年
  6. 参加クラス
  7. (A)一般クラス
    小学校高学年以上、競技歴2年以上のGK
    (B)プロクラス
    プロを含む高校生以上で、高い競技レベルでプレーしているGKに限る(競技歴等をこちらで判断し、一般クラスに移動していただく場合がありますのでご了承ください
    (C)指導者クラス
    指導者クラス参加者は一般クラス、プロクラスの氷上練習に滞氷、またビデオ講習も受講出来ます。
  8. 性別
  9. 所属チーム
  10. ホッケー歴(年数)
  11.  希望のジャージサイズ(XXL、XL、L、M、S、ユースXL、ユースL、ユースM、ユースS)
    3月以降に申し込まれた場合、オリジナルキャンプジャージのご希望サイズを確保できなくなる可能性がありますのでご了承ください。
    ---以下、高校生以下は保護者の連絡先、大学生および成人は本人の連絡先をご記入ください---
  12. 郵便番号
  13. 住所
  14. PCメールアドレス
  15. 携帯メールアドレス(こちらからの返信を受信できるよう、必ずhockeylabjapan.com、worldhockeylab.comとpaypal.jpドメインのメールを受信できるよう設定してください
  16. 携帯もしくは連絡の付きやすい電話番号
  17. 保護者名
  18. 備考、質問等海外ホッケー留学の相談も受け付けています

Hockey Lab Japanの個人情報保護方針
http://www.hockeylabjapan.com/j/privacy.html

軽井沢ゴーリークリニック

お久しぶりです。

ブログではご無沙汰しておりましたが、FaceBookなどでは随時情報を更新してますので、そちらもチェックしてくださいね。そして最近、おそらく世界でもっとも読まれているゴーリー情報サイトIn Goal Magazineで連載を開始しました。ゴーリーのためのホッケーシステム研究という内容です。英語版のみですが、是非ご覧ください。

思い返せば昨年の春は日本各地でスクールやらワークショップをしてました。しかし香港ではほぼ毎日オフィスでジム、いや(ホッケー絡みの)事務もこなすサラリーマンホッケーコーチですので、なかなか日本に帰って活動することが出来ずにいました。しかし、昨年に引き続き、長野オリンピック日本代表コーチなどを務められた清野勝さんにお誘いいただき、「長野県アイスホッケー連盟ゴールキーパークリニック2014」のため帰国することが出来ました。

デモンストレーターには今年からデンマークリーグに移籍する日本代表福藤豊選手、さらにアイスバックスから小野航平選手も参加。シューターにはフランスリーグで活躍した近江創一郎と元アイスバックスの斉藤謙太と、非常に豪華なクリニックになりました。合計2日間のクリニックでしたが、小学生の部37人、中学生の部28人と大盛況でした。また、私が教える香港代表からも男女代表がシューター、ゴーリーとして参加してくれました。自覚はほとんどされていませんが、日本はアジア随一、競技人口とリンク数では世界でも有数のホッケー大国です。日本の競技力と環境に憧れるアジア諸国の選手はたくさんいるので、期待に応えるリーダーシップを発揮したいところです。

中学生のクリニックとプロ選手二人のプライベートレッスンのテーマになったのは、最近急速に普及してきたポスト際のテクニック、リバースVHでした。リバースVHに類似する動きは4年以上前からNHLで見られるようになってきていましたが、未完成の部分が多く、失敗例も多数見られました。しかし最近のNHLでは強力な2-1-2フォアチェックを駆使して、ゴールライン後ろからスコアリングチャンスを作るチームが増えたため、ゴーリーもゴール裏とデッドアングル絡みのプレーに対応が迫られ、リバースVHの技術が洗練されてきました。

NHLの試合やYouTube等で既に目にしたことがある方も多いかもしれませんが、こんな感じで使われています。それにしても近年の動画共有サイトの世界的普及、携帯HDビデオや各種コーチング関連アプリの発展は確実にコーチングの世界を変えています。秘密主義と情報不足の時代は終わり、オープンに(基本的)情報を共有し合い、さらに発展させていかなければどんどん時代から取り残されていきます。私はホッケーコーチングの情報発信としては世界的にも相当古くから長期間続けている方だと自負していますが、それでも全然時代に追いついていません。これまで以上に情報発信に力を入れなければと思います。

Butterfly Save to Reverse VH Position : Drill 1

Cancelling Reverse VH Position : Drill 1

Cancelling Reverse VH Position : Drill 2 Pass In Front

Cancelling Reverse VH Position : Drill 3 Pass Across

最後に、クリニックを通して一番心に残ったのは、やはりプロ選手の意識の高さです。福藤、小野選手共に、小中学生に混じってビデオ講義に参加し、ノートまでとっていました。私は幸運なことに、国内外で何人ものプロ選手と予備軍を指導する機会に恵まれました。プロ選手とアマチュア選手を明確に分けるのは、圧倒的に基本に忠実で正確なスキルであることは間違いありませんが、その差を生む「プロ意識」はスキル以上に際だっています。

勉強熱心であっても、自分を向上させることに徹することが出来ず、自己満足のマニアや批評家で終わるのがアマチュアです。一方、自分の築いてきた物を失うかもしれないという不安や批判を乗り越え、客観的な意見を取り入れて自分の技術と向き合って向上することが出来るのが本当のプロです。

「押しつけられているように感じないことは、本当の教えではない」

とは、たしか道元の言葉です。信念を持ちつつ、変化を恐れず柔軟に対応していける、本当のプロ意識を持ったコーチでありたいと、自分にも言い聞かせる一時帰国でした。

それでは。

決定力をつけるには?追補編2

さて、、、そもそもこの連載がスタートしたきっかけとなった、「決定力」の話にやっと戻りますが、日本的なメンタリティの中で大きく改善しなければならないのが、決定力のある選手を育てるためのコーチングと選手選考の基準です。

これは私自身が海外でのコーチングに適応するために学んだことですが、一般的に日本の指導者は「点取り屋の選手を手なずけるのが苦手」であると感じます。

オープン球技の中で、点取り屋と呼ばれる選手は、どんなレベルでもチームにほんの少ししかいません。世界最高レベルの選手しかいないNHLでさえ、チームの6割のポイントは4人の選手(だいたいFW3人とDF1人)があげているという統計もあります。守りやつなぎのプレーは、ほとんどの選手が練習である程度習得することが出来ますが、得点力ほど才能の差が現れる部分はありません。

この特殊な才能を持っている選手は、時としてわがままであったり、チームプレーを好まなかったり、献身的に守備をしなかったり、コーチに反抗したり、偉そうにしてチームの中で孤立してたりします。日本でも少なからずこの傾向が見られますが、日本以外の国々では特に顕著です。はっきりいって、我が強くない点取り屋なんて存在しません。

しかし、コーチとしては、どんなにわがままで扱いにくいプレーヤーであっても、点を取れるという唯一無二の個性を生かさない限り、最終的に試合で勝つことは非常に難しいでしょう。「うちはどのラインからでも得点できるチームワークと、献身的な守備で勝負するから、ワンマンプレーのストライカーは要らない」とか「うちのチームはスピードで勝負するから、スケーティング重視で選手を選ぶ。ゴール前で点が取れるだけではフィットしない」というなら、勝負どころでの決定力の無さは最初からほぼ諦めるべきです。

私もコーチとしてのキャリアが浅いころには、我が強い点取り屋の扱いを知らず、守備中心のチームプレーにフィットしないことで衝突したりしていましたが、結局のところ点取り屋を生かせないようなチームプレーで勝てることはありませんでした。点を取るラインは、自陣ではなく相手陣内でプレーし続けて初めて意味があるのであり、彼らが自陣でのプレーに専心しているようでは最初から勝ち目がない試合だからです。これは決して点取り屋を甘やかして放任すれば良いということではなく、むしろ逆に攻撃の自由を与える代わりに、チームのために点を取る責任をチーム全員の前で説き、そして、守りが必要な場面では守る、もしくはベンチに座っていることを納得させるだけの、厳しくかつ説得力あるコーチングをする必要があるということです。同時に、点はさほど取らなくても、献身的にプレーするラインへの賞賛を忘れてはいけません。好き嫌いにかかわらず「全員で守り、取るべき人が取って勝つ」というのが、現代的なボールゲームのあり方なのですから。

さてさて、長期にわたって連載してきました「決定力をつけるには?」ですが、そろそろまとめに入ります。ここまで書いてきておいていきなり前提をひっくり返しますが、国際舞台で本当に良い成績を残したいのであれば、そもそも日本のホッケーにもっとも足りないのは「決定力」なのか?ということが、マスコミやファンの視点ではなく、試合分析のプロの視点で綿密に分析されるべきでしょう。そしてその分析を行うプロ=技術委員が登用されるべきです。技術委員による分析は、サッカーの世界では当たり前に行われていますし、ホッケー先進国でも常識でしょう。そしてその技術委員会は、次の目標(一応オリンピックですかね?)に向け、足りない技術は何か?進むべき方向性はどこか?そしていかにしてそこに達するべきか?という指針をアマチュアレベルにまで示すべきです。指針はあくまで明確に、メンタル、体力、経験、決定力なんていう曖昧な言葉を使っても結構ですが、その課題をどうやってクリアするかの具体策がなければ、言葉遊びに過ぎません。

分析結果と末端の現場での指導が連動していることも非常に重要です。例えば、本当にシュートを決める力が不足しているという結論が出たのであれば、スケーティングの時間を削ってでもシュート力とスコアリング力を向上させるべきです。1点差で負けた試合の後に100周罰走をするのではなく、1000本シュートをする方がまだ意味があるはずです。

国際舞台での経験不足を唱えるのであれば、トップ選手は武者修行ではなく、トップレベルで競り合うことが選手としての日常になるように、海外のより高いレベルのリーグでプレーするべきでしょう。男子も女子も、日本と同レベルかそれより高い国々で、トップ選手がより高いレベルの国外リーグプレーしていないのは日本だけです。

そのためには、同時に、日本国内の競技構造を世界水準にすることも重要です。これは単純に競技レベルを上げることだけでなく、より高いレベルのリーグからスカウトされる構造を作るということです。現在、日本で競技ホッケーとして世界から認知されているのはアジアリーグだけです。インカレもインターハイも、どんなにレベルが高くても、いや実際低くないレベルだと思いますが、残念ながら世界から見れば草ホッケーの大会です(だってそもそもアジアリーグ以外英語でスタッツ出ないから名前すら分からなくてスカウトも出来ないし)。ということは、アジアリーグで18歳以下の選手がプレーできない限り、NHLやらKHLのドラフト網に引っかかる選手が現れるのは、世界選手権等でうっかりスカウトされるとして、まぁ20年に一回くらいしか起こりえないわけです。これではたとえどんなに現場レベルで素晴らしいコーチングが行われ、選手が世界を夢見て日々努力していてもその先がないのは当たり前です。

いかんいかん、、、例によって決定力から大きく脱線したまま話が終わりそうですが、この続きはまたどこかで、、、

それでは。

決定力をつけるには?追補編1

オリンピックを機会に書き始めたこの企画ですが、気づけばオリンピックも遥か昔ですね。 私が監督を務めた香港女子代表チームも、ついに世界選手権デビューとなるD2B予選で3月半ばにメキシコに行って参りました。結果、南アフリカに2-5、ブルガリアに2-4、メキシコに0-1で敗れ、初参戦・初勝利というわけにはいきませんでした。 ほぼ全員が大人になってからホッケーを始め、平均年齢が33歳以上と、対戦国より10歳以上年輩、練習も遠征も多額の自己負担、等々、多くの苦難がありましたが、特に最後の試合では、優勝したメキシコ相手に一歩も引かない戦いで0-1と大健闘でした。 また、「競技ホッケー」という概念が存在しなかった香港において、

  1. 選抜され
  2. 一貫して専門的コーチの指導を受け
  3. 氷上練習以外のトレーニングも行なう

という、初の本格的なホッケーチームの基礎を築くことができました。個人的にも今までの経験を生かし、久々に会心のチーム作りが出来たと思います。

その後4月には男子チームのアシスタントコーチとしてルクセンブルグで行なわれる世界選手権D3に行ってきました。結果、UAEとグルジアを破りましたが、北朝鮮、ブルガリアとルクセンブルグに完敗して4位で終わりました。D3とはいえ、上位3チームはすべてプロもしくはセミプロです。このレベルですら、上位に食い込むためには、香港ホッケー界の構造を根本的に変えていかなければいけないということですね。

さて、、、人の教えるチームにならば何とでも言えても、自分の教えるチームと環境ではなかなか上手くいかないものだと再認識しつつ、「決定力をつけるには?」の追補編です。

体格、体力に続きまして、こちらも敗因の定番である「メンタル」。

日本人はメンタルが弱いと勝手に思い込みがちですが、これは万国共通に思い込まれることのようで、ゲルマン魂すさまじいドイツ国民でさえ、サッカーで負けたときにはまっさきに「我が国民はメンタルが弱かった」と言われると聞いた事があります。 かく言う私も20年近く前からメンタルタフネス理論に触れ、活用・実践してきました。

アスリートだけでなく、人生一般で、メンタルタフネスの実践が有効であることは経験的にも承知しています。しかし、重要なトーナメントなどでの敗戦の理由を簡単にメンタル面を言い切ってしまう事には非常に抵抗があります。 繰り返しますが、敗戦の言い訳に「メンタル、体力、経験」を多用するチームや個人で、技術力では他を凌駕しているんだけれど、という例はほとんどありません。

メンタルタフネス、と言う概念やメンタルトレーニング、さらには今流行のビジネスコーチングも、実際には日々の練習(仕事)やアスリート(社会人)としての目標設定、達成過程などを明確にするため、つまりは技術、戦術を高め、精度を上げるために使われるべきものであり、試合前にメンタルトレーナーの話を聞いたから強豪に勝てるわけではないのです。

もちろんゴルフのパッティングやサッカーのPK戦など、特定の分野でメンタルトレーナーを活用する事例は多数あります。例えばイングランドはサッカーWカップでの度重なるPK戦敗退を受けて、代表に精神科医を雇っています。しかしこれはあくまでも試合の特定の局面の強化策であり、チームとしては、まずPK戦に持ち込むことなく勝てる方法を探しているでしょう。

メディアに出ている範囲内しか分かりませんが、今回スマイルジャパンの予選突破の原動力の一つになったと言われるメンタルコーチングは、どちらかというと北米で言うところの「チームビルディング」という内容のように感じます。毎年トライアウトで顔ぶれが変わり、個性と自己主張で満ち溢れる北米のホッケーでは、「チームのために、みんなで頑張る」という当たり前のことを自覚させるために、けっこうな労力が必要です。ですから、ある程度のレベルの競技ホッケーチームではシーズン前もシーズン中も、チームビルディングの各種イベントや個人、グループ面談が、コーチやメンタルトレーナー主導で行なわれるのが当たり前です。

こちらも想像ですが、日本で求められるチームビルディングは、北米と異なり、年功序列に縛られない健全な自己主張や、苦境にあってもリーダーシップを発揮できる環境作りにあったのではないかと思います。

日本でも代表レベルのホッケーチームにメンタルトレーナーが帯同するようになったのは画期的なことですし、おそらくオリンピック出場権獲得に大きく貢献したと思われます。しかし、オリンピックレベル本番では、明らかに技術、戦術で圧倒され、たとえ60分間「日本のホッケー」が出来ていても、一勝するには至らなかったでしょう。メンタル面の強化やチームビルディングは非常に重要ですが、それはあくまで技術・戦術の差が少なくなってきて、あと少しの差を埋めるための一押しです。

そして、おそらく国際舞台で勝ち抜くため、日本のホッケー選手にもっとも必要なメンタリティは、日本人同士のチームで競い合っているだけではなかなか得られないかもしれません。個性ぶつかり合う海外のホッケー界(といっても国によっていろいろですが)で、真剣勝負を年間何十試合も行なう環境にトップレベルの選手が身を置けば、サッカーなどでも「ハードワークで従順だが、柔軟性や想像性、リーダーシップに欠ける」と評されてきた日本的アスリートのメンタリティの殻を破る選手が多く出てくるでしょう。

結局のところ、国際試合で勝ち抜くメンタルを育てるには、トップレベルの選手が、日々真剣勝負を出来る国に行ってプレーするか、そういう環境を国内に作るしか方法がありません。女子も男子も、オリンピックやトップディヴィジョンの常連国では、トップリーグでプレーする選手が中心になっているか、もしくは自国にトップリーグかそれに近い環境が存在しています。

もし、本当に語学、その他の文化が原因で、日本人ホッケー選手が海外に進出しにくいのであれば、逆に国内リーグのレベルを国際的なレベルに高める方法もあります。特に女子では確実に可能です。これはまた機会を改めて書きますね。

さて、追補編2が最終回になるはずなんですが、なるべく早めに書きたいと思います。

それでは。

決定力をつけるには?後編

時事ネタ最終回は、敗因の言い訳ベスト3と呼ばれる、体格(体力、身体能力)、経験、メンタルです。「決定力をつけるには?」というテーマとは多少ずれますが、関連する点も多いので取り上げておきます。

まず、私の知る限り、この3つを言い訳にするチームで「スキル、戦術で相手を遥かに上回っていたのに、、、」という例を見たことがありません。残念ながら典型的なスキル・戦術弱者の言い訳といえるでしょう。

しかし、逆に言えば、誰もが言い訳に使う言葉だけに、しっかりと検証、研究されたことがない概念であり、成功への糸口もそこにあるかもしれません。例えば「本番に弱い」というアスリートへの評価は万国共通ですが、そこからアスリートのメンタルトレーニングを研究、実践したメンタルタフネス、スポーツ心理学先駆者たちは成功を収めています。東欧では、共産主義時代にアスリートの体格、身体的特性の遺伝を研究し、競技に適した才能を見出す方法論を確立しています。

現場での指導、育成方針を改善しなければいけないのは当然として、その他の領域に本当に改善の余地があるのか、また改善すべきなのかを考えてみました。

<体格改善>

ホッケー界で日本人の体格が劣っているのは明らかな事実です。スマイルジャパンの平均身長162cmは、IIHFの世界大会に出場している40か国中35位(1位はカナダ、アメリカの171cm)、平均体重59kgは34位(1位はアメリカの71kg)です。男子代表の平均身長178cmは46か国中43位(1位はロシア、チェコ、スロバキア、スウェーデン、ラトヴィアの186cm)、平均体重80kgは38位(1位はロシアの92kg)です。体格だけ比べてみれば、ボクシングで言うならば、国際試合では常に2~3階級上の選手と戦っていることになります。

各種格闘技で細かい階級分けがなされているように、体重と筋力には比例に近い関係がありますので、身体的接触を伴うスポーツでは特に体重が競技力に影響することは間違いありません。また、サッカーでもハンドボールでも、ゴールネットのサイズが一定である以上、ゴーリーの身長もある程度高い方が有利であることは明白であり、競技レベルが高まるほど、ゴーリーのポジションが高身長になる傾向があります。さらにゴーリー以外であってもホッケーのスカウティングでは良くも悪くも「サイズ」が重視されるので、よほど卓越したスキルが無い限り、残念ながらプロのホッケーチームが平均以下のサイズのプレーヤーを多数ドラフトして、多額の投資をすることは考えられません。

そう考えてみれば「世界と戦うには体格のハンディ、、、」とは言いますが、実際には日本より下位のデヴィジョンの国々も軒並み体格が良いのですから、世界ランキングで女子9位、男子22位というのは相当健闘していると言って間違いありません。ただし、単純なホッケー競技人口やリンクの数、経済規模等で、日本は世界のトップ10ですので、体格の不利を上回る環境の利点を持っているとも言えます。ですから体格の割には健闘しているが、環境を考えればもっと出来ることはあるはずだと考えるのが妥当です。

私はこのブログを書くまでは、日本国内でメジャースポーツである野球やサッカーの代表は、ホッケーよりはるかに大きな競技人口から選抜されるだけに、日本人の中でも体格が優れたアスリートが選抜されているはずだと思っていたので、(筋トレその他で改善できる体重ではなく)ホッケー選手の平均身長を向上させるには、マイナースポーツを脱する以外に手はないと考えていました。しかし、現実には、例えば世界トップレベルにあるサッカー女子代表は、アイスホッケー女子代表とほとんど変わらない身長ですし、サッカー男子代表、野球男子代表もアイスホッケーと大差ない体格です。対してバスケットボール、バレーボールやハンドボールなど、より高身長が有利な特性では、当然日本代表の平均身長も高くなっています。例えばハンドボールの男女代表はホッケー強豪国に匹敵する体格(男子183cm、85kg、女子167cm、61kg)です。

[2012-13男子日本代表]
アイスホッケー 179cm 80kg
サッカー 179cm 74kg
野球 179cm 82kg
ハンドボール 183cm 85kg

[2012-13女子日本代表]
アイスホッケー162cm 59kg
サッカー 163cm 56kg
ハンドボール 167cm 61kg

つまり、単純に日本人の平均身長が低いからホッケー選手の身長も低い、というわけではなく、「競技特性と、各競技のリクルート過程、育成、選考基準が選手の身長を何となく決めていく」とも考えられます。もう少し分かりやすく言えば「背の高い子供達は何となくバレーボールやバスケットボール、ハンドボールを選び、また、背が高いという理由でそのような競技にリクルートされ、選抜過程で生き残りやすい」という仮定です。この傾向はおそらく日本以外でも大差なく、北米には10代前半で180cm以上の子供達も珍しくありませんが、より高身長向きといわれる競技に流れていきます。超高身長の若年ホッケー選手は”He should play basketball.”と、よく言われています。

長々と書いてきましたが、問題は「日本のホッケーの強化のために、ホッケー選手の体格改善をする努力をすべきか?そしてそれは可能か?」ということです。私はすべきだと思いますし、可能だと思います。先述したように、サイズ面だけを基準に比べるならば日本代表は世界最下位レベルの体格ながら、ランキングでは非常に健闘していますが、現在のサイズでは世界に挑戦する限界に近づいているかもしれません。これからサイズに関わらずホッケーそのものの質を上げなければいけないのは当然ですが、サイズがある選手が増えることで、まず、より高いレベルの海外リーグに挑戦しやすくなります。私は強豪国のプロスカウトと話したときに、こう言われました。

「まずはサイズがあって、上手いプレーヤーを紹介して欲しい。現時点では、日本のレベルでいくら上手くても日本のリーグは世界水準に無いので、本場で通用するかどうかを計る目安にならず、契約の可能性が極めて低い。さらにサイズがなければ可能性はゼロに近くなる。サイズがあって上手い日本人が一人成功すれば、そこから可能性は広がる」

フェアではありませんが、これも現実の一部です。また、国内リーグのサイズアップを図ることで、国際試合との差が少なくなる利点もあります。本当に世界との差を縮めたいのであれば、強豪国で戦う選手を増やすか、国内の環境を強豪国に近づけるしかないので、サイズのある選手を増やす、というのは間違った方向性ではありません。サイズのない選手も、国内でより多くのサイズのある選手に囲まれてプレーしてこそ、国際舞台で通用するプレーを身につけることができるはずです。

それではどのようにしてサイズアップを図るか?これはリクルートと育成方法と、コーチの意識を大胆に変え、高身長の子供達をホッケーに誘導するしかありません。他競技では既に、バスケットボール協会が「ジュニアエリートアカデミー(ビッグマン&シューター)」、サッカーでは、なでしこジャパンが「スーパー少女プロジェクト」という形で実施しています。いずれも、高身長の子供を、競技歴問わず募って育成するプロジェクトです。アイスホッケーには「スケーティング」という大前提があるので、例えば、「滑れないけど背が高くて、身体能力が高い中学一年生を発掘してゴーリーにする」というと、無理があるように聞こえるかもしれませんが、「スケーティングの特訓は出来ても、身長は高くする特訓をすることことは出来ない」のですから、指導の方法論さえしっかりしていれば、やってみる価値はあります。

一般的に、早く高身長になる子供は、コーディネーションやバランス能力が追いつくまでに時間が掛かるため、身長が低くて機敏に動く子供に比べてスケーティングに難があり、「背は高いけど、動けないからダメ」と言われてしまう例を、国内外で見てきました。しかし、それでも “You can not teach size.” であり、心身の成長バランスが崩れるクラムジーの影響が大きい、高身長の子供達の正しい育成方法を研究すれば解決できる問題です。実際北米の高身長選手は、18歳くらいまでスケーティングはイマイチ、いやかなり下手だったりしますが、その後プロになるまでに専門的なスケーティング練習で挽回することが多く、大きく、上手くなられると、完全に歯が立たなくなってしまいます。

身長、体格を基準にしたプロジェクトには違和感もあるかもしれませんが、体格はアスリートの立派な才能であるどころか、現代表に欠けている要素であるならば、それを補うプロジェクトを行うのも一つの強化です。サイズがないことを前提に強化方針を考えるだけで、サイズを上げる方法を考えなければ、身体能力が高く、高身長のアスリートはホッケーを選んでくれないでしょう。野球のダルビッシュ選手やサッカーの城選手のように、身体能力が世界レベルで、高身長だったホッケー少年が、最終的に他の競技を選んで成功している例も現実にあるわけですから、、、

体重、もこれまた非常に重要なのですが、これはまたの機会に書きます。

最後に、繰り返しますが、サイズに関わらずホッケーそのものの質を上げなければいけないのは当然です。また、決してサイズが全てを解決するのではなく、技術や戦術不足を安易にサイズ不足に置き換えてはいけません。しかし、国際的競技力向上のために、サイズそのものを向上させる方法を模索する価値は大いにあります。

さて、次はメンタルと経験の問題です、、、

あ、後編でも収まらなくなってきましたね。じゃ、追補編で!

それでは。